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あやかしと神様の仲違い
3☆無自覚の罪
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瑠香は腕を組んで少し計画を考えて、
「とにかく頭を水に沈めることから始めるか。」
「う、うん…」
瑠香は葛葉子の手首を掴み一緒にプールに入る。
男子なら胸よりしたあたりの水位でも女子だと深いく肩辺りだ。
プールのそこは斜めになっていて、栓のある奥の方に行くと足がつくのがむずかしい。
泳ぎがなれてるものならそこを選んで遊ぶ。
瑠香は葛葉子が足がつける場所を選んだ。
少し潜れば頭が沈むし立てば頭だけ出る。
最初は顔つけるのも嫌だったが、頭まで入れて、プハっ!とすぐに出るのを繰り返す。
「そうそう、水の中で息を捨ててみて、ブクブクと顔上げて息を吸う、うまいうまい」
瑠香の教え方は上手かった。
なんだか、優しく教えてくれるし信用できる。
体を水に浮かせるところまで出来る様になったけど、片足をついたら何か苔みたいなものに滑らせ溺れそうになって、慌てて前のめりで瑠香にぎゅっと抱きつく。
葛葉子の胸の感覚が伝わる。
可愛いけど、ヤバイ、柔らかい……
柔らかい胸にイタズラで顔を埋めたことはあるけど、体に胸を感じるのは初めてで、変態と言われても仕方ない……
瑠香は無言で固まる。
「どうかしたの?瑠香?」
上目遣いで聞いてきて可愛くて、ぎゅっと、つい抱きしめた。
「っ!泳げないだろ!ちゃんと教えて…」
生肌で胸のあたりに抱きしめられるのは初めてで焦って突き放す。
ドキドキして狐耳が出てるので唇に素早くキスをする。
「やっぱり、裸はヤダな…」
と葛葉子は、顔を真っ赤にして戸惑った。
「もう一度おでこにキスしてやろうか?」
「うん…魔法が切れたのかなぁ?」
本気で信じてる。
無知は罪だな…
いや無自覚すぎて罪づくりだ。
瑠香のほうが戸惑ってしまう。
「瑠香、はやく、キスして…!」
葛葉子はオマジナイが切れたと思って切実だ。
そう、可愛く強請られると葛葉子のおでこに優しくキスをした。
おでこだけではなく、頬におまけでキスをした。
何度もキスを平気でする二人を見たくなくても気になって見てしまう生徒たちは、
「センセー!あの二人ちちくりあってまーす!」
クラス全員に指さされるのだった。
☆
なんとか、短時間で犬かきの泳ぎは習得した。
顔はつけないで浮くから安心らしい。
泳ぐのが結構楽しいと思い始める。
(狐だからあの泳ぎが限界かな…?)
と瑠香は思う。
瑠香は東の護衛を臣と交代していた。
臣は一応葛葉子の近くで泳ぎを見守る。
東は葛葉子の泳ぎの上達ぶりをみて微笑む。
そんな楽しく泳ぐ葛葉子の足を水かきの付いた手が掴み底に引っ張られる。
掴んだの爪が足に食い込んで痛みを感じた。
「痛っ!」
溺れそうになった葛葉子を近くにいた臣が助けて、瑠香に睨み殺されないうちにプールサイドにあげる。
瑠香はすぐそばに来て心配する。
「どうした?大丈夫か?」
「なんか、トゲみたいの刺さってる………」
投げ出した左足首に三角の痕。
ちょっと赤い。
「これか……」
霊感がある東と瑠香は不穏なものと感じる。
葛葉子自身も傷つけられて、あやかしの仕業だと思う。
掴まれて傷の付いている左足しを瑠香は持ち上げる。
葛葉子はバランスをズルっと崩して仰向け、肘で上半身を支えた。
「いきなりなにをするんだ!」
「黙っていろ…」
その傷を瑠香は優しく、くちづけすると傷が消えた。
それを見た女子たちが
キャー!と叫ぶ。
それが葛葉子は居心地が悪い。
《神力でキスをすると魔を払えると、ルカの神に教わりしてみた。お前を人に戻す時と同じような感じだな》
(そこまで出来るならオマジナイは、ホントだったんだな!)
と感心する。
少しだけ疑っていたらしい。
「じゃ、刺された女子にもやってあげなきゃ……」
「おまえ以外にやらないからな、言うなよ?」
キッ!と睨んで制す。
「う、うん」
瑠香が他の女の子にキスするのはやっぱりやだと思う。
その思いを読んでほっと微笑む。
瑠香はプールに潜って霊力の瞳で河童を探すけれど見つからない。
何もない。どこかに隠れ消えたかのようだ。
瑠香の力に気づいて近づかないのかもしれない。
「わ!私も探す!」
葛葉子はやっと水の中で目を開けることができる程度だから見つけることは難しかった。
でも努力した葛葉子に東は頭を撫でる。
「そろそろ、時間だからみんな上がれー!」
先生が号令かけて、授業という名のプール遊びは終わった。
「夜、特別に使わさてもらえる様に手はずを整えてあげるからね」
東は確実に捕まえて欲しいらしい。
「畏まりました」
瑠香は東の命令を承る。
「葛葉子を傷つけるなんて悪い妖怪は許せないしね」
微笑むが大切な部下が傷つけられたことはかなりの不服らしかった。
今日は葛葉子以外に被害がなかった。
葛葉子はそれはそれでよかったと思った。
「とにかく頭を水に沈めることから始めるか。」
「う、うん…」
瑠香は葛葉子の手首を掴み一緒にプールに入る。
男子なら胸よりしたあたりの水位でも女子だと深いく肩辺りだ。
プールのそこは斜めになっていて、栓のある奥の方に行くと足がつくのがむずかしい。
泳ぎがなれてるものならそこを選んで遊ぶ。
瑠香は葛葉子が足がつける場所を選んだ。
少し潜れば頭が沈むし立てば頭だけ出る。
最初は顔つけるのも嫌だったが、頭まで入れて、プハっ!とすぐに出るのを繰り返す。
「そうそう、水の中で息を捨ててみて、ブクブクと顔上げて息を吸う、うまいうまい」
瑠香の教え方は上手かった。
なんだか、優しく教えてくれるし信用できる。
体を水に浮かせるところまで出来る様になったけど、片足をついたら何か苔みたいなものに滑らせ溺れそうになって、慌てて前のめりで瑠香にぎゅっと抱きつく。
葛葉子の胸の感覚が伝わる。
可愛いけど、ヤバイ、柔らかい……
柔らかい胸にイタズラで顔を埋めたことはあるけど、体に胸を感じるのは初めてで、変態と言われても仕方ない……
瑠香は無言で固まる。
「どうかしたの?瑠香?」
上目遣いで聞いてきて可愛くて、ぎゅっと、つい抱きしめた。
「っ!泳げないだろ!ちゃんと教えて…」
生肌で胸のあたりに抱きしめられるのは初めてで焦って突き放す。
ドキドキして狐耳が出てるので唇に素早くキスをする。
「やっぱり、裸はヤダな…」
と葛葉子は、顔を真っ赤にして戸惑った。
「もう一度おでこにキスしてやろうか?」
「うん…魔法が切れたのかなぁ?」
本気で信じてる。
無知は罪だな…
いや無自覚すぎて罪づくりだ。
瑠香のほうが戸惑ってしまう。
「瑠香、はやく、キスして…!」
葛葉子はオマジナイが切れたと思って切実だ。
そう、可愛く強請られると葛葉子のおでこに優しくキスをした。
おでこだけではなく、頬におまけでキスをした。
何度もキスを平気でする二人を見たくなくても気になって見てしまう生徒たちは、
「センセー!あの二人ちちくりあってまーす!」
クラス全員に指さされるのだった。
☆
なんとか、短時間で犬かきの泳ぎは習得した。
顔はつけないで浮くから安心らしい。
泳ぐのが結構楽しいと思い始める。
(狐だからあの泳ぎが限界かな…?)
と瑠香は思う。
瑠香は東の護衛を臣と交代していた。
臣は一応葛葉子の近くで泳ぎを見守る。
東は葛葉子の泳ぎの上達ぶりをみて微笑む。
そんな楽しく泳ぐ葛葉子の足を水かきの付いた手が掴み底に引っ張られる。
掴んだの爪が足に食い込んで痛みを感じた。
「痛っ!」
溺れそうになった葛葉子を近くにいた臣が助けて、瑠香に睨み殺されないうちにプールサイドにあげる。
瑠香はすぐそばに来て心配する。
「どうした?大丈夫か?」
「なんか、トゲみたいの刺さってる………」
投げ出した左足首に三角の痕。
ちょっと赤い。
「これか……」
霊感がある東と瑠香は不穏なものと感じる。
葛葉子自身も傷つけられて、あやかしの仕業だと思う。
掴まれて傷の付いている左足しを瑠香は持ち上げる。
葛葉子はバランスをズルっと崩して仰向け、肘で上半身を支えた。
「いきなりなにをするんだ!」
「黙っていろ…」
その傷を瑠香は優しく、くちづけすると傷が消えた。
それを見た女子たちが
キャー!と叫ぶ。
それが葛葉子は居心地が悪い。
《神力でキスをすると魔を払えると、ルカの神に教わりしてみた。お前を人に戻す時と同じような感じだな》
(そこまで出来るならオマジナイは、ホントだったんだな!)
と感心する。
少しだけ疑っていたらしい。
「じゃ、刺された女子にもやってあげなきゃ……」
「おまえ以外にやらないからな、言うなよ?」
キッ!と睨んで制す。
「う、うん」
瑠香が他の女の子にキスするのはやっぱりやだと思う。
その思いを読んでほっと微笑む。
瑠香はプールに潜って霊力の瞳で河童を探すけれど見つからない。
何もない。どこかに隠れ消えたかのようだ。
瑠香の力に気づいて近づかないのかもしれない。
「わ!私も探す!」
葛葉子はやっと水の中で目を開けることができる程度だから見つけることは難しかった。
でも努力した葛葉子に東は頭を撫でる。
「そろそろ、時間だからみんな上がれー!」
先生が号令かけて、授業という名のプール遊びは終わった。
「夜、特別に使わさてもらえる様に手はずを整えてあげるからね」
東は確実に捕まえて欲しいらしい。
「畏まりました」
瑠香は東の命令を承る。
「葛葉子を傷つけるなんて悪い妖怪は許せないしね」
微笑むが大切な部下が傷つけられたことはかなりの不服らしかった。
今日は葛葉子以外に被害がなかった。
葛葉子はそれはそれでよかったと思った。
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