あやかしと神様の恋愛成就

花咲マイコ

文字の大きさ
83 / 181
あやかしと神様の恋縁(こいえにし)

4☆九尾の狐の真実

しおりを挟む
 葛葉子は再び夢をみる。
 ここは、八尾比丘尼の異界だからその影響で目を覚めても忘れられない夢を見ることができる。


 白狐は八尾比丘尼に正体をバラされ、諦めたのか、記憶を一部過去に起こった事を夢として葛葉子に、見せることにした。

 葛葉子に宿る神狐は元は大妖怪九尾の狐だった。

 何千年も生きてきた感覚はない。
 だけど、栄えた王朝の帝の傍に仕え、侍り、心を試し、恋に落とさせて篭絡させ、国を滅ぼすことは楽しかった。

 なのに、小さな島国の日和国祝皇に恋に落ちてしまうとは思わなかった。

 恋に落としていった、どの帝より、己よりも民を優先し己を持たない帝は初めてだった。
 常に神に、祈り捧げ民の幸せを祈る帝。
 この日和国に流れ着き土着した神々の気持ちがわかる。
 この国は受け入れ変えていく。
 それは、本来あるべきものより良きものへ、悪しきものも本来、良きものだったものへ、帝に寿がれ広がる。

 九尾の狐は帝に『菊』と描いて『ココ』と呼ばれていた。
『ココ』は『九』と通じるから。
 帝にそう名付けられた。
 ココは帝に恋をした。

 けれど、所詮人の世。
 権力闘争は帝の意思でなくても起きてしまう宿命のごとくに…
 帝の后まで上り詰め帝を守ろうとしたけれど、よく思わない家臣たちに追い立てられる。

 しかも、九尾の狐だとバレてしまい、妖力の源であった尻尾も皇室を守る烏のイズナの一族に八本も取られて封印された……

 さらに朝廷に穢をもたらしたとして容赦なく追い立てられる。

 追い立てられて逃げるために人として化けた時に助けたのが、香茂の陰陽師だった。

 傷ついたココは陰陽師に愛された。
 香茂の陰陽師も九尾の狐は帝を愛していると信じてくれた…

 帝暗殺事件を解決し帝の元へ戻れたはずなのに、信用して愛してくれた陰陽師を想う心もあった……

「帝に愛されたお前を私のものにするのは畏れ多いけれど、私はお前を愛しい…
きっと、魂が生まれ変わっても
お前に恋をするだろう…」
 私を帝のもとに送り出してくれるはずなのに愛の告白される。

「何百年、何千年先になろうとも、先に不幸があろうとも、再び出会い愛し合いたい。
 それほどココを愛している…」

 民を宝とみなす帝からはもらえない愛の言霊。
 それは、強い想い。
 変わらぬ心……

「では、残りの尻尾一本の狐のあやかしの白狐の私を皇室の守のあやかしとして全ての妖力を込めて、皇室の四神として置いていく…」

 あやかしは陰。
 陰から帝をお守りしよう。
 その四神に関わるように他のあやかしの獣も四神に見立てる
 それがあやかしの四神の役割。


 そして、帝へ思いのこもった魂の片割れは白狐の神になる。

 帝に恋し愛した心とともに。
 帝への忠誠をたてる神となる。
 時の帝もお許しになられた。

 それは祝皇のみ知らされる。

 妖力も何もかもなくした、人になったココは香茂の陰陽師に問いかける。
「妖力を無くした、ただのあやかしの抜け殻の女でもお前は愛せるのか?」

「そんなお前が欲しい。愛おしい…どうしても」

その、陰陽師の強い思いに心打たれ結ばれた。

 大妖怪で世界の帝をたぶらかして封印されたという話は有名だけど、人を愛する魂を、人と狐に二つに分けてそれで封印ということだった。

 伝承と真実は違うものだった…

 それは、関わった者達が知れば良い真実。
 遠い魂から結びつく物語…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~

紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。 そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。 大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。 しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。 フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。 しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。 「あのときからずっと……お慕いしています」 かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。 ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。 「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、 シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」 あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

過労薬師です。冷酷無慈悲と噂の騎士様に心配されるようになりました。

黒猫とと
恋愛
王都西区で薬師として働くソフィアは毎日大忙し。かかりつけ薬師として常備薬の準備や急患の対応をたった1人でこなしている。 明るく振舞っているが、完全なるブラック企業と化している。 そんな過労薬師の元には冷徹無慈悲と噂の騎士様が差し入れを持って訪ねてくる。 ………何でこんな事になったっけ?

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない

紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。 完結済み。全19話。 毎日00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...