【完結】令嬢憧れの騎士様に結婚を申し込まれました。でも利害一致の契約です。

稲垣桜

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「では、これからの予定を伝えておこう。知っているだろうが一応我が家は公爵家だ。式に関して何もやらないというわけにはいかない」

「まあ、そうですね。でも、大勢が参加するような結婚式は遠慮したいのですが」

「君の気持ちもわかる。私もやりたくはないが、公爵家としてやらないわけにはいかない。それで、お互いの家に挨拶に行ったときに屋敷内にある教会で身内だけで済ませるつもりだと提案をする」

「やっぱり挨拶は必要ですよね。でも私みたいな行き遅れの子爵令嬢なんて、ご両親は反対されないのですか?」

「それは大丈夫だ。見合いを断り続けたら、いい加減誰でもいいから連れてこいと言われているからな」

「そうですか。まあ、私も同じようなものですけどね」


 お互いに家での立場はほとんど変わらないようで、思わず自分の事を聞いているような気持になる。
 でも、結婚式をやらなきゃいけないのか…いや、その前に挨拶に行かないといけないのか…そんな事を話しをしながら頭の隅で考えていた。そして今後の予定を詰めた。

 まずは週末に子爵家、公爵家の順で挨拶をして、二人の馴れ初めは兄の職場を訪ねた私と出会い、何度か話すうちに親しくなったということにした。
 もちろん兄に有無を言わせることもなく協力者として巻き込み、口外無用の成約済みらしい。どうりで今日の朝の兄の視線がおかしかったわけだ。帰ったら色々と問い詰められそうだ。



 そして週末の挨拶が終わり次第すぐに婚約し、私が名目上、花嫁修業をするということで公爵家へと引っ越し、3ヶ月後には結婚式ということになった。

 ちょっと早すぎない?と思ったが、向こうが主導権を握っている以上、口を出しても変更はできないだろう。本当に行動が早い男だ。そんなに焦る理由があるのだろうか。

 結婚式までの三ヶ月の間は公爵家夫人としての仕事を覚えることになっていて、これだけは屋敷の人間に対する不安払拭のためにと彼からお願いされた。

 まあ、自慢する訳ではないが私は記憶力だけはいい。覚えることなら苦ではない。だから、それくらいは難なくこなせるが、面倒な事には間違いない。契約の内容には含まれていない分の仕事に関しては、たっぷりと追加料金を貰うことで頷いた。


「じゃあ、君のことはリディと呼ぼう。私のことはマックスと呼んでくれ」

「マックス…ですか?マクシミリアンじゃなくて?」

「ああ、そのほうが親しく感じるだろう?」


 そう言った表情が若干「んっ?」と思ったが、まあ、どちらでもその時の気分で決めよう。
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