超越ミミックの人類調教計画!~迷宮で宝を得るために異世界を変革させます~

二足のわらじ

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迷宮都市ラ・メイズ

27 シロは迷宮の力を語る

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「GYAOOooぉおお…、お、お久しぶりですトシゾウ殿」

「おすわ…、うむ、まったく久しぶりではないが、元気そうだなシロ」

「私には祖白竜ミストルという名がありまして、できればそちらで呼んでいただきたく…」

「却下だ」

「そ、そうですか。ところで、そちらの獣人は?」

「シオンだ。俺の新たな所有物だ」

「人間まで蒐集の対象とするとは、トシゾウ殿はやはり一味違いますね」

「シロ…、ペット…。シロ…しゃべって…?」

 【竜ノ心臓】が絶賛発動中のシオン。
 残念ながらまだ竜には慣れないようだ。

「今日来たのは、とりあえず迷宮の外に出てみたのでその報告のためだ。あとはスタンピードについて迷宮側の理由を聞きたい」

「承知しました」

 コホン、と説明モードになるシロ。まじめかわいい。

「迷宮は邪神に打ち込んだ杭。邪神の瘴気を浄化し、やがては討伐するための装置です。その辺りは主が説明されたことがあるのでご存知かと思います」

「うむ。なにやらそのようなことを言っていたような、言ってなかったような」

 女神がどうとか、邪神を倒して来いとか。

 面倒だから着信拒否する前にそんなことを迷宮主が言っていた気がする。どうでもいいから聞き流していた。

「それで、スタンピードとは何だ?」

「…まずは迷宮の存在意義から改めてお話ししますね」

「…仕方ない。聞こう」

「迷宮は地に満ちる瘴気を吸い上げ、吸い上げた瘴気を魔物として生成します。それを倒すことで瘴気を浄化し、浄化された力を還元して人間に力と素材を与えます。また、瘴気が浄化された土地は人間が生活できる環境となります」

「ふむ。室内洗浄機のようなものだな」

「瘴気を浄化することで邪神の力を奪い、その存在を脅かす。かつ地に生きる人間に試練を与え、同時に救済するための装置、それが迷宮なのです」

「ほう。いろんな機能がついててお得ですね、奥さん」

「我ら魔物が魔物を倒してもほとんど瘴気を浄化することはできません。瘴気を浄化するには人間の手を借りねばならず、その人間の力が落ちてきているのは由々しき問題なのです。よって、迷宮に訪れる冒険者たちの質の向上をトシゾウ殿に依頼しております」

「ふむ。埃がたまるからメンテしないといけないわけか」

「邪神は地下深くに存在するため、迷宮深層ほど瘴気が濃くなります。冒険者の質が上がると、迷宮深層の強い瘴気から生まれた魔物が倒され、すごいお宝装備や宝飾品が作られます」

「ほう!それは大切なことだ。埃が宝に変わるとは素晴らしい!素晴らしいぞ!」

「…はい。…それでスタンピードとは、迷宮が吸い上げたものの、浄化が間に合わなかった瘴気を排出するための処置です。迷宮内で死んだ冒険者や遺された装備を迷宮の力として還元するなどの努力もしているのですが…。それでも余ってしまった瘴気を、可能な限り薄く拡散した状態で魔物を生成し迷宮外に排出します。スタンピードは迷宮を維持するために必要な措置なのです」

「つまり必死に我慢したウンコのようなものだというわけか」

「…主、私は涙が止まりません。なぜトシゾウ殿は私に意地悪ばかりするのでしょうか」

 からかい甲斐があるからだ。

 なるほど、スタンピードとはウンコのことか。よくわかった。

 余談だが、俺が魔物を倒した場合は、人間と同じように素材と経験値を得ることができる。

 俺の種族や、前世が人間だったことに関わっているらしいのだが、詳しくは忘れた。
 俺のような例外は少ないながらも存在するらしいが、やはり瘴気の浄化に人間の力が必要であることは変わらないようだ。

 俺は嘆くシロに挨拶し、固まったままのシオンを連れて迷宮から出た。


 次の用事は、なんとか王子からの取り立てだな。
 シオンのレベルも上がったし、丁度良いので人族相手の実戦経験も積ませよう。


 所有物の手入れは楽しい。時間があっという間に過ぎる。
 良い餌を用意してくれたなんとか王子には感謝しないとな。

 【迷宮主の紫水晶】を使えば、迷宮の内部と迷宮の力が及ぶ地上の生物を検索することができる。
 なんとか王子、いやアズレイ王子はやはり貴族区画の王城内にいるようだ。

「行くぞ、シオン」

 俺は固まりっぱなしのシオンの口にエリクサーを流し込みつつ、なんとか王子のいる方向に向けて歩き出した。

「なんだか、すごい話を聞いたような気がします」

 我に返ったシオンが呟く。

「そうか?良かったな」

 トシゾウは宝を蒐集するための情報収集は好きだが、興味のない話にはとことん興味がない。

 祖白竜ミストルからの話よりも、いかにしてシオンを磨くか、いかにして手に入る宝の質を上げるかに考えが移っていくのであった。
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