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3☆雪と晴房の恋愛事情☆神様の晴房
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明日も会って欲しいという晴房の言葉に従って夕暮れ時、公園に来た。
若いガラの悪い外国人交じりの男たちに絡まれた。
すれ違い際にちょっと、肩が当たっただけだった。
ごめんで済むところなのに、柄の悪さは心の悪さと比例するらしい。
「ごめんなさいね」
と一言いって、もう少し先で待とうと思って歩きだしたら腕を掴まれる。
酒の匂いがする……正気ではないのかもしれない。
「離してください!」
「じゃあ、店に行って話ソウカ?」
「そ~ゆー意味じゃなくて……」
暗がりに連れて行かれそうになったとき、母としてではなく、女として男に会おうとしたことへの罰が下されたかと思った。
だからといって、不埒な真似をさせるわけにはいかない。
そのとき檜扇が男の頭に直撃した。
「いってぇな!」
と振り向いたとき、檜扇を持った男は浮いていた。
男たちは頭2つ分見下されている。
あまりの出来事に硬直する。
「晴房さん?」
「お前らを霊的に生まれ変わらせてやろう………」
というと、指を鳴らしたその瞬間、男たちの服が細かい光となって消えて、真っ裸になった。
「つぎは、その皮(膚)一枚、消してやろう……」
あまりのことに男たちは恐れをなして、裸のまま逃げ出した。
「すまん!恐ろしい目に合わせて……」
晴房は雪と目を合わせず夕日の方に目を向けて首筋をかく。
それは、待ち合わせしたのに先にならず者に出くわせてしまった事への謝罪だ。
それに、さっきの能力の事はなかった事にしょうかと思って曖昧に話を逸らそうかと悩みながら晴房言った雰囲気があった。
……この力をもつ奇異な自分を化物という目で雪が見ていたらと思うと怖かった…
けれど、雪は晴房の手をギュッと握り確認するように、
「晴房さんは神様なの?人じゃないの?」
雪は臆せず晴房の顔をじっと見つめて問うた。
そのことに晴房の方が驚く。
晴房は少し悲しげに微笑して、
「私が怖いか?」
「恐くないけど……腑に落ちたというか、不思議な感じ……」
「私を嫌いになったか?」
「嫌いになれるほどあなたのこと知らないもの」
雪はちょっと怒った感じで言った。
雪の子供の様な反応に晴房はアハハと笑ってしまった。
「それもそうだな。」
浮いている晴房は雪と向き合い、雪が差し出す掌にそっと手を重ねて地に足を下ろした。
若いガラの悪い外国人交じりの男たちに絡まれた。
すれ違い際にちょっと、肩が当たっただけだった。
ごめんで済むところなのに、柄の悪さは心の悪さと比例するらしい。
「ごめんなさいね」
と一言いって、もう少し先で待とうと思って歩きだしたら腕を掴まれる。
酒の匂いがする……正気ではないのかもしれない。
「離してください!」
「じゃあ、店に行って話ソウカ?」
「そ~ゆー意味じゃなくて……」
暗がりに連れて行かれそうになったとき、母としてではなく、女として男に会おうとしたことへの罰が下されたかと思った。
だからといって、不埒な真似をさせるわけにはいかない。
そのとき檜扇が男の頭に直撃した。
「いってぇな!」
と振り向いたとき、檜扇を持った男は浮いていた。
男たちは頭2つ分見下されている。
あまりの出来事に硬直する。
「晴房さん?」
「お前らを霊的に生まれ変わらせてやろう………」
というと、指を鳴らしたその瞬間、男たちの服が細かい光となって消えて、真っ裸になった。
「つぎは、その皮(膚)一枚、消してやろう……」
あまりのことに男たちは恐れをなして、裸のまま逃げ出した。
「すまん!恐ろしい目に合わせて……」
晴房は雪と目を合わせず夕日の方に目を向けて首筋をかく。
それは、待ち合わせしたのに先にならず者に出くわせてしまった事への謝罪だ。
それに、さっきの能力の事はなかった事にしょうかと思って曖昧に話を逸らそうかと悩みながら晴房言った雰囲気があった。
……この力をもつ奇異な自分を化物という目で雪が見ていたらと思うと怖かった…
けれど、雪は晴房の手をギュッと握り確認するように、
「晴房さんは神様なの?人じゃないの?」
雪は臆せず晴房の顔をじっと見つめて問うた。
そのことに晴房の方が驚く。
晴房は少し悲しげに微笑して、
「私が怖いか?」
「恐くないけど……腑に落ちたというか、不思議な感じ……」
「私を嫌いになったか?」
「嫌いになれるほどあなたのこと知らないもの」
雪はちょっと怒った感じで言った。
雪の子供の様な反応に晴房はアハハと笑ってしまった。
「それもそうだな。」
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