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白いバイオリン
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昔あるところに 珍しい白いバイオリンを持って旅をしていたフィルという少年がいました。
街の中央で素晴らしい曲を弾きみんなから歓声とお金を貰い生活をしていました。
少年のバイオリンの演奏はとてもすばらしく、音色を聴く者を魅了しました。
白いバイオリンの音色もとても美しく響きます。
その音色を聴いたものは誰しも感動を覚えました。
まるで天使が奏でる最高の天上の音楽を聴いているようです。
そんな彼の演奏を馬車から聞いていた、王宮お抱えのバイオリニスト、ガリバは彼の演奏技術がいいのではなく演奏はバイオリンが良いからだと思いました。
そのバイオリンを使い奏でれば少年より上手く弾けるし、さらに王様に一目置いてもらえると考えました。
ガリバは少年にお金を出すからバイオリンを譲ってくれと頼みました。
けれど、少年は断りました。
「このバイオリンは邪な心の持ち主には弾きこなせないのです」
「私がよこしまだと!?私は王様に認められたバイオリニストだぞ!失礼な事を申すな!」
無理やりフィルからバイオリンを奪って逃げてしまいました。
ガリバは白いバイオリンで奏でた時とても心地よく弾くことができました。
その心地はまるで、バイオリンと一体になったようでした。
やっぱり、このバイオリンが良いから良い音色が奏でて、
「王様に認められている私だからこそさらに美しく奏でられるのだ。」
そう思えば思うほど、白いバイオリンは灰色から黒色になっていきました。
天上の音楽だと思える音色も地獄の底から助けを求める音に変っていったのでした。
けれど、ガリバの耳にだけは自分はとても最高の音楽を奏でているように聞こえていたのでした。 王様の誕生日の日、ガリバは黒くなったバイオリンで王様のために奏でました。
その音色をきいたものは、耳を塞ぎ身震いし、あるものはその場で倒れ込んで具合の悪くなるものまででてきました。
ガリバの奏でるバイオリンは悲鳴をあげているような慟哭している音に聞こえるのです。
王様はガリバと死刑にし黒くなったバイオリンを呪いのバイオリンだと思い壊そうとしました。 そのとき、フィルがバイオリンを壊すのを止めました。
「わたしが、王様の前で奏でましょう。」
少年が弓と弦を重ねた瞬間、黒かったバイオリンは音も色も澄みもとの白いバイオリンになりました。
そして
天上へと届くほど美しい高音
音色に心を震わせるビブラートの音色…
心を弾ませるピチカート…
ガリバの音色を聴いて具合の悪くなったものはたちまち元気になり、さらに音色や 素晴らしい楽曲で感動で涙をこぼしました。
王様も心からフィルの奏でる演奏に感動しました。
その音色と演奏に満足した王様は王宮お抱えのバイオリニストにしてやるといいました。
王から頂いた名誉をフィルは首横に振りを断りました。
「ぼくは、純粋にみんなに自分の音楽を聴いてもらいたいのです。
もし、王様のためだけ、自分の満足だけにバイオリンを弾いたらこのバイオリンは本当にガリバが奏でたような音色になってしまうでしょう」
「だが、一つだけでも願いを言ってくれ。それがお前に対する私からの評価だ」 フィルはガリバを見ました。
ガリバは死刑を宣告されて怯えていたのですが、今は諦めてフィルを尊敬のまなざしでみていました。
自分の不徳を悔いていまいした。
そんな彼に、フッと微笑み王様に向き直り願いを言いました。
「願いを叶えてくださると言うのなら、ガリバさんの死刑をお許しください。 彼も本当は純粋に音楽を愛する人なのですから…」
そういい、フィルはまた白いバイオリンとともに気ままに旅立ちました。
フィルの天上の心地がする素晴らしい音楽はこの世には残りませんでした。
しかし、フィルの白いバイオリンの音色演奏を聴いた者たちは思い出すたびに幸せな気持ちになったのでした。
街の中央で素晴らしい曲を弾きみんなから歓声とお金を貰い生活をしていました。
少年のバイオリンの演奏はとてもすばらしく、音色を聴く者を魅了しました。
白いバイオリンの音色もとても美しく響きます。
その音色を聴いたものは誰しも感動を覚えました。
まるで天使が奏でる最高の天上の音楽を聴いているようです。
そんな彼の演奏を馬車から聞いていた、王宮お抱えのバイオリニスト、ガリバは彼の演奏技術がいいのではなく演奏はバイオリンが良いからだと思いました。
そのバイオリンを使い奏でれば少年より上手く弾けるし、さらに王様に一目置いてもらえると考えました。
ガリバは少年にお金を出すからバイオリンを譲ってくれと頼みました。
けれど、少年は断りました。
「このバイオリンは邪な心の持ち主には弾きこなせないのです」
「私がよこしまだと!?私は王様に認められたバイオリニストだぞ!失礼な事を申すな!」
無理やりフィルからバイオリンを奪って逃げてしまいました。
ガリバは白いバイオリンで奏でた時とても心地よく弾くことができました。
その心地はまるで、バイオリンと一体になったようでした。
やっぱり、このバイオリンが良いから良い音色が奏でて、
「王様に認められている私だからこそさらに美しく奏でられるのだ。」
そう思えば思うほど、白いバイオリンは灰色から黒色になっていきました。
天上の音楽だと思える音色も地獄の底から助けを求める音に変っていったのでした。
けれど、ガリバの耳にだけは自分はとても最高の音楽を奏でているように聞こえていたのでした。 王様の誕生日の日、ガリバは黒くなったバイオリンで王様のために奏でました。
その音色をきいたものは、耳を塞ぎ身震いし、あるものはその場で倒れ込んで具合の悪くなるものまででてきました。
ガリバの奏でるバイオリンは悲鳴をあげているような慟哭している音に聞こえるのです。
王様はガリバと死刑にし黒くなったバイオリンを呪いのバイオリンだと思い壊そうとしました。 そのとき、フィルがバイオリンを壊すのを止めました。
「わたしが、王様の前で奏でましょう。」
少年が弓と弦を重ねた瞬間、黒かったバイオリンは音も色も澄みもとの白いバイオリンになりました。
そして
天上へと届くほど美しい高音
音色に心を震わせるビブラートの音色…
心を弾ませるピチカート…
ガリバの音色を聴いて具合の悪くなったものはたちまち元気になり、さらに音色や 素晴らしい楽曲で感動で涙をこぼしました。
王様も心からフィルの奏でる演奏に感動しました。
その音色と演奏に満足した王様は王宮お抱えのバイオリニストにしてやるといいました。
王から頂いた名誉をフィルは首横に振りを断りました。
「ぼくは、純粋にみんなに自分の音楽を聴いてもらいたいのです。
もし、王様のためだけ、自分の満足だけにバイオリンを弾いたらこのバイオリンは本当にガリバが奏でたような音色になってしまうでしょう」
「だが、一つだけでも願いを言ってくれ。それがお前に対する私からの評価だ」 フィルはガリバを見ました。
ガリバは死刑を宣告されて怯えていたのですが、今は諦めてフィルを尊敬のまなざしでみていました。
自分の不徳を悔いていまいした。
そんな彼に、フッと微笑み王様に向き直り願いを言いました。
「願いを叶えてくださると言うのなら、ガリバさんの死刑をお許しください。 彼も本当は純粋に音楽を愛する人なのですから…」
そういい、フィルはまた白いバイオリンとともに気ままに旅立ちました。
フィルの天上の心地がする素晴らしい音楽はこの世には残りませんでした。
しかし、フィルの白いバイオリンの音色演奏を聴いた者たちは思い出すたびに幸せな気持ちになったのでした。
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