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12. 心情
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彼女の親友でもあるビアンカ嬢が結婚するということで、俺たちは結婚式と披露宴の招待を受けた。彼女の相手はあのカスティロ伯爵家のミカエルだ。
ミカエルはフェリスと仲が良かった男だ。俺はどこの令嬢が何をしようが気にしていなかったから、そういう情報には疎い。
もしかすると、フェリスはミカエルのことが好きだったのかもしれない。
いや、付き合っていたとか。俺との婚約は公爵家なのだから断れなかったのかもしれないと、そんなくだらないことを考えてしまうほど、正直なところ気にしていたのだ。
ミカエルとビアンカ嬢が祭壇に並び立った姿を見たフェリスがハンカチで目元を抑えているのを見て、俺は何とも言えない気持ちになった。
フェリスはこの二人が並ぶ姿を見たくないのかとそんなことも思ったのだ。
そして披露宴が終わって邸に帰る馬車の中で、俺は意を決しミカエルのことを聞いてみた。
彼と仲が良かっただろうと。
するとフェリスはミカエルを幼馴染なのだと、ミカエルはビアンカ目当てで自分と会っていたのだと言われ、思わず顔が緩みそうになった。
まあ、俺の表情筋はそう動かないようだから気付かれなかっただろうが、悩んでいた自分が情けなくなった。
その時に彼女が何か口にしたが、そのことは覚えていないほどだった。
それから、俺はフェリスを伴い夜会に参加するようになった。
彼女のためにドレスを仕立てアクセサリーを選んだが、フェリスに似合うものを選ぶことは楽しい。何を選べば彼女が美しく映えるかと考えるのが楽しいのだ。
もちろん、母も俺と同じ気持ちの様で、気が付くと色々と買ってきている。
そしてそれらを身に着け美しく着飾った彼女を連れ、俺たち夫婦がお似合いだと言うそのことを見せつけるように出かけたのだ。
フェリスは次期公爵としての顔つなぎだと思っているようだが、俺にとってはそれよりもフェリスと二人で出掛けるという意味合いの方が大きい。
あえて言わなかったがフェリスがそう思っているならそれもあながち間違いではないことだからと、訂正することもしなかった。
そんな風に何ヶ月も過ごしていくと、周囲からの視線も変わっていくものだ。
あれだけ訳の分からない噂が広まっていたのに、今では全く流れないのだから人とは現金なものだ。
俺がフェリスと連れ立って出かけることで、変な噂を流しても信じられないということを理解したのだろう。
あのマイラ嬢との噂が最たるものだ。
婚約者同士の時の失敗を上書きするように、フェリスと共に夫婦の時間をつくっていくのだ。
とはいえ、俺の長い年月に作り上げられたブランゼスという人間はそう簡単に変わることなどできない。
急に会話が増える訳でもなければ、彼女に対する態度が軟化するわけでもない。
ただ努力の一言なのだが、その成果は惨憺たるものだったろう。
そんな日々を数か月過ごしたころ、団長が厳しい顔をしてエーレ子爵家の内偵をしていた騎士が死体で発見されたと俺に言った。
その男は王都ではない地方の騎士団で採用された人間で、このあたりで顔を知られていないということでエーレ子爵家へ見習いとして潜入させたようだ。
ミカエルはフェリスと仲が良かった男だ。俺はどこの令嬢が何をしようが気にしていなかったから、そういう情報には疎い。
もしかすると、フェリスはミカエルのことが好きだったのかもしれない。
いや、付き合っていたとか。俺との婚約は公爵家なのだから断れなかったのかもしれないと、そんなくだらないことを考えてしまうほど、正直なところ気にしていたのだ。
ミカエルとビアンカ嬢が祭壇に並び立った姿を見たフェリスがハンカチで目元を抑えているのを見て、俺は何とも言えない気持ちになった。
フェリスはこの二人が並ぶ姿を見たくないのかとそんなことも思ったのだ。
そして披露宴が終わって邸に帰る馬車の中で、俺は意を決しミカエルのことを聞いてみた。
彼と仲が良かっただろうと。
するとフェリスはミカエルを幼馴染なのだと、ミカエルはビアンカ目当てで自分と会っていたのだと言われ、思わず顔が緩みそうになった。
まあ、俺の表情筋はそう動かないようだから気付かれなかっただろうが、悩んでいた自分が情けなくなった。
その時に彼女が何か口にしたが、そのことは覚えていないほどだった。
それから、俺はフェリスを伴い夜会に参加するようになった。
彼女のためにドレスを仕立てアクセサリーを選んだが、フェリスに似合うものを選ぶことは楽しい。何を選べば彼女が美しく映えるかと考えるのが楽しいのだ。
もちろん、母も俺と同じ気持ちの様で、気が付くと色々と買ってきている。
そしてそれらを身に着け美しく着飾った彼女を連れ、俺たち夫婦がお似合いだと言うそのことを見せつけるように出かけたのだ。
フェリスは次期公爵としての顔つなぎだと思っているようだが、俺にとってはそれよりもフェリスと二人で出掛けるという意味合いの方が大きい。
あえて言わなかったがフェリスがそう思っているならそれもあながち間違いではないことだからと、訂正することもしなかった。
そんな風に何ヶ月も過ごしていくと、周囲からの視線も変わっていくものだ。
あれだけ訳の分からない噂が広まっていたのに、今では全く流れないのだから人とは現金なものだ。
俺がフェリスと連れ立って出かけることで、変な噂を流しても信じられないということを理解したのだろう。
あのマイラ嬢との噂が最たるものだ。
婚約者同士の時の失敗を上書きするように、フェリスと共に夫婦の時間をつくっていくのだ。
とはいえ、俺の長い年月に作り上げられたブランゼスという人間はそう簡単に変わることなどできない。
急に会話が増える訳でもなければ、彼女に対する態度が軟化するわけでもない。
ただ努力の一言なのだが、その成果は惨憺たるものだったろう。
そんな日々を数か月過ごしたころ、団長が厳しい顔をしてエーレ子爵家の内偵をしていた騎士が死体で発見されたと俺に言った。
その男は王都ではない地方の騎士団で採用された人間で、このあたりで顔を知られていないということでエーレ子爵家へ見習いとして潜入させたようだ。
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