超越ミミックの人類調教計画!~迷宮で宝を得るために異世界を変革させます~

二足のわらじ

文字の大きさ
52 / 172
宝箱は冒険者ギルドを立ち上げる

50 コウエン 冒険者ギルドは走り出す

しおりを挟む
「コウエン、お前に戦闘班の班長を命じる。緊急の際は俺か、副ギルドマスターのシオンが戦闘の指揮をとるが、平時の迷宮探索やギルドメンバーの教育はお前の仕事だ」

「はっ、お任せください。必ずや閣下の期待に応えてみせます!」

「閣下…。うむ、期待している。冒険者ギルドの性質上、戦闘班の役割は重要で、多岐に渡ることになるだろう。俺は種族で差別をしないが、今回獣人であるお前を班長としたことには意味がある。お前はただ力を振るえば良いというわけではない」

「はっ、承知しております」

 冒険者ギルドの看板たる戦闘班。
 その班長であるコウエンに与える役割は多い。

 人族に他種族の存在を認めさせること。
 迷宮を駆け回り、瘴気に侵食される人族の生存領域を回復すること。
 冒険者の質向上のための先駆けとなること。非戦闘員の護衛。敵対勢力の排除などなど。

 戦闘班全てが実験部隊であり、実働部隊であり、花形部隊である。

 俺の考える冒険者ギルドの発展に伴って、常に進化し続けなければならない。

 今はひとくくりだが、各班は順を追って役割を細分化していく必要があるだろう。

 コウエンは虎種の獣人である。
 彼は迷宮で拾い屋をしていた。

 左手と左目を失い、さらに病に侵された状態で迷宮へ潜っていたという猛者だ。
 他の拾い屋からの信頼も厚い初老の男性である。

 昨日、食事の後に拾い屋へレイン・オブ・エリクシールを使用した。
 コウエンは治癒されたことを非常に感謝しているようで、俺のことを閣下と呼ぶ。
 レベルもそれなりに高く経験豊富なスキル持ち。
 その立ち振る舞いは武人と言うにふさわしい。

 最初はシオンを戦闘班の班長に据えようと思っていたが、良い人材を引き入れられたものだ。

「まずはスタンピードまでに可能な限り戦闘班を鍛えろ。アイテムを惜しむ必要はないが、堅実に事を運べ。不死鳥の尾羽があれば死んでも一度は蘇ることができるが、連続使用は不可能だ。それは万が一の保険だと思え」

「お任せください閣下。拾い屋は冒険者以上に迷宮の恐ろしさを知っております。誰一人欠けることなく、閣下の兵を鍛え上げて見せましょう」

 レベルというものは、本来すぐに上がるものではない。
 それに急にレベルを上げても、技術が付いて行かず結果として修羅場を超えることができない。

 シオンにはスキルと才能、豊富な戦闘経験があった。シオンは特別だ。

 いずれ冒険者ギルドに対する反発は大きくなると思われる。
 それまでの期間で、戦闘班をあらゆる事態に対処できるように鍛え上げる。
 正直かなり難しいだろう。

 …まぁ最悪上手くいかなければいろいろと力でゴリ押す予定なのだが、わざわざ言う必要はない。
 それに期待しているというのは本当だ。

 コウエンからは、王弟ラザロやかつての冒険者たちが纏っていたような強者の雰囲気を感じる。
 短期間で戦闘班を鍛え上げることも可能かもしれない。

 俺はコウエン率いる戦闘班を【迷宮主の紫水晶】で、迷宮へ送り届けた。

 迷宮の入り口には人族至上主義者の意を受けた兵士が控えている。
 レベル制限をされていない獣人は迷宮に入ることができない。
 だが、直接迷宮に送り込んでしまえば問題ない。

 冒険者ギルドには、俺が迷宮に戻った後も人間の力を高め先導する存在になってほしい。
 そして俺の元へ蒐集のための闘争と、価値ある宝を届け続けてほしい。

 俺の力で強引に拡大させることはできない。
 ギルドマスターとしてどこまで関与するかはさじ加減が難しいが、俺の目的のために様子を見ながら進めていこう。

 …そういえば誰も俺の事をマスターと呼ばないなとトシゾウは思った。

 ギルドマスター:トシゾウ オーバード・ボックス

 副ギルドマスター:シオン 獣人 白狼種

 料理班長:エルダ 食堂のおばちゃん 人族

 製作班長:ドワイト オヤジ ドワーフ

 商業班長:ベルベット 商人(あきんど) 人族

 戦闘班長:コウエン 壮年の武人 獣人 虎種

以上が冒険者ギルドの主要メンバーである。
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

異世界は流されるままに

椎井瑛弥
ファンタジー
 貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。  日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。  しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。  これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。

処理中です...