あやかしと神様の恋愛成就

花咲マイコ

文字の大きさ
11 / 181

11☆神のキス

しおりを挟む
 ハルの神を力をわざと審神者の力で晴房の力使えなくした。
 神違えられない。
(けれど葛葉子なら……)
 と、考えた時、
「ぎやっ!」
 葛葉子は虎の前足で振り払われたのを瑠香は鵺を縛っていた能力を解いて葛葉子を地面に叩きつけられないように手のひらにして、瑠香自らの方に引き寄せた。
「私のことは良いから、鵺を抑えてなきゃダメじゃないか!」
 葛葉子は焦り、また鵺に襲いかかるいきおいだが、瑠香は手を離さなかった。
「お前の能力を解放してやる….」
 瑠香はニヤリと笑う。
 これは一か八かだ……
「えっ…!ほんとか!それなら勝てるかもしれない!」
 狐耳と尻尾がピンと立つ。

「んっ!」

 葛葉子の腰を引き寄せて、柔らかな唇を重ねる。

 あまりの突然のことに葛葉子は、目を丸くする。

(んんっ!)

 さらに舌を絡まされるから、驚くがそれは葛葉子にだけに言霊を結ぶための行為。

(口付けには呪術の一種だ……ルカの神から神託があった)

 言霊を発する者の声を奪い虜にする呪術だ。
 これは、瑠香の親神がやれと告げた。

「……はぅ…」

 うっとりと、葛葉子は、瑠香を見つめ、あまく息を吐く。

 初めて葛葉子にキスをした時は審神者や神の化身としてキスしたのではなく瑠香として自然にキスをした。
 
 けれど、今は……

『神の依代』であり『審神者』として白狐神の力を計り命じる。

『神の吐息を味わいし獣よ、われの使いになり、怪しものを倒せ!』

 審神者の瞳になり、命じると白狐の姿になる。

 弧を描いて飛び跳ねると狐火を身にまといながら、鵺を貫く。
 そして、晴房を縛る蛇の尻尾を断ち切る。
 「やったか⁉︎」
 と思ったが、命のない鵺は痛みは感じず蛇のしっぽが葛葉子をとらえる。
 巻き付いた蛇が喉元を狙うため牙をむく。

「やめろ!」
 香の力で素早く蛇を抑える。
「瑠香!ハルの力をかいほうしてくれ!」
 晴房は瑠香の肩に抱きつき唇をタコのように突き出してキスを迫る。
 普段なら可愛い行為だと思うが、無意味だ。
『神にキスをしても解放はできぬぞ。あの娘は獣の神だから操れただけだ。』
 流石にハルの神に願うが、笑い声が聞こえる。
(やはり、高みの見物か…オレたちの実力を測るための……)
 と瑠香は思う。
 今まで縁のなかった、あやかしと出会わせ、戦わせるとは……神の意図を審神者だからなのか感じざる得ない。
(それに……体力が持っていかれた……声を出す力すらない…………)
 瑠香はその場で膝をつく。
 
 審神者で神を操る時、その神の力やあやかしと対して力を使うらしい。
 ハルの神とルカの神は対だから力を使う消耗することはなかったが、葛葉子の力を使わせたら体力が一気に吸われ疲労が襲う。
 もし、ハルの神が力を貸す気になって、審神者の力で解放しろと言われても余裕がない。
 『命を捧げよ』と言われてるようなものだ。
 葛葉子に宿る白狐はかなりの力を持っている。
 だが、瑠香の体力がないため、力を操れない。
 解放した審神者の力に応じて葛葉子の力も強くなるらしく、せっかく力を解放したのに使い切れていない……
(ったく!どんだけの、狐巫女様なんだ⁉︎)
 瑠香のせいだけではない、葛葉子も白狐の真の力に体についていかないみたいだった。
 葛葉子は蛇の首を狐の口で押さえて地道に戦う。
 鵺は何かの命令で晴房出なくても、何かを捉えればどこかに帰るつもりらしい。
 それを、瑠香は力をふりしぼり、鵺を縛ることしか今はできない。
 
「もう…!体力の限界……だ……」
 意識が尽きるその時、眩しい光が現れる。
 朝日が水平線に、光を見せるがそれだけの力ではない。
 ぱぁぁ!と人影から眩しい光が三人の瞳を閉じさせる。
 閉じてもまぶしすぎる……
(朝日か?まるで富士から見える朝日のように神々しい……!)
 鵺は、激しい真白の光に消えて、紙切れが一枚落ちたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

過労薬師です。冷酷無慈悲と噂の騎士様に心配されるようになりました。

黒猫とと
恋愛
王都西区で薬師として働くソフィアは毎日大忙し。かかりつけ薬師として常備薬の準備や急患の対応をたった1人でこなしている。 明るく振舞っているが、完全なるブラック企業と化している。 そんな過労薬師の元には冷徹無慈悲と噂の騎士様が差し入れを持って訪ねてくる。 ………何でこんな事になったっけ?

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない

紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。 完結済み。全19話。 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...