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あやかしと神様の狐の嫁入り
9☆狐の嫁入りの朝
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狐の嫁入りの宴は大いに盛り上がる。
両社の狐たちはもう親戚のごとくに仲良くなり、ウカ様の祝酒を頂いて皆、神力が上がったと喜ぶ。
悪しき言霊を吐くものがいない宴はそれだけで心地の良い。
ワイワイガヤガヤ騒がしい中、人である四人は未成年ながらもウカ様に頂いた酒を飲まされる。
成人にならないとお酒を飲んではいけないが、飲まなければこの世界から出さないと脅されては飲まざる得ない。
ウカ様は人に悪い酒ではない、構わず飲め!と盛り上がりを下げさせることを許さなかった。
東は酒に酔うことなく微笑む。
「こんな経験なかなか出来ないから葛葉子を助けに来てよかった。」
「そうですね、東殿下の護衛をさせていただいて光栄です。」
「東殿下、臣、瑠香……迷惑かけてごめんなさい。」
一歩下がって三人に手をつき頭下げて謝る。
「葛葉子の迷惑ならいくらかけてもいいよ。楽しい経験できるしね。」
優しく微笑んで、葛葉子のポンポンと頭をなでてあげる。
「東殿下……」
葛葉子は感動のあまり目を輝かせる。
瑠香はちょっとムッとする。
東は瑠香のその顔を見るのも好きだ。
ちょっと意地悪な東殿下に気づかない葛葉子だった。
「そういえば、ウカ様は狐の事ならが何でも知っているんだよね?私のご先祖様が狐って本当?」
阿倍野家にはその昔話が代々つたわっている。
昔話かと思ったけれど今の白狐になれる所以なのではと思って聞いた。
「……うむ、そうだぞ。
だから、狐の魂を宿し永らえさせられてることができてるのだ。
良かったな。」
「うん。ほんとに良かったと思うよ。」
それは心から思う。
『あやかし』にならなかったら皆に会えなかった……
そう思うと魂に入り込んでいる白狐に感謝しても足りないくらいだ。
「神狐は本来、神の使いだからな。我が国最高神の皇のお住まいの守護とは名誉だぞ。勤めを怠ってはいかぬよ」
ふさふさの、しっぽで葛葉子の頭を撫でた。
「はい!がんばります!」
葛葉子は更に意欲が湧く。
「昔は人と交わって神憑きの人間はたくさんいたがな……
戦後でバラバラになってわからなくなってしまった家もあるな。」
阿倍野家は狐殿とも言われてもいた。
皇室第一!皇、命!で頑張っていたから巫女や陰陽師を輩出し、母や姉、葛葉子と繋がっている。
「それに、お前の母も狐の嫁入決定されて、父親が助けに来たな。」
思い出してふぉっふぉっと笑いが止まらないらしい。
「父様が?」
その話は初耳だった。
「まるっきりお前達と同じじゃったな」
更に、ふぉふぉふぉと笑う。
「真実の恋心を持った人間は見破る力を持っているからな。それを見られるの乙女としては嬉しいものよ」
まだ心は乙女と言いたいらしい。
騙されたら人間二人とも狐の仲間入りさせられるらしい。
「阿倍野殿はオレに似てるのか?」
真実の恋心認定されて瑠香は気分がいい。
阿倍野殿も認定されるとは気になる。
「うーん、瑠香みたいにスケベじゃないけど。優しくて物静かな人だよ…」
今、父はどうしているだろう……と思う。
家に帰りたくないけれど、心配するもは親子だから…
「スケベでわるかったな。」
もう、自分はスケベで構わないと瑠香は思ってる。
女は父親に似てる男を好きになるって言うし……
いや、自分はあまり優しくないし意地悪だし、阿倍野殿とはタイプか違うかもと思いつつ……
「とにかく、お前はもうオレの嫁決定だからな。」
「勝手に決めるな。私は陛下の側室になるんだから!」
「無理だから」
三人に言われる。
葛葉子はむつっと膨れる。
「瑠香の神の化身もそうだが、葛葉子の父は狐を操る力を持つイズナ権現の力をもっていたな。
その分あの時は、たちが悪かったな。」
あの時のことを思い出して苦い顔をした。
「この私でさえ操ろうとするからな。恐ろしい男よ」
「神をも操れるのか?」
瑠香は問う。阿倍野殿を止める宿命だと宣言されているから気になる。
「イヅナ権現の修験者の一族らしいからな。」
「……そうなのか」
イズナ権現は狐を操る神のことだ。
それに術者にとって有効な呪術を生み出した修験者でもあったらしい。
邪法も産みだしたことでも有名である。
その家系なのかと瑠香は納得がいく。
阿倍野は母方の方ということは婿養子ということか。
「阿倍野威津那」
そういえば、父様の名前はそこから頂いたと言っていたと思いだすと、
なぜか、ゾクリと体が寒くなる。
無意識に肩を抱く。
それは葛葉子の白狐の恐怖?
それとも葛葉子が父に感じる不安からか。
だから、父の心を見せて、葛葉子を父に近づかせたくないらしい。
「葛葉子?大丈夫か?」
瑠香は葛葉子を心配する。
それ程、阿倍野殿を忌避している。
ウカ様はそんな葛葉子の背を撫でる。
「不安に思うことはないどんな時でも瑠香がお前を守ってくれるだろう。今回のようにな。瑠香を信じるのだよ」
優しく諭すように言ってくれた。
本当の孫のように慈しんでくれる感じが嬉しく思う。
「うん。瑠香を信じてるよ。瑠香も私を信じてる限り…」
そう感じると不思議と不安はなくなった。
ウカ様は瑠香に向き直り、
「イズナ権現の札を手に入れたみたいだな。」
山ごもりした時に祠で手に入れた。だけど、中身は狐を操る力をもつ札ということは知っていたが見なかった。
触れただけで力が湧いたということはルカの神が覚えたらしいと理解したが、
《一応覚えておくが良い、葛葉子を自分のものにしておきたいならな……》
テレパシーで伝えてくる事は今後そういう運命が回って来るということか……
狐を操る力をもつ阿倍野殿を止める役に立つということか?
それでは、葛葉子を信用出来ないという事ではないか……
狐の葛葉子を使って何かしてくるという事か?
と、嫌な考えがよぎる。
陰陽寮長の父がそこまで考えている事を知っているから…
そう思っていたら、バシンとしっぽで頭を叩かれた。
「札など使わずに葛葉子を己のものにしろ。このウカはお前らを応援してるからな」
ふぉふぉふぉと励ました。
さっきまでの悩みも払われた。
悩みよりも一つの考えに変わる。
ウカ様の不思議な力の一つらしい。
それが真理だなと瑠香は思うと、葛葉子の手を握り、
「ウカ様が言うから今すぐ交尾しようか?」
と冗談をいってみる。
「酔っぱらいのドスケベなんてゴメンだ!」
そう受け流された。
少し酔っているかもしれない。
神の化身はお神酒に弱いのだから。
という理由をつけることにした。
瑠香は葛葉子を信じてはいるが『恋心』を…葛葉子に『恋心』を抱いてほしいと思う。
葛葉子を自分のものにしたいとは思うが葛葉子から好きになってもらいたい。
萩姫と荻尾のように……
瑠香の思いを覗いた二匹はふふっとわらう。
いつか、願いが叶うように願ってあげようと話し合ったことを瑠香は知らない。
つらつら考えていた瑠香に眠気が襲う。
周りを見れば東も臣も寝てしまっている。
葛葉子は瑠香の肩に頭を寄せて寝息を立てている。
宴はたけなわらしい。
お前たちの宿命に我らが関与はできないよ。
ただ、親しくなった人の子に幸せになってほしいとは思う。
だから助言を与える。
人の世に恵みを与えるのが我ら稲荷の狐の役目だ。
お前たちに幸あれ。
とくに、葛葉子や、幸せにおなり。
同じ狐として愛しく思っておるぞ。
四人は目が覚めると神社の社殿内だった。
社殿から出ると、朝日が眩しい。
珍しい天気雨の朝で虹が現れて神秘的な光景を見ることができた。
両社の狐たちはもう親戚のごとくに仲良くなり、ウカ様の祝酒を頂いて皆、神力が上がったと喜ぶ。
悪しき言霊を吐くものがいない宴はそれだけで心地の良い。
ワイワイガヤガヤ騒がしい中、人である四人は未成年ながらもウカ様に頂いた酒を飲まされる。
成人にならないとお酒を飲んではいけないが、飲まなければこの世界から出さないと脅されては飲まざる得ない。
ウカ様は人に悪い酒ではない、構わず飲め!と盛り上がりを下げさせることを許さなかった。
東は酒に酔うことなく微笑む。
「こんな経験なかなか出来ないから葛葉子を助けに来てよかった。」
「そうですね、東殿下の護衛をさせていただいて光栄です。」
「東殿下、臣、瑠香……迷惑かけてごめんなさい。」
一歩下がって三人に手をつき頭下げて謝る。
「葛葉子の迷惑ならいくらかけてもいいよ。楽しい経験できるしね。」
優しく微笑んで、葛葉子のポンポンと頭をなでてあげる。
「東殿下……」
葛葉子は感動のあまり目を輝かせる。
瑠香はちょっとムッとする。
東は瑠香のその顔を見るのも好きだ。
ちょっと意地悪な東殿下に気づかない葛葉子だった。
「そういえば、ウカ様は狐の事ならが何でも知っているんだよね?私のご先祖様が狐って本当?」
阿倍野家にはその昔話が代々つたわっている。
昔話かと思ったけれど今の白狐になれる所以なのではと思って聞いた。
「……うむ、そうだぞ。
だから、狐の魂を宿し永らえさせられてることができてるのだ。
良かったな。」
「うん。ほんとに良かったと思うよ。」
それは心から思う。
『あやかし』にならなかったら皆に会えなかった……
そう思うと魂に入り込んでいる白狐に感謝しても足りないくらいだ。
「神狐は本来、神の使いだからな。我が国最高神の皇のお住まいの守護とは名誉だぞ。勤めを怠ってはいかぬよ」
ふさふさの、しっぽで葛葉子の頭を撫でた。
「はい!がんばります!」
葛葉子は更に意欲が湧く。
「昔は人と交わって神憑きの人間はたくさんいたがな……
戦後でバラバラになってわからなくなってしまった家もあるな。」
阿倍野家は狐殿とも言われてもいた。
皇室第一!皇、命!で頑張っていたから巫女や陰陽師を輩出し、母や姉、葛葉子と繋がっている。
「それに、お前の母も狐の嫁入決定されて、父親が助けに来たな。」
思い出してふぉっふぉっと笑いが止まらないらしい。
「父様が?」
その話は初耳だった。
「まるっきりお前達と同じじゃったな」
更に、ふぉふぉふぉと笑う。
「真実の恋心を持った人間は見破る力を持っているからな。それを見られるの乙女としては嬉しいものよ」
まだ心は乙女と言いたいらしい。
騙されたら人間二人とも狐の仲間入りさせられるらしい。
「阿倍野殿はオレに似てるのか?」
真実の恋心認定されて瑠香は気分がいい。
阿倍野殿も認定されるとは気になる。
「うーん、瑠香みたいにスケベじゃないけど。優しくて物静かな人だよ…」
今、父はどうしているだろう……と思う。
家に帰りたくないけれど、心配するもは親子だから…
「スケベでわるかったな。」
もう、自分はスケベで構わないと瑠香は思ってる。
女は父親に似てる男を好きになるって言うし……
いや、自分はあまり優しくないし意地悪だし、阿倍野殿とはタイプか違うかもと思いつつ……
「とにかく、お前はもうオレの嫁決定だからな。」
「勝手に決めるな。私は陛下の側室になるんだから!」
「無理だから」
三人に言われる。
葛葉子はむつっと膨れる。
「瑠香の神の化身もそうだが、葛葉子の父は狐を操る力を持つイズナ権現の力をもっていたな。
その分あの時は、たちが悪かったな。」
あの時のことを思い出して苦い顔をした。
「この私でさえ操ろうとするからな。恐ろしい男よ」
「神をも操れるのか?」
瑠香は問う。阿倍野殿を止める宿命だと宣言されているから気になる。
「イヅナ権現の修験者の一族らしいからな。」
「……そうなのか」
イズナ権現は狐を操る神のことだ。
それに術者にとって有効な呪術を生み出した修験者でもあったらしい。
邪法も産みだしたことでも有名である。
その家系なのかと瑠香は納得がいく。
阿倍野は母方の方ということは婿養子ということか。
「阿倍野威津那」
そういえば、父様の名前はそこから頂いたと言っていたと思いだすと、
なぜか、ゾクリと体が寒くなる。
無意識に肩を抱く。
それは葛葉子の白狐の恐怖?
それとも葛葉子が父に感じる不安からか。
だから、父の心を見せて、葛葉子を父に近づかせたくないらしい。
「葛葉子?大丈夫か?」
瑠香は葛葉子を心配する。
それ程、阿倍野殿を忌避している。
ウカ様はそんな葛葉子の背を撫でる。
「不安に思うことはないどんな時でも瑠香がお前を守ってくれるだろう。今回のようにな。瑠香を信じるのだよ」
優しく諭すように言ってくれた。
本当の孫のように慈しんでくれる感じが嬉しく思う。
「うん。瑠香を信じてるよ。瑠香も私を信じてる限り…」
そう感じると不思議と不安はなくなった。
ウカ様は瑠香に向き直り、
「イズナ権現の札を手に入れたみたいだな。」
山ごもりした時に祠で手に入れた。だけど、中身は狐を操る力をもつ札ということは知っていたが見なかった。
触れただけで力が湧いたということはルカの神が覚えたらしいと理解したが、
《一応覚えておくが良い、葛葉子を自分のものにしておきたいならな……》
テレパシーで伝えてくる事は今後そういう運命が回って来るということか……
狐を操る力をもつ阿倍野殿を止める役に立つということか?
それでは、葛葉子を信用出来ないという事ではないか……
狐の葛葉子を使って何かしてくるという事か?
と、嫌な考えがよぎる。
陰陽寮長の父がそこまで考えている事を知っているから…
そう思っていたら、バシンとしっぽで頭を叩かれた。
「札など使わずに葛葉子を己のものにしろ。このウカはお前らを応援してるからな」
ふぉふぉふぉと励ました。
さっきまでの悩みも払われた。
悩みよりも一つの考えに変わる。
ウカ様の不思議な力の一つらしい。
それが真理だなと瑠香は思うと、葛葉子の手を握り、
「ウカ様が言うから今すぐ交尾しようか?」
と冗談をいってみる。
「酔っぱらいのドスケベなんてゴメンだ!」
そう受け流された。
少し酔っているかもしれない。
神の化身はお神酒に弱いのだから。
という理由をつけることにした。
瑠香は葛葉子を信じてはいるが『恋心』を…葛葉子に『恋心』を抱いてほしいと思う。
葛葉子を自分のものにしたいとは思うが葛葉子から好きになってもらいたい。
萩姫と荻尾のように……
瑠香の思いを覗いた二匹はふふっとわらう。
いつか、願いが叶うように願ってあげようと話し合ったことを瑠香は知らない。
つらつら考えていた瑠香に眠気が襲う。
周りを見れば東も臣も寝てしまっている。
葛葉子は瑠香の肩に頭を寄せて寝息を立てている。
宴はたけなわらしい。
お前たちの宿命に我らが関与はできないよ。
ただ、親しくなった人の子に幸せになってほしいとは思う。
だから助言を与える。
人の世に恵みを与えるのが我ら稲荷の狐の役目だ。
お前たちに幸あれ。
とくに、葛葉子や、幸せにおなり。
同じ狐として愛しく思っておるぞ。
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