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夫婦のつながりの証
雪の指輪効果
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「雪さん結婚したの⁉」
日曜日、門下生たちは雪の薬指に輝く指輪を見て驚きそういった。
「もう、お腹に赤ちゃんがいるのよ」
「ええええエエっ!?」
道場に驚きの声が轟いた。
稽古中から指輪が気になっていた。
数日前までは、右手に指輪はあったけれど…
「桜庭の家から出ていっちゃうの?」
門下生と言っても、日々の鍛錬を維持するために通いつめているくらいだが、季節の指導は厳しくも優しいので通わせていただいている。
気軽に利用できて、愛国心あふれる同士が出会いの場にもなっていた。
そして、雪の優しいおもてなしも気に入って未婚の若い男子は雪に憧れを持っていた。
母のようであり姉のように頼っていた。
見た目は、おとなしそうだが芯がありしっかりしていてやさしい。
頑固で厳しいところを見せる季節を宥めるところを見たときは、最強だ!と思わせた。
「どんな人?」
「宮中で働いているひとよ。」
それを聞いて少しホッとした。
三ヶ月前に連絡なしに消えた下心ある門下生みたいなやつに引っかかったの方とも心配になる。
さらに、財産目当てとか……と勘ぐり雪を心配したのは皆同じだった。
雪は桜庭家の当主として家の管理を預かっている。
息子の李流が成人したら李流が当主だ。
雪は嫁の立場だったが、従兄弟同士の結婚だった。
桜庭家の当主にもふさわしいので雪が誰と再婚しようが生まれてくる子供は桜庭の家の者に変わりがない。
季節は子どもたちに生前贈与もすべて完了している。
義兄妹たちも、雪を認めていて自分たちの生活を有意義にすごしているのだから。
なので、雪が誰と結ばれてもいい立場なのだが、若い門下生は気になる。
「どんな人?」
「神様……みたいな人よ。」
はにかみながらそういった。
神様……みたい?
聖人君子みたいな出来た人を想像する。
雪は携帯で撮った写真を見せる。
そこには、白い狩衣をきてぴーすをして微笑む晴房が写っていた。
「……………若い」
門下生の自分たちと変わらない…
だけど、狩衣を着て確かに神主でもあり神様だ。どこか一般人と違うオーラがある。
しかもイケメン。
元旦那は一回り違う年上だと聞いていたけれど、年下もいけたのか……
雪に気があった門下生はチャンスがあったかもしれなかったことに内心がっかりする。
「ゆ、雪さんが幸せなら俺たち応援するよ!」
「いつもどおり道場つかわせてね!」
「ええ、もちろんよ!私もみんなが来てくれることが嬉しいんだから」
優しく微笑まれると、心が和む門下生たちだった。
日曜日、門下生たちは雪の薬指に輝く指輪を見て驚きそういった。
「もう、お腹に赤ちゃんがいるのよ」
「ええええエエっ!?」
道場に驚きの声が轟いた。
稽古中から指輪が気になっていた。
数日前までは、右手に指輪はあったけれど…
「桜庭の家から出ていっちゃうの?」
門下生と言っても、日々の鍛錬を維持するために通いつめているくらいだが、季節の指導は厳しくも優しいので通わせていただいている。
気軽に利用できて、愛国心あふれる同士が出会いの場にもなっていた。
そして、雪の優しいおもてなしも気に入って未婚の若い男子は雪に憧れを持っていた。
母のようであり姉のように頼っていた。
見た目は、おとなしそうだが芯がありしっかりしていてやさしい。
頑固で厳しいところを見せる季節を宥めるところを見たときは、最強だ!と思わせた。
「どんな人?」
「宮中で働いているひとよ。」
それを聞いて少しホッとした。
三ヶ月前に連絡なしに消えた下心ある門下生みたいなやつに引っかかったの方とも心配になる。
さらに、財産目当てとか……と勘ぐり雪を心配したのは皆同じだった。
雪は桜庭家の当主として家の管理を預かっている。
息子の李流が成人したら李流が当主だ。
雪は嫁の立場だったが、従兄弟同士の結婚だった。
桜庭家の当主にもふさわしいので雪が誰と再婚しようが生まれてくる子供は桜庭の家の者に変わりがない。
季節は子どもたちに生前贈与もすべて完了している。
義兄妹たちも、雪を認めていて自分たちの生活を有意義にすごしているのだから。
なので、雪が誰と結ばれてもいい立場なのだが、若い門下生は気になる。
「どんな人?」
「神様……みたいな人よ。」
はにかみながらそういった。
神様……みたい?
聖人君子みたいな出来た人を想像する。
雪は携帯で撮った写真を見せる。
そこには、白い狩衣をきてぴーすをして微笑む晴房が写っていた。
「……………若い」
門下生の自分たちと変わらない…
だけど、狩衣を着て確かに神主でもあり神様だ。どこか一般人と違うオーラがある。
しかもイケメン。
元旦那は一回り違う年上だと聞いていたけれど、年下もいけたのか……
雪に気があった門下生はチャンスがあったかもしれなかったことに内心がっかりする。
「ゆ、雪さんが幸せなら俺たち応援するよ!」
「いつもどおり道場つかわせてね!」
「ええ、もちろんよ!私もみんなが来てくれることが嬉しいんだから」
優しく微笑まれると、心が和む門下生たちだった。
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