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16☆すべては運命
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「 法子様……」
法子は必死に陛下に訴える。
「李流があの場所に来てくれなかったら私は宮から家出をしてて今ここにいなかった!
李流がこの国のことを歴史をお祖父様、祝皇のことを教えてくれなかったら、祈り姫になろうとも思わなかった!
だから李流は悪くない!だからだから……!」
「法子様ありがとうございます」
自分をかばう小さな背中を抱きしめずにはいられなかった。
不敬だと思うことも忘れてしまうほど胸が熱くて涙が止まらない。
「り、李流?泣いているのか?」
法子の小さな肩に顔を埋められ驚きと恥ずかしさで戸惑う。
それと李流のことが心配で泣いていることか気になってしまう。
大好きな笑顔の李流が泣くなんて。
「嬉しくて泣いているのです」
法子の肩に顔を埋めていた李流は失礼だと思い出し、体を離すと法子の方に向き直り、止まらぬ涙はそのままにいつもの笑顔を法子に向ける。
法子は息が止まる。
とても素敵に思えたからだ。
動悸までしてくる。
「法子様と出会えたおかげで今日は忘れられない日になりました。運命を感じることが出来ました。
陛下にお会いすることも出来ました。全て法子様のおかげなのですよ。
だから何も悪くないのです。誰も悪くないのです。
すべては運命なのですから」
「そ、そうか」
思いが詰まった言葉と李流に対してのドキドキが止まらなくてその言葉しか法子は出てこなかった。
「良かったな、法子。李流君に会えて」
陛下はニコニコして法子の頭を撫でる。
「お祖父様……いえ、陛下」
法子は姿勢を正して陛下の前で膝をつく。
その行動に陛下は驚く。
孫の法子に自発的にそのような臣の礼を取られるのは初めてだからだ。
「わたくし、法子はこれからは祈り姫として修行をし、立派な祈り姫を務めたいと思います」
法子は陛下に真摯の瞳を向ける。陛下も孫とそうの関係ではなく祝皇として振る舞うことにする。
「これから国の国民の幸せを祈る姫巫女として勤めを果たすように務めなさい。」
「はいっ!仰せのままに!」
法子は元気よく陛下に応える。
それは孫と巫女の関係が一体化した感じだ。
「ひとつ聞く、その決意は李流くんの為にか?」
「いいえ、国を愛する、陛下を愛する国民が今以上に増え国が幸せになるように祈り支えたいからです」
迷いなく即座に答えるそれが本心だ。
李流のためというのは違う。
それはハッキリしてるから答えた。
法子がその答えを導き出したのは李流のおかげでもある。
陛下は少しその答えに残念に思った。
法子の答えはある意味あっているけれど、もっと感情豊かな深い愛がないと国を幸せに導くことは難しい。
人は人を愛してこそ周りを幸せにしようと思うのだから……
まだ幼い法子にはそこまでの愛情を持つまでには成長はしていないが、決意は立派な成長だと思う。
陛下は李流に微笑み
「ふふ。その決意は李流くんのおかけだね。ありがとう。」
「いえ、め、滅相もございません!私はたた、この国の民として法子様を支えたいと願っただけです」
法子が悲しまないように、自虐史にまみれたこの国の間違いに染まらないように自分の思いをぶつけただけかもしれない。
けれど、それが結果的に法子をこのように立派な祈り姫に導いたことは紛れもない李流のおかげである。
「法子は李流君に恋してるのか?」
いきなり私的なことを仰られて法子と李流は、きょとんとした後に顔を真っ赤にする。
「そうかそうか、まだ若すぎる。先はまだ続いているゆっくり二人の運命を紡いでいけばいい。」
「は、はぁ…」
陛下の言葉の意味はわかる。
けれど、心を知られたのは恥ずかしく未だに顔が赤い。
「李流くんに罪はない。ご家族にも、世間にも、この事は内密だ。」
陛下はそう仰せられ李流はホットする。
一晩帰ってこないこと、このお忍びが家族にバレたら大事だったからだ。
けれど、言い訳は考えて置かなければとおもう。
「私はもう行かなければ、李流くんを無事送り届けるように」
そう、警備に命ずると今まで、経緯を己で推理していたであろう警備ふたりは、はっ!と敬礼をする。
「久々に国民と私的な話が出来て楽しかった。運命の導きでまた会うことがあるだろう。その時はまた語らう時間を設けよう」
陛下はそのまま、東屋の方に向かいそこで待っていた皇后様とを取り合って宮殿へ帰っていった。
祝皇としての公務がこれから始まるのだ。
ささやかな、陛下の時間を自分の為に割いてしまった申し訳なさと感謝の気持ちで李流の胸はいっぱいになった。
法子は必死に陛下に訴える。
「李流があの場所に来てくれなかったら私は宮から家出をしてて今ここにいなかった!
李流がこの国のことを歴史をお祖父様、祝皇のことを教えてくれなかったら、祈り姫になろうとも思わなかった!
だから李流は悪くない!だからだから……!」
「法子様ありがとうございます」
自分をかばう小さな背中を抱きしめずにはいられなかった。
不敬だと思うことも忘れてしまうほど胸が熱くて涙が止まらない。
「り、李流?泣いているのか?」
法子の小さな肩に顔を埋められ驚きと恥ずかしさで戸惑う。
それと李流のことが心配で泣いていることか気になってしまう。
大好きな笑顔の李流が泣くなんて。
「嬉しくて泣いているのです」
法子の肩に顔を埋めていた李流は失礼だと思い出し、体を離すと法子の方に向き直り、止まらぬ涙はそのままにいつもの笑顔を法子に向ける。
法子は息が止まる。
とても素敵に思えたからだ。
動悸までしてくる。
「法子様と出会えたおかげで今日は忘れられない日になりました。運命を感じることが出来ました。
陛下にお会いすることも出来ました。全て法子様のおかげなのですよ。
だから何も悪くないのです。誰も悪くないのです。
すべては運命なのですから」
「そ、そうか」
思いが詰まった言葉と李流に対してのドキドキが止まらなくてその言葉しか法子は出てこなかった。
「良かったな、法子。李流君に会えて」
陛下はニコニコして法子の頭を撫でる。
「お祖父様……いえ、陛下」
法子は姿勢を正して陛下の前で膝をつく。
その行動に陛下は驚く。
孫の法子に自発的にそのような臣の礼を取られるのは初めてだからだ。
「わたくし、法子はこれからは祈り姫として修行をし、立派な祈り姫を務めたいと思います」
法子は陛下に真摯の瞳を向ける。陛下も孫とそうの関係ではなく祝皇として振る舞うことにする。
「これから国の国民の幸せを祈る姫巫女として勤めを果たすように務めなさい。」
「はいっ!仰せのままに!」
法子は元気よく陛下に応える。
それは孫と巫女の関係が一体化した感じだ。
「ひとつ聞く、その決意は李流くんの為にか?」
「いいえ、国を愛する、陛下を愛する国民が今以上に増え国が幸せになるように祈り支えたいからです」
迷いなく即座に答えるそれが本心だ。
李流のためというのは違う。
それはハッキリしてるから答えた。
法子がその答えを導き出したのは李流のおかげでもある。
陛下は少しその答えに残念に思った。
法子の答えはある意味あっているけれど、もっと感情豊かな深い愛がないと国を幸せに導くことは難しい。
人は人を愛してこそ周りを幸せにしようと思うのだから……
まだ幼い法子にはそこまでの愛情を持つまでには成長はしていないが、決意は立派な成長だと思う。
陛下は李流に微笑み
「ふふ。その決意は李流くんのおかけだね。ありがとう。」
「いえ、め、滅相もございません!私はたた、この国の民として法子様を支えたいと願っただけです」
法子が悲しまないように、自虐史にまみれたこの国の間違いに染まらないように自分の思いをぶつけただけかもしれない。
けれど、それが結果的に法子をこのように立派な祈り姫に導いたことは紛れもない李流のおかげである。
「法子は李流君に恋してるのか?」
いきなり私的なことを仰られて法子と李流は、きょとんとした後に顔を真っ赤にする。
「そうかそうか、まだ若すぎる。先はまだ続いているゆっくり二人の運命を紡いでいけばいい。」
「は、はぁ…」
陛下の言葉の意味はわかる。
けれど、心を知られたのは恥ずかしく未だに顔が赤い。
「李流くんに罪はない。ご家族にも、世間にも、この事は内密だ。」
陛下はそう仰せられ李流はホットする。
一晩帰ってこないこと、このお忍びが家族にバレたら大事だったからだ。
けれど、言い訳は考えて置かなければとおもう。
「私はもう行かなければ、李流くんを無事送り届けるように」
そう、警備に命ずると今まで、経緯を己で推理していたであろう警備ふたりは、はっ!と敬礼をする。
「久々に国民と私的な話が出来て楽しかった。運命の導きでまた会うことがあるだろう。その時はまた語らう時間を設けよう」
陛下はそのまま、東屋の方に向かいそこで待っていた皇后様とを取り合って宮殿へ帰っていった。
祝皇としての公務がこれから始まるのだ。
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