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6☆自白
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夢の中で小さな男の子の手を引いて、黒いマントを被った何者かから逃げる。
そして、黒いマントに私は無理矢理絡みつかれる。
男の子は、こちらを心配して迷っていたけれど、
「逃げなさい!あなただけでも!」
私は叱るように必死に促す。
「う、うん!おねぇちゃん!ごめんなさい!」
そう言って男の子は逃げた。
そのことだけでもホッとした……
男の子の代わりに捕まり連れて行かれたところは血みどろの遺体が置かれた所……
はぁ、はぁ、はぁ…と、冷や汗をかいて、うなされる。
「ルイさん、ルイさん!」
と健十郎さんが必死に声をかける。
「はっ!」
と、私は目を見開き、ガブっ!と目の前にある何かを噛む。
そしてついでに血をいただいてしまった。
「痛!」
「ん?」
私は健十郎さんの手のひらを噛んでいた。
「…私…眠って…」
健十郎は唾を大きく飲む。
「今すぐ君を食べたい…タオルがはだけた姿も色っぽい……続きしようか」
「きゃ!」
今更…とおもうものの、恥ずかしくてベットのシーツを手繰り寄せて隠す。
「早い…おかえりですね」
「いや、一時間半も経ってるよ」
「お仕事はもういいのですか?」
「ここの地区は管轄外だったから追い出された。
それに、こんな格好してるし、ラブホにいたから叱られた。」
ハハッと頭をかいて笑う。
「事件のご遺体とか観たんですか?」
私は積極的に聴いてしまった。
「ん?知りたいのか?」
「はい……」
何故か、とても気になる……
「門前払いされたけど、どんな惨状かじっくり見てきたんだ」
健十郎さんは神妙にどう説明しよう考えているようだった。
「ラブホテルで猟奇殺人が横行しているとドアの向こうで話してる人たちがいて…」
「こういうところ来てる奴らの中では有名な事件になっているんだけどな…」
ラブホテルに入った男女の片方がいたしている最中に体の血を抜かれて死ぬ不思議な事件発生している。
凶器は何も見つからない。
そんな時間もかけずに身体中の血が抜かれている。
体のどこかに二つの咬み傷が必ずある。
不可解な事件。
「捜査本部は敷かれないのですか?」
「よく知ってるね、警察のこと」
「…?いえよくわからないですけど?」
私は首を傾げる。
刑事事件と言ったら捜査本部という言葉が浮かんで口に出しただけだ。
「置かれているけれど、事件が人間業じゃないからな……事件を無かったことにするか、犯人をでっち上げるか…どっちかだろうな」
「正義の味方のはずの警察じゃないんですか?」
私は何故かムキになって言ってしまう。
そんな私に健十郎さんは落ち着かせるように頭を大きな手のひらでぽんぽんした。
「………吸血鬼と自称するルイさんが人間らしいことをいうなんてね」
と、皮肉っぽいことを言われてムッとする。
けれど、彼の表情は本当の意地悪ではなくて柔らかい。
愛おしいものを見る瞳でドキドキしてしまった。
「一応、交番のお巡りさんの俺はまだ下っ端だけど、この事件が気になって、目撃者になるためにわざとこのホテルに、決めたんだけどね」
「わざと?」
私は眉を寄せる。
なにか、引っ掛かる。
「巷では吸血鬼の仕業っていわれたり、浮気相手に恨みを与える呪い屋の仕業とかのもある。俺そういう事件が大好きなんだよ」
と、健十郎はオカルトホラーマニアだということを告白した。
「俺、小さい頃からそういう事件に縁があるんだ…」
と言って苦笑した。
「化け物や妖に、吸血鬼の類まで色々知ってるんだ…普通の奴らからはおかしなやつって言われてるけどな」
たしかに、不思議な不可思議な存在など滅多に会わないかもしれない。
あったら最後…今回の事件のようにどんな手をつかっても口封じをするだろう。
私は記憶がないながらも妖怪やあやかしの類ならそうすることが掟だ…と誰かが言ってた気がする……
それにしても、一番不思議なのは健十郎さんだ。
「だから、私を怖く無いんですか?不気味に思わないんですか?」
健十郎さんの血を吸って吸血鬼という事を証明までしてしまったのに、怖がらずプロポーズをする変な人だとはおもっていたけれど……
私は無意識に瞳をルビーのように赤く光らせて健十郎さんに自白催眠をかけていた。
「そんな、吸血鬼のルイさんにいろいろ話を聞き出そうとは思っ……」
健十郎さんは自らの口をバッと塞ぐ。
健十郎さんの本当の目的を口に出しそうになってあわてるも、もう私は察してしまった。
そして、黒いマントに私は無理矢理絡みつかれる。
男の子は、こちらを心配して迷っていたけれど、
「逃げなさい!あなただけでも!」
私は叱るように必死に促す。
「う、うん!おねぇちゃん!ごめんなさい!」
そう言って男の子は逃げた。
そのことだけでもホッとした……
男の子の代わりに捕まり連れて行かれたところは血みどろの遺体が置かれた所……
はぁ、はぁ、はぁ…と、冷や汗をかいて、うなされる。
「ルイさん、ルイさん!」
と健十郎さんが必死に声をかける。
「はっ!」
と、私は目を見開き、ガブっ!と目の前にある何かを噛む。
そしてついでに血をいただいてしまった。
「痛!」
「ん?」
私は健十郎さんの手のひらを噛んでいた。
「…私…眠って…」
健十郎は唾を大きく飲む。
「今すぐ君を食べたい…タオルがはだけた姿も色っぽい……続きしようか」
「きゃ!」
今更…とおもうものの、恥ずかしくてベットのシーツを手繰り寄せて隠す。
「早い…おかえりですね」
「いや、一時間半も経ってるよ」
「お仕事はもういいのですか?」
「ここの地区は管轄外だったから追い出された。
それに、こんな格好してるし、ラブホにいたから叱られた。」
ハハッと頭をかいて笑う。
「事件のご遺体とか観たんですか?」
私は積極的に聴いてしまった。
「ん?知りたいのか?」
「はい……」
何故か、とても気になる……
「門前払いされたけど、どんな惨状かじっくり見てきたんだ」
健十郎さんは神妙にどう説明しよう考えているようだった。
「ラブホテルで猟奇殺人が横行しているとドアの向こうで話してる人たちがいて…」
「こういうところ来てる奴らの中では有名な事件になっているんだけどな…」
ラブホテルに入った男女の片方がいたしている最中に体の血を抜かれて死ぬ不思議な事件発生している。
凶器は何も見つからない。
そんな時間もかけずに身体中の血が抜かれている。
体のどこかに二つの咬み傷が必ずある。
不可解な事件。
「捜査本部は敷かれないのですか?」
「よく知ってるね、警察のこと」
「…?いえよくわからないですけど?」
私は首を傾げる。
刑事事件と言ったら捜査本部という言葉が浮かんで口に出しただけだ。
「置かれているけれど、事件が人間業じゃないからな……事件を無かったことにするか、犯人をでっち上げるか…どっちかだろうな」
「正義の味方のはずの警察じゃないんですか?」
私は何故かムキになって言ってしまう。
そんな私に健十郎さんは落ち着かせるように頭を大きな手のひらでぽんぽんした。
「………吸血鬼と自称するルイさんが人間らしいことをいうなんてね」
と、皮肉っぽいことを言われてムッとする。
けれど、彼の表情は本当の意地悪ではなくて柔らかい。
愛おしいものを見る瞳でドキドキしてしまった。
「一応、交番のお巡りさんの俺はまだ下っ端だけど、この事件が気になって、目撃者になるためにわざとこのホテルに、決めたんだけどね」
「わざと?」
私は眉を寄せる。
なにか、引っ掛かる。
「巷では吸血鬼の仕業っていわれたり、浮気相手に恨みを与える呪い屋の仕業とかのもある。俺そういう事件が大好きなんだよ」
と、健十郎はオカルトホラーマニアだということを告白した。
「俺、小さい頃からそういう事件に縁があるんだ…」
と言って苦笑した。
「化け物や妖に、吸血鬼の類まで色々知ってるんだ…普通の奴らからはおかしなやつって言われてるけどな」
たしかに、不思議な不可思議な存在など滅多に会わないかもしれない。
あったら最後…今回の事件のようにどんな手をつかっても口封じをするだろう。
私は記憶がないながらも妖怪やあやかしの類ならそうすることが掟だ…と誰かが言ってた気がする……
それにしても、一番不思議なのは健十郎さんだ。
「だから、私を怖く無いんですか?不気味に思わないんですか?」
健十郎さんの血を吸って吸血鬼という事を証明までしてしまったのに、怖がらずプロポーズをする変な人だとはおもっていたけれど……
私は無意識に瞳をルビーのように赤く光らせて健十郎さんに自白催眠をかけていた。
「そんな、吸血鬼のルイさんにいろいろ話を聞き出そうとは思っ……」
健十郎さんは自らの口をバッと塞ぐ。
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