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あやかしと神様の愛の契(最終回)
2☆信頼の寿ぎ
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瑠香は眉間にシワを寄せて不機嫌だ。
葛葉子を離さないと誓ったのに現し世に帰ったら葛葉子は攫われていたなんて……
どこまでオレに追いかけさせるつもりだ…とイライラしていた。
攫われた時の状況は東親王が説明してくれた。
「瑠香が眠りに落ちたあと、不穏な空気に満たされて、カラスの群れが葛葉子の体を取り巻いたと思ったら阿倍野殿らしい男が葛葉子を抱いてどこかに消えてしまったんだ!」
という事らしかった。
「ハルの神は?何をしていた?」
ハルの神はまだ晴房の体を乗っとって居るのだから、どうにか出来たはずだ。
睨む瑠香に、子供らしくない不適な笑みで
「ルカの神が宿命が定まると言っただろう?
お前が威津那を止めるんだ…
皇室のために…あの狐を瑞兆となすため…」
ガツン!!
と瑠香は晴房の頭を殴っていた。
「この役立たずがっ!」
皇室を守る神のくせに!わざわざ阿倍野を逃がして葛葉子はをむざむざ攫わせるとは!
という思いを拳に込めた。
「な、神になんてことを!」
うりゅ…と涙を溜めるのは晴房の意識も半分戻っているということか…それでもハルの神の意識をまだ感じる。
「オレだってお前と同じルカの神の化身なんだよ。
対等だ!……というか審神者だからオレの方が上だな…
その力とくと審査してやるから覚悟しろ……」
瞳を容赦なく青に閃かせて睨む。
役立たずの神はさっさと帰れと言っているような瑠香にハルの神はムッと睨み返し、
「ルカの神は優しい神ぞ…こんな真逆な依代を神の身にしおって… 先が思いやられるわ…」
ルカの神は瑠香の体を借りて、
「優しいからこそ私は化身にすべてをまかせるんだ…いずれはハルの神も晴房に、そうしてあげなさい…」
と言い、ふふっと、ルカの神は瑠香の体で微笑み意識を瑠香に返す。
「阿倍野殿屋敷は異界か…ルカの神…わかるか?」
《流石に繋がる道がなければ難しいよ…分かればあの時…力を貸していた》
それもそうだと、腕を組み瑠香は悩む。
「阿倍野のスケベジジの異界なら繋げられますわ…」
八尾比丘尼はそう告げた。
「知り合いだったのか?」
瑠香は驚き八尾比丘尼をみる。
「ふふ。長く生きていればあのような不届きものとも腐れ縁ですわ……」
口元を隠して苦笑する口の端は引きつっていた。
あのスケベジジは八尾比丘尼にも手を出したらしいと瑠香は思う。
《随分な言い方だね…
若い時は瑠花とジジ様を奪うライバルみたいなことをしていたのに……》
「ルカの神、余計なことを言うのはおよしなさい……」
八尾比丘尼は瑠香の背後に浮かぶルカの神を睨んだ。
八尾比丘尼の黒歴史のようだった。
「私が通ってきた異界の道で繋げさせますわ。
葛葉子を連れ戻して熱い人生を見せつけてくださいませ…」
「ああ、そうしてやる」
瑠香は自信たっぷりに微笑んだ。
☆☆
八尾比丘尼は陰陽寮の瑠香と葛葉子の部屋の襖にジジ様の異界との道を繋げた。
「無事に葛葉子お姉さまを救い出してくださいませね!」
「信じてるよ。また、ラブラブな二人を見たいからね」
「明後日にはみんなで学校通おうって葛葉子さんに伝えてくれ」
「帰ってきたら、葛葉子は香茂の嫁だからな。早く孫作るために連れ戻して来い。私達家族は待ってるからな!」
二人の未来を寿ぐ言霊を心強く受け取り、いざ葛葉子が、いるであろう阿倍野殿の元に急いだ。
葛葉子を離さないと誓ったのに現し世に帰ったら葛葉子は攫われていたなんて……
どこまでオレに追いかけさせるつもりだ…とイライラしていた。
攫われた時の状況は東親王が説明してくれた。
「瑠香が眠りに落ちたあと、不穏な空気に満たされて、カラスの群れが葛葉子の体を取り巻いたと思ったら阿倍野殿らしい男が葛葉子を抱いてどこかに消えてしまったんだ!」
という事らしかった。
「ハルの神は?何をしていた?」
ハルの神はまだ晴房の体を乗っとって居るのだから、どうにか出来たはずだ。
睨む瑠香に、子供らしくない不適な笑みで
「ルカの神が宿命が定まると言っただろう?
お前が威津那を止めるんだ…
皇室のために…あの狐を瑞兆となすため…」
ガツン!!
と瑠香は晴房の頭を殴っていた。
「この役立たずがっ!」
皇室を守る神のくせに!わざわざ阿倍野を逃がして葛葉子はをむざむざ攫わせるとは!
という思いを拳に込めた。
「な、神になんてことを!」
うりゅ…と涙を溜めるのは晴房の意識も半分戻っているということか…それでもハルの神の意識をまだ感じる。
「オレだってお前と同じルカの神の化身なんだよ。
対等だ!……というか審神者だからオレの方が上だな…
その力とくと審査してやるから覚悟しろ……」
瞳を容赦なく青に閃かせて睨む。
役立たずの神はさっさと帰れと言っているような瑠香にハルの神はムッと睨み返し、
「ルカの神は優しい神ぞ…こんな真逆な依代を神の身にしおって… 先が思いやられるわ…」
ルカの神は瑠香の体を借りて、
「優しいからこそ私は化身にすべてをまかせるんだ…いずれはハルの神も晴房に、そうしてあげなさい…」
と言い、ふふっと、ルカの神は瑠香の体で微笑み意識を瑠香に返す。
「阿倍野殿屋敷は異界か…ルカの神…わかるか?」
《流石に繋がる道がなければ難しいよ…分かればあの時…力を貸していた》
それもそうだと、腕を組み瑠香は悩む。
「阿倍野のスケベジジの異界なら繋げられますわ…」
八尾比丘尼はそう告げた。
「知り合いだったのか?」
瑠香は驚き八尾比丘尼をみる。
「ふふ。長く生きていればあのような不届きものとも腐れ縁ですわ……」
口元を隠して苦笑する口の端は引きつっていた。
あのスケベジジは八尾比丘尼にも手を出したらしいと瑠香は思う。
《随分な言い方だね…
若い時は瑠花とジジ様を奪うライバルみたいなことをしていたのに……》
「ルカの神、余計なことを言うのはおよしなさい……」
八尾比丘尼は瑠香の背後に浮かぶルカの神を睨んだ。
八尾比丘尼の黒歴史のようだった。
「私が通ってきた異界の道で繋げさせますわ。
葛葉子を連れ戻して熱い人生を見せつけてくださいませ…」
「ああ、そうしてやる」
瑠香は自信たっぷりに微笑んだ。
☆☆
八尾比丘尼は陰陽寮の瑠香と葛葉子の部屋の襖にジジ様の異界との道を繋げた。
「無事に葛葉子お姉さまを救い出してくださいませね!」
「信じてるよ。また、ラブラブな二人を見たいからね」
「明後日にはみんなで学校通おうって葛葉子さんに伝えてくれ」
「帰ってきたら、葛葉子は香茂の嫁だからな。早く孫作るために連れ戻して来い。私達家族は待ってるからな!」
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