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プリンダル酒場とニヒルン酒場
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「いらっひゃーいませぇ。ういっく。ってなんだよぉ。カフェオかよぉ」
「なんだとは、なんだ。俺だって客なんだぞ。とても店員とは、思えんな……ギルドの仕事あがりに、気持ち良く酔いたかったんだがな」
プリンダル酒場に入店した直後。カフェオは、思わずムッとした。なんだと言われた事と、ダルの妻が経営しているとはいえ、酒場の店員をしているダルが、カウンター席に座り込んでいる態度。しかもエールを大ジョッキで飲みながらの客の出迎えに、呆れたためである。
少し前までは、ちゃらんぽらんな生活をする事しか出来なかったダル。その男が、真面目に働きだした事を友人のカフェオは、喜んでいたのだ。それ故、今夜のダルに幻滅してしまったのだ。
カフェオは、ダルの横の席に座る。そして、酒場の女将のプリンダに中ジョッキのエールを注文した。直ぐにエールが出された。カフェオは、取り合えず横のダルとジョッキ同士をくっつけて、乾杯の行為をする。それで、二人の男の不機嫌な気持ちは泡と消えるのだ。
「なぁ、ダル。今夜の店は随分と静かだな。前に来た時は活気が有ったと思うんだが。客も大勢いただろう?」
「ああ、そうだぜ。前は大勢の客がいたんだ。でもよぉ。少し前に、ニヒルンって酒場が出来たんだ。そこは、男前の店員達が接客するってんで、女達に人気でな。若い女で、毎日通い詰めているらしい。それと、男の客にはオッパイ丸出しの、ねぇちゃんが接客しに来るらしいからな。男にも大人気だ。だから此処は、閑古鳥が鳴くしまつってぇ訳だ。飲まなきゃ、やってられねぇぜ! ちくしょう、俺もオッパイ見てえよぉ……」
ダルの嘆きの最後の言葉を聞いた御蔭で、疑問が解けたカフェオ。しかし、プリンダのダルを見る目が鋭くなったのに気が付いた。
「プリンダ、心配しなくても俺とダルとで、その酒場に行ったりしないから。誓うよ。何ならダルにも誓わせよう。破れば絶交だ」
「是非とも、そうしておくれよ。そのニヒルン酒場について小耳に挟んだんだけど、飲食の値段が法外なんだって。それに高額な品物なんかも有るらしい。若い女性達は、一晩で大金を使ってるんだとさ。払えない者は、借金してる。それでも行くのを止めない。で、最後は身体を売ってるそうよ……」
「お前の旦那みたい……そ、そんな事が起きてるのか? 一大事だな」
プリンダの話しを聞いて、昔のダルみたいな奴が増えるなとカフェオは、思った。それを妻である彼女が聞けば、気を悪くするだろう。慌てて口ごもったカフェオだった。どうやら聞こえなかったようである。それには、ほっとした彼だ。しかし、平穏だった街が乱れていくのではないか? と不安な気持ちを抑えられないでいた。
「なんだとは、なんだ。俺だって客なんだぞ。とても店員とは、思えんな……ギルドの仕事あがりに、気持ち良く酔いたかったんだがな」
プリンダル酒場に入店した直後。カフェオは、思わずムッとした。なんだと言われた事と、ダルの妻が経営しているとはいえ、酒場の店員をしているダルが、カウンター席に座り込んでいる態度。しかもエールを大ジョッキで飲みながらの客の出迎えに、呆れたためである。
少し前までは、ちゃらんぽらんな生活をする事しか出来なかったダル。その男が、真面目に働きだした事を友人のカフェオは、喜んでいたのだ。それ故、今夜のダルに幻滅してしまったのだ。
カフェオは、ダルの横の席に座る。そして、酒場の女将のプリンダに中ジョッキのエールを注文した。直ぐにエールが出された。カフェオは、取り合えず横のダルとジョッキ同士をくっつけて、乾杯の行為をする。それで、二人の男の不機嫌な気持ちは泡と消えるのだ。
「なぁ、ダル。今夜の店は随分と静かだな。前に来た時は活気が有ったと思うんだが。客も大勢いただろう?」
「ああ、そうだぜ。前は大勢の客がいたんだ。でもよぉ。少し前に、ニヒルンって酒場が出来たんだ。そこは、男前の店員達が接客するってんで、女達に人気でな。若い女で、毎日通い詰めているらしい。それと、男の客にはオッパイ丸出しの、ねぇちゃんが接客しに来るらしいからな。男にも大人気だ。だから此処は、閑古鳥が鳴くしまつってぇ訳だ。飲まなきゃ、やってられねぇぜ! ちくしょう、俺もオッパイ見てえよぉ……」
ダルの嘆きの最後の言葉を聞いた御蔭で、疑問が解けたカフェオ。しかし、プリンダのダルを見る目が鋭くなったのに気が付いた。
「プリンダ、心配しなくても俺とダルとで、その酒場に行ったりしないから。誓うよ。何ならダルにも誓わせよう。破れば絶交だ」
「是非とも、そうしておくれよ。そのニヒルン酒場について小耳に挟んだんだけど、飲食の値段が法外なんだって。それに高額な品物なんかも有るらしい。若い女性達は、一晩で大金を使ってるんだとさ。払えない者は、借金してる。それでも行くのを止めない。で、最後は身体を売ってるそうよ……」
「お前の旦那みたい……そ、そんな事が起きてるのか? 一大事だな」
プリンダの話しを聞いて、昔のダルみたいな奴が増えるなとカフェオは、思った。それを妻である彼女が聞けば、気を悪くするだろう。慌てて口ごもったカフェオだった。どうやら聞こえなかったようである。それには、ほっとした彼だ。しかし、平穏だった街が乱れていくのではないか? と不安な気持ちを抑えられないでいた。
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