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宝箱は冒険者ギルドを立ち上げる
56 スタンピード前日
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スタンピードが明日に迫った。
ここ数日はあっという間に過ぎて行った。
今の時間は昼。
冒険者ギルド敷地には、ギルドメンバー全員が集合していた。
「ご主人様、全員集まりました」
「うむ、シオンは俺の隣に立っていろ」
冒険者区画のテントはすべて撤去され、辺りは閑散としている。
冒険者も迷宮に潜ることを控えているため、だだっ広い敷地には兵士とギルドメンバーが残るのみだ。
兵士たちはスタンピード前に防柵を設置したり、戦闘に参加する冒険者と配置の確認をしている。
冒険者ギルドの防衛準備は、最初の二日間である程度の方針を固めていたため順調に進んだ。
そのため俺は明日に備えて全員に半休を出すことにした。
「皆、今日までよく働いてくれた。今から給料を渡す。スタンピードは明日だ。明日に備えて昼からを休日とする。各班長は受け取りに来い」
全員から歓声が上がる。
各班長が給料を分配していく。
全員に金が行き渡ったのを確認してから俺は口を開く。
「奴隷だったギルドメンバーには説明していたことだが、お前たちは現在、俺が仮に雇っている状態だ。俺はスタンピードを一つの区切りだと考えている。これからもギルドメンバーでいることを望むものは、半休後、スタンピードが始まる前に冒険者ギルドに集まれ」
ギルドメンバーは黙って話を聞いている。
「お前たちは役に立つ。戻ってくれば、同様の条件で本採用する。望まない者は戻る必要はない。咎めることはない。奴隷商人の元には話を通している。戻ればそのまま迎え入れてもらえるだろう」
俺はスタンピード時に、冒険者ギルド内に残ることを本採用の条件とした。
冒険者ギルドは、スタンピードが直撃する位置にある。
スタンピードの時は内壁の外へ避難することがラ・メイズの常識だ。
俺は、ギルドメンバーには自らの意志で働いてもらいたいと思っている。
冒険者ギルドの発展には今後も多くの困難が予想される。
冒険者ギルドを大切に思い、俺のことを信頼する者でなければ戻ることはできないだろう。
ギルドの力を、仲間の力を信じられるようになってほしい。
常識に囚われずに行動できるようになってほしい。
スタンピードを乗り越えた時、彼らの価値はさらに高まるだろう。
スタンピードはそのための試練であり、試金石だ。
「どちらを選ぶにしても、明日のスタンピードまで、お前たちはギルドの一員だ。時間をどう使うかは自由だが、ギルドの目的に沿わない行動をしたばあいは許さない。覚えておけ」
威圧を込めて宣言する。
全員が俺の話を聞き、顔を引き締める。
「それでは解散!」
ギルドメンバーが出かけて行く。
班ごとに出かけて行く者が多いようだ。
一緒に行動していた分、仲良くなったのだろう。
製作班の男連中が肩を組み、ニコニコしながら出かけて行く。
先頭はドワイトだ。
製作班は激務だったため、息抜きは必要だ。
内壁付近にはスタンピード直前まで開いている店がある。
多くの者はそこで酒を飲んだり、女を抱いたりするのだろう。
人族の料理人事情は知らないが、ギルドの料理班には女が多い。
彼女たちはラ・メイズ外縁にあるレストランや、工房区での買い物を楽しむようだ。
商業班の女性も何人か混ざっているようだ。
「トシゾウはん、ウチは昔の商人仲間と会ってくるわ。スタンピードを乗り切るほどの組織なら、蒐集依頼や護衛依頼がわっさわっさやで。新しい商売のタネをまく絶好の機会や。今のうちに声かけて恩売っとかんとな」
「頼もしいな、期待している。だがベル、熱心に働いてくれるのは嬉しいが、休めるときは休め。働きすぎで倒れるのは許さないぞ」
「あはは、心配してくれるんか。交渉するのは高級レストランや。エルちゃんの飯にはちっと及ばんけど、十分癒しになるから安心してや」
ベルは何人かの商業班を連れて出かけて行った。
一緒に交渉に行くのは、将来の幹部候補ということかもしれないな。
何も言わなくとも将来の布石を打ってくれる。ベルは優秀だ。
ここ数日はあっという間に過ぎて行った。
今の時間は昼。
冒険者ギルド敷地には、ギルドメンバー全員が集合していた。
「ご主人様、全員集まりました」
「うむ、シオンは俺の隣に立っていろ」
冒険者区画のテントはすべて撤去され、辺りは閑散としている。
冒険者も迷宮に潜ることを控えているため、だだっ広い敷地には兵士とギルドメンバーが残るのみだ。
兵士たちはスタンピード前に防柵を設置したり、戦闘に参加する冒険者と配置の確認をしている。
冒険者ギルドの防衛準備は、最初の二日間である程度の方針を固めていたため順調に進んだ。
そのため俺は明日に備えて全員に半休を出すことにした。
「皆、今日までよく働いてくれた。今から給料を渡す。スタンピードは明日だ。明日に備えて昼からを休日とする。各班長は受け取りに来い」
全員から歓声が上がる。
各班長が給料を分配していく。
全員に金が行き渡ったのを確認してから俺は口を開く。
「奴隷だったギルドメンバーには説明していたことだが、お前たちは現在、俺が仮に雇っている状態だ。俺はスタンピードを一つの区切りだと考えている。これからもギルドメンバーでいることを望むものは、半休後、スタンピードが始まる前に冒険者ギルドに集まれ」
ギルドメンバーは黙って話を聞いている。
「お前たちは役に立つ。戻ってくれば、同様の条件で本採用する。望まない者は戻る必要はない。咎めることはない。奴隷商人の元には話を通している。戻ればそのまま迎え入れてもらえるだろう」
俺はスタンピード時に、冒険者ギルド内に残ることを本採用の条件とした。
冒険者ギルドは、スタンピードが直撃する位置にある。
スタンピードの時は内壁の外へ避難することがラ・メイズの常識だ。
俺は、ギルドメンバーには自らの意志で働いてもらいたいと思っている。
冒険者ギルドの発展には今後も多くの困難が予想される。
冒険者ギルドを大切に思い、俺のことを信頼する者でなければ戻ることはできないだろう。
ギルドの力を、仲間の力を信じられるようになってほしい。
常識に囚われずに行動できるようになってほしい。
スタンピードを乗り越えた時、彼らの価値はさらに高まるだろう。
スタンピードはそのための試練であり、試金石だ。
「どちらを選ぶにしても、明日のスタンピードまで、お前たちはギルドの一員だ。時間をどう使うかは自由だが、ギルドの目的に沿わない行動をしたばあいは許さない。覚えておけ」
威圧を込めて宣言する。
全員が俺の話を聞き、顔を引き締める。
「それでは解散!」
ギルドメンバーが出かけて行く。
班ごとに出かけて行く者が多いようだ。
一緒に行動していた分、仲良くなったのだろう。
製作班の男連中が肩を組み、ニコニコしながら出かけて行く。
先頭はドワイトだ。
製作班は激務だったため、息抜きは必要だ。
内壁付近にはスタンピード直前まで開いている店がある。
多くの者はそこで酒を飲んだり、女を抱いたりするのだろう。
人族の料理人事情は知らないが、ギルドの料理班には女が多い。
彼女たちはラ・メイズ外縁にあるレストランや、工房区での買い物を楽しむようだ。
商業班の女性も何人か混ざっているようだ。
「トシゾウはん、ウチは昔の商人仲間と会ってくるわ。スタンピードを乗り切るほどの組織なら、蒐集依頼や護衛依頼がわっさわっさやで。新しい商売のタネをまく絶好の機会や。今のうちに声かけて恩売っとかんとな」
「頼もしいな、期待している。だがベル、熱心に働いてくれるのは嬉しいが、休めるときは休め。働きすぎで倒れるのは許さないぞ」
「あはは、心配してくれるんか。交渉するのは高級レストランや。エルちゃんの飯にはちっと及ばんけど、十分癒しになるから安心してや」
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