祈り姫

花咲マイコ

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13☆秘密の素性

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「これはな、わしの母が託してくれたものだ」

 祖父はそう言って十才になった李流にペンダントにまつわる祖父の秘密を聞いた。



 祖父の母、李流にとって曾祖母は斎宮を務めていた。
そして歴代の中で不思議な力を持っていたとも言われている。

 その斎宮さまがニダ国に嫁ぐことになり、ニダ国とは更なる日和帝国との結びつきが強くなることがアジアにとっての平和だと信じていた。(反対していた日和首相はニダの民によって殺されてしまったが)

 そして盛大な結婚式を経て、仲が睦まじい夫婦に長男である祖父が生まれたが、ニダ国の伝統で最初の子供は不義の子という事で殺される事が決まっていた。
斎宮に不義の疑いをかけて貶めているという事でもあった。
歴代の王妃の定めとはいえ、日和帝国は納得いくものでもない。ただでさえ祈り姫のであられる方のお子を殺すことは許されない。国の伝統と言われても人道的にも納得出来ない。
日和国の方がニダ国の保護国でもあるので意見を出したら強い。
結果夭折したということにして、侍女にあずけた。
しかし日和国に伝統の邪魔をされたと思うニダ国の臣下は子を殺そうと意見する。
追っ手から逃げるように侍女は斎宮の赤子を抱いて
当時駐留していた桜庭の宮にあずけられ、斎宮のペンダントを見た桜庭の宮様は斎宮の御子だと確信した。

そして桜庭の宮の養子となり、桜庭の宮の娘と結ばれて、李流たち孫にも恵まれた。

「おじいさんは・・・親を恨まなかったの?」
「恨むより感謝だな。こうして幸せでいられるのだから。」
祖父は優しく微笑む。
「それに内緒で母の付き添いをしたこともある、何も言わなくても絆はあるのだ。」
「ひいおじいさんとは?」
「……まぁお前と同じかの。何の因果かわからぬが」
笑顔が苦笑に変わる。

李流は父とうまくいっていない、父は母と離婚してニダ国の女と再結婚した。

ニダ国を軽蔑している祖父は父を勘当して追い出し、李流と嫁を面倒みている。

そんな気まずい雰囲気に李流はペンダントの中を開ける。曾祖母の写真が入ってると思いきや、ペンダントからバラバラとペンダントの丸い形によくハマった板が広がった。まるで地図のような線がペンダントの中央から端に向けて線が彫られている。
「迷路みたいだ……」
とあっけに取られた李流はつぶやく。
「ゴールは斎宮の宮、曾祖母がおわさったところまではわかるのだがな」
「どういうイミだろう。」
「さあな」

祖父は興味はなさそうだったが、なぜか李流には惹かれるものがあった。

「だだそのペンダントは良い方へ導いてくれるお守りだと言うことは確かじゃな、祈り姫の最も強い加護が込められているからな」

そう笑う祖父の顔はとても満足げだった。



そのペンダントが宮中に導き、法子に合わせてくれた。

それを無くしてしまうなんて……

しかも今は罪人だ。
捉えられてる場所はしつらえられた屋敷牢。
さすが宮中。
一応布団に潜ってもんもんと考えていたら過去の夢を見るなんて。

 桜庭の家にも迷惑かかってるだろうなぁ
 それにしても今更法子様との逢引をバレるなんておかしい。
 この宮中にもQ条信者のつてが回ってるんだろうな。
と感が働く。
 法子様に自虐史を植え付けているのが許せなくて、自虐史観を払拭に成功したのはいいけれど、そのためによく思わない奴らのリークがあったに違いない。
誰かは解らないけれど、知る必要もない。

この後俺はどうなるんだろう。

マスコミが
『少年Aが宮中に忍び込んで、うんたらかんたら』
とか騒ぎ出すんじゃないだろうか?

あることないこと噂されるに違いない。

そんなくだらない心配よりも一番の不安事は

宮中にも陛下にも迷惑をかけることにもなる。

それを思うだけで

「はぁぁぁぁああああ……」

頭を抱えて悶絶するしかなかった。

「桜庭李流、門からでろ。陛下直々にお言葉がある」

宮中警備が2人牢の前にきて鍵を開けながら思いがけないことを言った。
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