主婦と神様の恋愛事情

花咲マイコ

文字の大きさ
54 / 95
神様子育てする!?

7☆三つ子の将来

しおりを挟む
 晴房は超能力で、子供を浮かせてあやしたりして、無意識に子どもたちは能力を掴んでいるような感じだ。
 宮中に帰った時に瑠香にそう報告したら、神妙な顔をして、

「今は力を封印したほうがいいな……」
「何でだ?」
 せっかく晴房ができる子育てしているのに水をさされた感じでムッとする。

「立ったり歩いたできるようになってからではないと、人として歩けなくなるぞ。
 オレはそれで父に怒られたことがある…」
 お香の能力で浮かせたりして遊んでやったことを思い出した。

「私もそうだったのか?」
「オレじゃなければお前の面倒を出来ないほど大変だったぞ?」
 瑠香は苦笑して言う。
 だから、審神者の力を与えられるほどだった。

「封印の仕方は?瑠香がやるのか?」
「まぁ、オレがやってやってもいいが…」
 ニヤッと艶っぽく瑠香は微笑み、

「一番は父の愛情だな!」
 と言った。
 そうすると俄然やる気がわく晴房だった。

 とりあえず瑠香は泣く時に地震を起こすことだけは無いように審神者の力で子供たちの能力を封じてくれた。
 それは、晴房が仕事している時に李流は瑠香を自宅に招き、暴れん坊の三つ子の子育ての本領発揮を見せられた桜庭家の者は、陰陽師ではなくベビーシッターも向いている…!
 と思ったことは言うまでもない。

 晴房は三つ子がどんな能力を持つか見極めねばならないし、陰陽寮に将来使えるかもれないと腹黒い事も思ってみた。
 そうすれば、代々受け継いできた血筋のものが後を継いでくれる。
 瑠香の息子二人は陰陽師になる気はサラサラないみたいなので後継者に困っていた。
 その分、瑠香は神の化身としても陰陽寮に生涯を晴房と共に捧げるらしい。
 晴房は一応、阿倍野の家の者で代々、香茂と交代で陰陽寮を担ってきた。
 三つ子のうち一人を阿倍野の後継に出来ると考える。
 晴房は桜庭の婿養子だが…
 阿倍野の財産も管理する香茂が何とかしてくれると瑠香は言っていた。
 瑠香は香茂姓だが、阿倍野の婿養子みたいなものだった。
 その縁もあるらしい。
 そう色々考えてみるけれど一番に考えなくてはいけないのは雪の事だと思う。

 幼い頃から子供を陰陽師にするために引き剥がしては、雪が寂しがると思うから十五歳になるまで、自由にさせるかと結論が出た。

 晴房は今の宮中の現状よりも子どもと妻の将来のことも考えていた事に、

(なんか、いま私は親っぽいぞっ!)

 自分に父親としての自覚を感じて満足になった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた

しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。 すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。 早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。 この案に王太子の返事は?   王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...