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6. ピクニックへ
しおりを挟む学園生活ではいつもの通り六人で行動することが多くて、それはそれで楽しい時間を過ごしました。
他のクラスメイト達も良い人ばかりで、例年にないほどの団結力があるそうです。やはり友人というものは宝物ですわね。
「ねえ今度、みんなでシルトベルク公園でピクニックしない?」
「ピクニック!いいわね。行きましょう!」
ローズマリーの提案で、今度の休みにシルトベルク公園へピクニックに行く事になりました。いつもの6人でです。お昼はそれぞれ持ち寄って公園で食べようという事になりました。
私は食べやすいように、やっぱりサンドウィッチ一択ですが、今回はいつものパンとは違った感じにしたかったので、料理長に相談していつもの丸パンの形を少し長めに成形してもらって、それに切り込みを入れることで、薄いパンの代わりにと考えました。
やっぱり、見た目も大事ですものね。
当日は心地よい風が吹く、青空が綺麗な日になりました。
シルトベルク公園には4人乗りの手漕ぎボートに乗れる大きな池と、池の中州に渡る橋があって、その池に隣接するように広い芝生広場があるのです。
そしてその奥には植物園と庭園があり、王都民の間では家族で訪れる場所であり、デートをする場所であり、ゆっくりと過ごす憩いの場所でもあるのです。
当日は現地集合という事で、一番乗りした私は大きな樹の下の適度に日陰がある池の近くに持ってきたブランケットを敷いて、お昼用のサンドウィッチの入ったバスケットを置いてみんなを待ちました。
池にはボートに乗った家族や恋人たちと思われる姿が視界に入ったけれど、泳げない自分としては乗ってみたいけど少し怖いのよね。
確かに、今までに事故があったとは聞いたことがないからきっと安全なんだろうけど、やっぱり心配になっちゃう。
そんなことを思っていると、マテオ様が歩いてくるのが見えて、その後方にはジーナとルチアの姿が見え、私は彼女達に手を振りました。
「気持ちいいね」
「ホントだね。夏も終わったし、休みも終わったし、次はなに?試験?」
「ヒース様、嫌なことを思い出させないでください」
「ごめん、ごめん。でも、みんな一緒に勉強すればいいじゃないか。それも楽しいよ」
「それはそうですけど」
みんなが集まってから、持ち寄ったお昼用のバスケットを広げました。
小さな入れ物に入ったサラダや見た目の違うカップケーキもあって、さすがに全部食べるのはきついわよね~と内心思いながら、目の前のサラダのカップを手に取ったのです。
どれもこれも美味しくて、今度またどこかに行こうと話し合ったりして時間を過ごし、時々、池に浮かぶボートに視線を向けたり、散歩をする人たちに視線を向けたり。
すると、なんだか、どこかで見た二人が歩いている気がするのよね。
見なかったことにしよう。
うん、見てない見てない。
見たくない。
私は逆側に座っているマテオ様に声をかけて、学園での課題の事を話しかけました。
視界に見たくないものが映らないように。
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