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オーネの努力
2☆捨てられないために
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「たしか、この辺だったはず、……」
森を抜けると夜の街についた。
ボースが魔女の森と普段繋げている街につく。
生活必需品やら珍しい香辛料、鉱石まで品ぞろえの良い街で魔女に寛大だった。
ボース以外の魔女も利用している。
ボースは、魔法薬を作っては、薬屋に売っては、お金をもらい、魔法を込めた石を売っては、宝石商からお金をもらう資金ルートを確立していた。
そして、昔のボースが悪い魔女を退治して以来の付き合いでボースを知らない街のものはいない。
オーネのような美人ではなく、男の子のような魔女と認識されていてボースもオーネも気負うことのない街なのだがボースはあまり街には長くとどまらない。
用が済んだら森に帰っていく。
そして、最近はオーネに買い物を頼みボースは森の中から出ていなかった。
昔は二人一緒に買い物をすることがあった。
行かなくなった理由はオーネが反抗期になってから一緒に買い物にいかなくなってしまった……
反抗期でなんでもボースに反発していた十三歳のとき、
「一緒に買い物行くのヤダ!」
と、言ってしまった。
「あれもダメ!そっち行ってダメ!」
と言う、ボースがうるさく感じだためでもあった。
そんな反抗ばかりしているオーネに困るどころか、冷たい金に輝く青緑の瞳をオーネ似合わせて、人差し指を胸に突き立て、
『好奇心と自由を謳歌する人権を認めてあげるよ。
その代わり僕が頼んだものを買ってきてね……さもなくば……』
そのあとの言葉をボースは言わなかった。
《さもなくば、眷属として役に立たないで、逆らってばかりならば捨てるよ?》
という事だとオーネは悟った。
それ以来あまり逆らうことはしなくなった。
オーネと離れて好き勝手に買い物することは楽しかった。
だけど、寂しかった。
(ボースと一緒に買い物をしたい……)
と切に思うことが多くなったとおもえば、
反抗期よりも思春期の思いの方が強くなっていた。
ボースを『お姉さん』と言うよりも『女の子』と、認識していた。
反抗期ついでに、一緒にお風呂に入ることをしなくなって良かったような、残念のような……
だけど、この気持ちはまだ素直になれなかった。
そんなこんなで三年たって今に至る。
一昨日、宝石店に魔法石を卸しに行っていた時に、
若い恋人同士が宝石を買いに来たのをみて、
(自分もボースと恋人になって……ボースと…あんなことや…こんな……)
と憧れたことを思い出し、ハッと今置かれている状況を思い出し我に返る。
「いやいやいや、今は女らしくなるために頑張ってボースに捨てられないようにしなきゃ。」
オーネは独り言を人が通る道の真ん中で呟く。
美しいオーネに声をかけ用とした男がいたが、一人ごとをブツブツ言っているので声をかけずにほっておく事にした人間が数人いたことにオーネは気づかなかった。
「はぁ……こうやって一人でいると、ボースのことが頭から離れられない……」
それは眷属だから?それとも………やっぱり………と悶々と悩んでいる間に目的地に着いた。
目的の店はまだ夕方から夜になったばかりではやっていないようだ。
(ここで、女らしさを磨いてボースに見切られないようにしてやるんだから!)
男を女らしくする店……
今この街で有名なオカマバーだった。
宝石を卸に言ったその日に面接までしてきた事はボースに内緒だ。
そして、いいタイミングで街に繰り出すことができたと思う。
「ボースの薬を飲まなくても、ボースのために女としてやって行けるんだから!」
オーネは
『身代わりとして無理かなぁ……』という、ボースの困ったような顔を見ることが一番こわかった。
捨てられてしまうんじゃないかとビクビクするくらいなら捨てられないように努力しようとオーネは覚悟を決めて街一番の人気酒場の扉を開けるのだった。
森を抜けると夜の街についた。
ボースが魔女の森と普段繋げている街につく。
生活必需品やら珍しい香辛料、鉱石まで品ぞろえの良い街で魔女に寛大だった。
ボース以外の魔女も利用している。
ボースは、魔法薬を作っては、薬屋に売っては、お金をもらい、魔法を込めた石を売っては、宝石商からお金をもらう資金ルートを確立していた。
そして、昔のボースが悪い魔女を退治して以来の付き合いでボースを知らない街のものはいない。
オーネのような美人ではなく、男の子のような魔女と認識されていてボースもオーネも気負うことのない街なのだがボースはあまり街には長くとどまらない。
用が済んだら森に帰っていく。
そして、最近はオーネに買い物を頼みボースは森の中から出ていなかった。
昔は二人一緒に買い物をすることがあった。
行かなくなった理由はオーネが反抗期になってから一緒に買い物にいかなくなってしまった……
反抗期でなんでもボースに反発していた十三歳のとき、
「一緒に買い物行くのヤダ!」
と、言ってしまった。
「あれもダメ!そっち行ってダメ!」
と言う、ボースがうるさく感じだためでもあった。
そんな反抗ばかりしているオーネに困るどころか、冷たい金に輝く青緑の瞳をオーネ似合わせて、人差し指を胸に突き立て、
『好奇心と自由を謳歌する人権を認めてあげるよ。
その代わり僕が頼んだものを買ってきてね……さもなくば……』
そのあとの言葉をボースは言わなかった。
《さもなくば、眷属として役に立たないで、逆らってばかりならば捨てるよ?》
という事だとオーネは悟った。
それ以来あまり逆らうことはしなくなった。
オーネと離れて好き勝手に買い物することは楽しかった。
だけど、寂しかった。
(ボースと一緒に買い物をしたい……)
と切に思うことが多くなったとおもえば、
反抗期よりも思春期の思いの方が強くなっていた。
ボースを『お姉さん』と言うよりも『女の子』と、認識していた。
反抗期ついでに、一緒にお風呂に入ることをしなくなって良かったような、残念のような……
だけど、この気持ちはまだ素直になれなかった。
そんなこんなで三年たって今に至る。
一昨日、宝石店に魔法石を卸しに行っていた時に、
若い恋人同士が宝石を買いに来たのをみて、
(自分もボースと恋人になって……ボースと…あんなことや…こんな……)
と憧れたことを思い出し、ハッと今置かれている状況を思い出し我に返る。
「いやいやいや、今は女らしくなるために頑張ってボースに捨てられないようにしなきゃ。」
オーネは独り言を人が通る道の真ん中で呟く。
美しいオーネに声をかけ用とした男がいたが、一人ごとをブツブツ言っているので声をかけずにほっておく事にした人間が数人いたことにオーネは気づかなかった。
「はぁ……こうやって一人でいると、ボースのことが頭から離れられない……」
それは眷属だから?それとも………やっぱり………と悶々と悩んでいる間に目的地に着いた。
目的の店はまだ夕方から夜になったばかりではやっていないようだ。
(ここで、女らしさを磨いてボースに見切られないようにしてやるんだから!)
男を女らしくする店……
今この街で有名なオカマバーだった。
宝石を卸に言ったその日に面接までしてきた事はボースに内緒だ。
そして、いいタイミングで街に繰り出すことができたと思う。
「ボースの薬を飲まなくても、ボースのために女としてやって行けるんだから!」
オーネは
『身代わりとして無理かなぁ……』という、ボースの困ったような顔を見ることが一番こわかった。
捨てられてしまうんじゃないかとビクビクするくらいなら捨てられないように努力しようとオーネは覚悟を決めて街一番の人気酒場の扉を開けるのだった。
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