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第一章
インテリ住職 其の十八
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「そ…、そもそもコレっ、ハッキリ写りすぎです! 合成写真みたいで使えませんよ!!」
ここまで綺麗に撮れている心霊写真は見たことがない。さすが栄慶さんと言うべきなのか……。
「だったら顔すべてモザイク処理すればいいじゃないか」
「それ心霊写真の意味ないですよっ」
「卑猥な心霊写真として新たなジャンルを築くのも、また一興」
「求めてませんからっっ!!」
ああ、もう、いつもの彼だ。
あんな事があったから、恥ずかしくて気まずくて……。ここに来るのをためらっていた私が馬鹿みたいじゃない!!
なんだか力が抜けてきて、はぁ~っと大きく息を吐きながら下を向く。
「……会いに来ないのが悪い」
「え?」
ポツリとつぶやくように聞こえた声。
慌てて顔を上げると、彼は眼鏡のブリッジを押さえながら目を反らしていた。
「会いに……来てほしかったんですか……?」
そう聞き返すと眼鏡から手を離し、こちらを凝視してくる。
ドクンと鼓動が高鳴る。
「お前がいないと……」
「私がいないと……?」
「ゆっくり休めないじゃないか」
――――は?
「今日も大量に憑かれて来たな。祓ってやるから、まず庭掃除な?」
「…………」
わなわなと身体が震える。
(こ……、この……っ)
「俺様インテリ坊主が――――――――っ!!!!」
境内に私の叫び声が高々と響き渡った。
ー 第一章インテリ住職【完】ー
ここまで綺麗に撮れている心霊写真は見たことがない。さすが栄慶さんと言うべきなのか……。
「だったら顔すべてモザイク処理すればいいじゃないか」
「それ心霊写真の意味ないですよっ」
「卑猥な心霊写真として新たなジャンルを築くのも、また一興」
「求めてませんからっっ!!」
ああ、もう、いつもの彼だ。
あんな事があったから、恥ずかしくて気まずくて……。ここに来るのをためらっていた私が馬鹿みたいじゃない!!
なんだか力が抜けてきて、はぁ~っと大きく息を吐きながら下を向く。
「……会いに来ないのが悪い」
「え?」
ポツリとつぶやくように聞こえた声。
慌てて顔を上げると、彼は眼鏡のブリッジを押さえながら目を反らしていた。
「会いに……来てほしかったんですか……?」
そう聞き返すと眼鏡から手を離し、こちらを凝視してくる。
ドクンと鼓動が高鳴る。
「お前がいないと……」
「私がいないと……?」
「ゆっくり休めないじゃないか」
――――は?
「今日も大量に憑かれて来たな。祓ってやるから、まず庭掃除な?」
「…………」
わなわなと身体が震える。
(こ……、この……っ)
「俺様インテリ坊主が――――――――っ!!!!」
境内に私の叫び声が高々と響き渡った。
ー 第一章インテリ住職【完】ー
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