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あやかしと神様の恋縁(こいえにし)
5☆絆
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昔、母様に教わった物語を思い出した……あまりにも幼かったから忘れていた…
「葛葉子たちが陛下を強く愛しているのは、半身である狐が陛下を守る神狐なのだから。」
ぎゅっと抱きしめてくれた。
最後の暖かなぬくもり…
「そして、半身が危機の時は白狐が助けてくれるのよ…」
きっと、葛葉子が危機なときは助けてあげるからね……
☆
「瑠香を好きになるのは運命で、ううん…宿命で止められないことなんだよ!」
昨夜よりはだいぶ顔色も良くなった葛葉子は隣の布団に横になっている瑠香に言葉に力を込めて言う。
お互い横向きになって見つめ合う。
葛葉子は夢で見たことを瑠香に、話して確信したらしい。
「でも…そんなのなくても好きになってた…きっと…」
瞳がキラキラ光ってる。夢の話に興奮している。
そんな葛葉子を可愛く思う。
「そういえば…瑠香は出会った時から私に好きだっていってくれたな」
その時のことを思い出して口元に拳を作って笑う。
「なかなか、お前は素直になってくれなかったけどな」
瑠香はちょっと怒ったふうだった。
「あ、当たり前だろ、意地悪なんだもん!」
「そんなオレを好きになってくれて…ありがとう。」
腕を伸ばして頭を惹か寄せ耳元で囁くように言った。
そう言われると何も言えなくて
「ううっ、もぅ!」
その声が一番好き…
ドキドキしてしまう。
腕に抱きしめられても、抵抗したくないほど好き……
「何度生まれ変わっても。お前を好きになれるなら…オレを好きになってもらえるなら、運命でも宿命でもかまわない。」
それは、夢の中の陰陽師の言葉と似ている…
「それほど葛葉子を好きだよ。」
瑠香は、微笑んで心から言ってくれる。
恐れもなく…
それが、葛葉子は不安に思う。
そんなこと言ったら、死んでしまうのではないかと……
不安そうな顔をする葛葉子に、ニヤリと意地悪く笑って、
「陛下の次にお前を好きだけどな。」
「わ!私だってそうだ!陛下以上に瑠香を好きになれないぞっ!」
「ん?」
葛葉子は、眉間にシワを寄せ考える表情をした。
瑠香はクスクスと笑う。
「なんだ、簡単な事じゃないか…」
陛下を一番好きなのはかわらないのだから…
神を裏切ってない。
【愛してる】と言わなければいい…
葛葉子は、やっとホッとする。
ただ、言葉にできないだけで
【好き】
は、言っていいんだ…
《言葉じゃなくても、伝えることはできるよ》
瑠香は葛葉子のおでこにキスをする。
頬に、瞼に、唇に、首筋にして、胸元に降りていこうとする…
「怖くない?」
やさしく、聞いてくれる。
「怖く、ないよ…」
ドキドキと高鳴る葛葉子のふくよかな胸に唇を伸ばそうとして、八尾比丘尼が瑠香の頬をつねりあげる。
「そのように元気になったなら、さっさと今世に帰って、東様たちを安心させなさい。」
熱い思いを見届けると言ってもイチャイチャぶりを見せつけられるのは違うと感じたらしい。
「八尾比丘尼、ありがとう。」
葛葉子は同じあやかしで優しく母のような八尾比丘尼を好きになった。
ぎゅっと手を握って
「また、遊びに来るからな!」
「ぜひ、いつでもいらしてくださいな。」
八尾比丘尼も葛葉子を可愛く思い抱きしめる。
同じ元人間であやかしで人間に戻りたい物同士。
何か絆みたいなものが生まれたと感じる。
椿の寺院の扉を抜ければ現世だ。
ルカの神が陰陽寮の二人の局の襖と繋げてくれた。
「それでは、世話になった。」
「約束は違えてはなりませんよ?」
「ぜったいに、八尾比丘尼を人間に戻してやるからなっ!」
葛葉子たちが無事に帰った事に東も陰陽寮長も晴房も大喜びだった。
「葛葉子たちが陛下を強く愛しているのは、半身である狐が陛下を守る神狐なのだから。」
ぎゅっと抱きしめてくれた。
最後の暖かなぬくもり…
「そして、半身が危機の時は白狐が助けてくれるのよ…」
きっと、葛葉子が危機なときは助けてあげるからね……
☆
「瑠香を好きになるのは運命で、ううん…宿命で止められないことなんだよ!」
昨夜よりはだいぶ顔色も良くなった葛葉子は隣の布団に横になっている瑠香に言葉に力を込めて言う。
お互い横向きになって見つめ合う。
葛葉子は夢で見たことを瑠香に、話して確信したらしい。
「でも…そんなのなくても好きになってた…きっと…」
瞳がキラキラ光ってる。夢の話に興奮している。
そんな葛葉子を可愛く思う。
「そういえば…瑠香は出会った時から私に好きだっていってくれたな」
その時のことを思い出して口元に拳を作って笑う。
「なかなか、お前は素直になってくれなかったけどな」
瑠香はちょっと怒ったふうだった。
「あ、当たり前だろ、意地悪なんだもん!」
「そんなオレを好きになってくれて…ありがとう。」
腕を伸ばして頭を惹か寄せ耳元で囁くように言った。
そう言われると何も言えなくて
「ううっ、もぅ!」
その声が一番好き…
ドキドキしてしまう。
腕に抱きしめられても、抵抗したくないほど好き……
「何度生まれ変わっても。お前を好きになれるなら…オレを好きになってもらえるなら、運命でも宿命でもかまわない。」
それは、夢の中の陰陽師の言葉と似ている…
「それほど葛葉子を好きだよ。」
瑠香は、微笑んで心から言ってくれる。
恐れもなく…
それが、葛葉子は不安に思う。
そんなこと言ったら、死んでしまうのではないかと……
不安そうな顔をする葛葉子に、ニヤリと意地悪く笑って、
「陛下の次にお前を好きだけどな。」
「わ!私だってそうだ!陛下以上に瑠香を好きになれないぞっ!」
「ん?」
葛葉子は、眉間にシワを寄せ考える表情をした。
瑠香はクスクスと笑う。
「なんだ、簡単な事じゃないか…」
陛下を一番好きなのはかわらないのだから…
神を裏切ってない。
【愛してる】と言わなければいい…
葛葉子は、やっとホッとする。
ただ、言葉にできないだけで
【好き】
は、言っていいんだ…
《言葉じゃなくても、伝えることはできるよ》
瑠香は葛葉子のおでこにキスをする。
頬に、瞼に、唇に、首筋にして、胸元に降りていこうとする…
「怖くない?」
やさしく、聞いてくれる。
「怖く、ないよ…」
ドキドキと高鳴る葛葉子のふくよかな胸に唇を伸ばそうとして、八尾比丘尼が瑠香の頬をつねりあげる。
「そのように元気になったなら、さっさと今世に帰って、東様たちを安心させなさい。」
熱い思いを見届けると言ってもイチャイチャぶりを見せつけられるのは違うと感じたらしい。
「八尾比丘尼、ありがとう。」
葛葉子は同じあやかしで優しく母のような八尾比丘尼を好きになった。
ぎゅっと手を握って
「また、遊びに来るからな!」
「ぜひ、いつでもいらしてくださいな。」
八尾比丘尼も葛葉子を可愛く思い抱きしめる。
同じ元人間であやかしで人間に戻りたい物同士。
何か絆みたいなものが生まれたと感じる。
椿の寺院の扉を抜ければ現世だ。
ルカの神が陰陽寮の二人の局の襖と繋げてくれた。
「それでは、世話になった。」
「約束は違えてはなりませんよ?」
「ぜったいに、八尾比丘尼を人間に戻してやるからなっ!」
葛葉子たちが無事に帰った事に東も陰陽寮長も晴房も大喜びだった。
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