色々物語

未来を紡ぐ少女

座っていると、部屋の薄暗いモニターからニュースが流れてきた。

「政治家の○✕△は、少子化に伴う人手不足の解消を理由に、移民政策をさらに推進すると発表しました。
また、国際社会との関係強化を目指す動きとして注目されています。」

ミライは画面を見つめながら、ぽつりと呟いた。

「政治家の皆さんは、私たちのことを本当に考えているのかしら？」

小学生の頃に習った世界史を思い出す。
移民によって滅びた国もあったし、社会が混乱に陥った国もあった。

ある学者がこう言ったそうだ。

「歴史に学ぶこと――それこそが、未来をより良く生きるために最も大切なことだ」と。

私は移民政策に頼るよりも、自分の信じる道を進みたいと心の中で強く思った。

疲れをとるために、散歩に出かけた。
まだ学校が終わっていない時間だったから、通りには学生がいない

すると、年配の人たちの小さな集団が近づいてきた。
彼らは不思議そうに私を見ている。

「こんにちは、お嬢さん。学校はどうしたんだい？」

私は少し戸惑いながら答えた。
「ちょっと体調が悪くて、今日は休んでしまいました」

「ちゃんと学校に行きなさいよ。将来は子供を産むんだから、子供のためにも勉強は大事だよ」

私はぺこりと頭を下げて言った。
「はい、ありがとうございます」

今の時代は少子高齢化で、高齢者の数がとても多い。
私たち子供世代は、将来、その多くの高齢者を支えなければならない。

心の中で、私は思った。
「余計なお世話だ。私は子供を産むつもりはない。私には大切な相棒、ロボットのユメがいるし、やるべきことがある」

ロボット、自動化、技術革新――それが世の中を楽にする道だ。
今のままでは、どうやっても多くの高齢者を支えることはできないし、子供を産んでも彼らに重い負担をかけてしまう。
だからこそ、機械による技術革新が必要なのだ。

少子化の解決は難しいから移民政策が進められている。
だが、移民は少人数なら共に暮らせても、多くなれば互いに分かり合えない。
歴史がそれを証明している。

世界を救うのは、ロボットの力だ。
そう、これが私のノブレスオブリージュ。
私に課せられた運命――。

「頑張らないとね」

そう呟いて、私は前を向いた。