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迷宮都市ラ・メイズ
22 シオンは宝箱と同じ部屋で眠る 後
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コレットは、私が来る数日前に迷族に捕まったのだと言います。
絶望に沈んだ私に優しく接してくれ、どれだけ救われたかわかりません。
人族で、しかも貴族。迷族たちから乱暴されないコレットに、理不尽な怒りをぶつけたこともありました。
「ごめんなさい。シオンがこんなに苦しんでいるのに、私には何もできません…。悔しいですわ」
コレットは、私が駄々をこねても、決して見捨てることはしませんでした。
男たちに乱暴されていない僅かな合間にしか会話できませんでしたが、コレットもここに来るまでにも辛い経験をしていて、私たちはすぐに親しくなりました。
それが傷を舐め合うような関係だったとしても、私は確かに救われました。
でも、心は救われても、私の身体はどんどん弱っていきました。
ただでさえ痩せていた身体がいよいよ動かなくなってきたとき、巡回に出ていた迷族が宝箱を持って帰ってきました。
大人が一人で抱えることができるくらいの大きさの、木と金属でできた箱。
アーチ型の蓋は閉じていて、正面には鍵穴がついていました。
迷族の頭は上機嫌で部下が宝箱を解錠するのを待っていましたが、強力な罠が仕掛けられているかもしれないことを知って、私に開かせようとしました。
私には、逆らう気力も、その力もありません。
これで楽になれるかもしれない。
私は自分でも驚くほどあっさりと宝箱へ手をかけました。
死ぬことをあれほど恐れていたのに、なぜかその時はすべてを諦めていたのです。
今思うと、【超感覚】が得体の知れない力を感じ取り、最大限の警鐘を鳴らしていたのかもしれません。
その後はご主人様に助けられ、今に至ります。
エリクサーを飲んだことによって一番良かったのは、左腕が戻ったことよりも、心折れていた私の精神が多少なりとも回復したことでしょうか。
そのおかげで、弱い私でも、ご主人様から頂いた質問にお答えすることができるのだから。
私の命を救い、心を癒し、居場所を与えてくださったご主人様。
私を所有物と呼びながらも、一人の人間として扱ってくださいます。
ご主人様は魔物です。
ご主人様は自分が魔物なのに良いのか?と言います。
でも私は全然気になりません。
獣人として人族から差別されてきた私には、魔物よりも人の方が怖いくらいなのです。
ご主人様はちょっぴり怖くて厳しいところもあるけれど、私に理不尽な要求をなさいません。
今も同じ部屋の同じベッドで眠っているのに、何もなさいません。
今は人の姿です。人の姿の時は、お腹も減るし、睡眠欲も性欲もあるそうです。
あ、あと人の姿の時はとてもかっこいいです。
迷族から助けてくれた時も、王子様を殴ったことを褒めてくれた時も、とてもかっこよかったです。
私もご主人様に頑張って仕えれば、ご主人様のように強くなれるのでしょうか。
私はもっと強くなりたいです。理不尽に負けないように、仲間を守れるように。
もちろん一番は、強くなって、私に希望をくれたご主人様のお役に立ちたいです。
…ご主人様は私に手を出さないのでしょうか。
ご主人様のことを少しでも知った今なら、ちょっとくらい理不尽な要求をされても、私、嫌じゃないのに。
私はご主人様の横顔を見つめます。
ご主人様は、私がご主人様の役に立つことを積極的に行っても良いとおっしゃいました。
…自分からお手伝いを申し出たほうが良いのでしょうか。
それとも、私には魅力がないから必要ないのでしょうか。
私はまだまだご主人様のことを知りたいです。ここに居たいです。
明日も、ご主人様に見捨てられないように一生懸命頑張ります。
私の名前はシオン。
白狼種の獣人で、トシゾウ様の所有物です。
絶望に沈んだ私に優しく接してくれ、どれだけ救われたかわかりません。
人族で、しかも貴族。迷族たちから乱暴されないコレットに、理不尽な怒りをぶつけたこともありました。
「ごめんなさい。シオンがこんなに苦しんでいるのに、私には何もできません…。悔しいですわ」
コレットは、私が駄々をこねても、決して見捨てることはしませんでした。
男たちに乱暴されていない僅かな合間にしか会話できませんでしたが、コレットもここに来るまでにも辛い経験をしていて、私たちはすぐに親しくなりました。
それが傷を舐め合うような関係だったとしても、私は確かに救われました。
でも、心は救われても、私の身体はどんどん弱っていきました。
ただでさえ痩せていた身体がいよいよ動かなくなってきたとき、巡回に出ていた迷族が宝箱を持って帰ってきました。
大人が一人で抱えることができるくらいの大きさの、木と金属でできた箱。
アーチ型の蓋は閉じていて、正面には鍵穴がついていました。
迷族の頭は上機嫌で部下が宝箱を解錠するのを待っていましたが、強力な罠が仕掛けられているかもしれないことを知って、私に開かせようとしました。
私には、逆らう気力も、その力もありません。
これで楽になれるかもしれない。
私は自分でも驚くほどあっさりと宝箱へ手をかけました。
死ぬことをあれほど恐れていたのに、なぜかその時はすべてを諦めていたのです。
今思うと、【超感覚】が得体の知れない力を感じ取り、最大限の警鐘を鳴らしていたのかもしれません。
その後はご主人様に助けられ、今に至ります。
エリクサーを飲んだことによって一番良かったのは、左腕が戻ったことよりも、心折れていた私の精神が多少なりとも回復したことでしょうか。
そのおかげで、弱い私でも、ご主人様から頂いた質問にお答えすることができるのだから。
私の命を救い、心を癒し、居場所を与えてくださったご主人様。
私を所有物と呼びながらも、一人の人間として扱ってくださいます。
ご主人様は魔物です。
ご主人様は自分が魔物なのに良いのか?と言います。
でも私は全然気になりません。
獣人として人族から差別されてきた私には、魔物よりも人の方が怖いくらいなのです。
ご主人様はちょっぴり怖くて厳しいところもあるけれど、私に理不尽な要求をなさいません。
今も同じ部屋の同じベッドで眠っているのに、何もなさいません。
今は人の姿です。人の姿の時は、お腹も減るし、睡眠欲も性欲もあるそうです。
あ、あと人の姿の時はとてもかっこいいです。
迷族から助けてくれた時も、王子様を殴ったことを褒めてくれた時も、とてもかっこよかったです。
私もご主人様に頑張って仕えれば、ご主人様のように強くなれるのでしょうか。
私はもっと強くなりたいです。理不尽に負けないように、仲間を守れるように。
もちろん一番は、強くなって、私に希望をくれたご主人様のお役に立ちたいです。
…ご主人様は私に手を出さないのでしょうか。
ご主人様のことを少しでも知った今なら、ちょっとくらい理不尽な要求をされても、私、嫌じゃないのに。
私はご主人様の横顔を見つめます。
ご主人様は、私がご主人様の役に立つことを積極的に行っても良いとおっしゃいました。
…自分からお手伝いを申し出たほうが良いのでしょうか。
それとも、私には魅力がないから必要ないのでしょうか。
私はまだまだご主人様のことを知りたいです。ここに居たいです。
明日も、ご主人様に見捨てられないように一生懸命頑張ります。
私の名前はシオン。
白狼種の獣人で、トシゾウ様の所有物です。
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