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あやかしと神様のドキドキ同居

4☆香茂家の人々

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 一週間終わって陰陽寮に葛葉子は帰ってきた。
 葛葉子が、帰ってこない間、葛葉子のエリアを晴房を連れて見回りをしてくれていたらしい。
 晴房も葛葉子が、帰ってきたことに喜ぶ。

「瑠香に抱っこしてもらうより葛葉子に抱っこしてもらいたい!」
「うん、いいぞ!」

 ぎゅーっと抱きしめ合う。
 血の繋がりをあらためて実感してみたくなる。
 瑠香の家にいて家族っていいなぁと思うとなおさらだ。

「では、風呂に入ってくるからな!」
 といって晴房は風呂に行く。
 瑠香もついでに入るために行こうとしたら、葛葉子に袖を引っ張られて、

「ちょっといい?」

 葛葉子は、少し戸惑う感じで顔を少し赤くして言う。

「る、瑠香に見て欲しいんだ……」
「何をだ?」
 写真のことか?と思ったが……

「瑠香に見せろってお姉さんに言われたんだ……」

 そう言うと、いきなり、袴の紐をシュルリと、解いて裸になろうとする。

「……なっ!?」
 あまりのことに頭が真っ白になる。
 袴と小袖を畳に落とし、
「ど…どう?可愛い?お姉さんが瑠香は可愛いのが好きだと言ってたから……」
 白い肌にやわらかそうな肌の肉付きに形のよくふくよかな胸にピンクレースひらひらの細く小さなリボンが縁に縫われて女らしいブラジャーは柔らかな胸を寄せて、お揃いの下着もすっごく可愛いけれど足の曲線が美しく、少し前かがみにされると婀娜っぽさが増す。
 更に狐耳としっぽが妖しい可愛さを醸し出す。
 しっぽも邪魔にならない丈が浅いものなのだろうか……

「洋服とか、いっぱい買ってもらっちゃて、悪いなーと思ってたら、瑠香に見せたらチャラにしてあげるとかいわれたから……もういいか?
 なんだか恥ずかしいし。」
 瑠香は無意識に口元に手を当てて顔を真っ赤にしながら目を離せない……

(脱がせたいほど可愛い!!)

 でも、もっと羞恥心も教えろと!姉を恨みたくなる。
 いや、むしろわざとやらせたあくどい計画だと思う。
 グッジョブ!
 と矛盾な感想を心の中で抱く。

「風呂入ってくる……」

 感想も言わず、その場からスッと早足で離れていった。

(可愛くなかったのかな?)
 しゅんと耳を折る葛葉子だった。

 晴房と一緒に風呂から戻ってくると着物を来ていてよかったような残念なような……

「あとこれ、瑠香が好きな本だからって……」
 それは官能小説。
 カバーをされてるからバレないと思うけど。
 バレたら恥ずかしい。
 中身を見られてないよな……と疑いながら、笑顔で

「あ、ありがとう」
 と受け取る。
 じっとなにか葛葉子の冷たい視線を感じる。

「真陽姉は明るくてかっこ良くて憧れるな!」
 香茂家を気にいってもらえて良かったと瑠香は思う。

「私の姉とは真逆な感じだけど強くて好きだぞ!お母さんは優しいし!大好きだ!」
「いいなぁ!ハルもその家行きたい!」
「結界をきちんと張れるようになったらな」
 ぽんと晴房の頭を撫でる。
「あと、写真もらってきた。」

 買ってもらった可愛いバッグから、アルバムを取り出し

「これが私で、これが瑠香だって、覚えてないけど一緒に遊んでたんだな。」
「女のコみたいだな」
 ハルは瑠香の幼い頃の写真を見てそういった。 

「その頃は女のコの格好をするのが神に守られる魔除けみたいな伝統だったからな。」
「葛葉子は、かわらないな!」
「それってどういう事だ?ハル?」
 葛葉子は笑顔で問い詰める。

「子供っぽさが変わらないってことだろ?」

……でも、体はもう立派な女だけど……
 と、スケベなことを思ってしまった。

「覚えてないけど、なんか、運命的なもの感じるな!」
「そうだな。」

 その時から出会っていたなんて、運命としか思えない……
 これは絶対に葛葉子を嫁にしなくては!と意欲が湧く。

「そう言えばキスしてなかったな。」
 顎を持ち上げてキスをしようとする。
 葛葉子は、腕を瑠香の胸につっぱって
「今夜は見回りあるしダメ。
朝ならいいけど。」
「そうだな……」


朝一番、何度も瑠香にキスをされる。

「もういいから!もう…やめろ!」
 顔を真っ赤にして拒否する。
 逃げられないよう抱きしめられている。

「あと一回……七回分しなきゃ割が合わない。
 いやその二倍だ!」
「なんの割合だ!やっ、どこにキスをしてるんだ!」

 巫女装束を着ているので暴れると胸元がはたける。
 そのことに気づくと
 唇だけではなく、頬、首筋、鎖骨ブラジャー近くまでキスをする。
 あと一回どこにするか考えながら、レースのブラジャーを見つめる。

「かわいい下着だ。もっと見せろ……」
 と言われると昨日のモヤモヤが消える。

「うん。いいぞ!」

 なんの疑いもなく袴の紐を解く。
 バカめ……
 本当に見せようとするとは…
 嬉しいのはわかるけど…
 下着を見せたが最後、
 背中に手を回しブラのホックを素早く外す。

 ブラジャーが胸からずり落ちる。
「な、なんで!外すんだ変態!スケベ!」
 流石に恥ずかしくなったのか、瑠香を突き飛ばして後ろを向く。
 背中もそそられるではないか…

「男に下着を見せるということは犯してください!って言ってるようなものだからな!
 これに懲りたら男の前で下着になるな!女狐!」
 自分のスケベを棚にあげて葛葉子に注意をする。
 それは自分に対しても警告のつもりでもある。

 ホックを着けるのを苦戦してるのを手伝う。


「こっちくんな!自分の部屋いけ!」
「ここがオレの部屋で、お前の部屋向こうだろ……それともやはり襲われにきたのか?」
 ニヤニヤして煽る。

「馬鹿ー!スケべ!近づくな!」
「耳でてるし、もう一度キスしよう?」
 これでやっと十四回目だ。
 自分の微笑みと優しい声音に葛葉子は弱いことを知っている。
(こいつ、わざとだ!ぜったいに!)
「この!犯罪者!ほんっと、スケベだな!……んっ…!」
 いつもの、なんとも言えない喧嘩が、聞こえてきて早く孫を作れ!
と思う陰陽寮長の父だった。
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