算術の秘密

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知識を奪う影

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フォーラムの会議室で、理世は資料を広げ、小さく声を漏らした。
「聞いた? 差単計算社が、1+1=2を特許申請したらしいの…」

まりは眉をひそめ、疑いの声をあげた。
「え、本当……?」

男性メンバーの一人がゆっくり頷いた。
「そうだ。差単計算社は昔からパテントトロールとして有名で、最近は特許を悪用することが増えている」

理世は資料を指さし、言葉を続ける。
「もしこれが通ったら……私たちが普段使っている算数の基本さえ、自由に使えなくなるかもしれない」

男性メンバーは補足した。
「授業での計算や日常の計算も、法的な問題になる可能性がある。つまり、数字を使うこと自体が“制限”されるんだ」

まりは言葉を失い、目を見開いた。
「そんな……数学を学ぶことまで制限されるなんて……」

理世は資料を握りしめ、低い声で続けた。
「差単計算社の怖さは、知識や学ぶ力そのものを奪おうとしていること。私たちが当然のように使ってきた数字が、突然、手の届かないものになるかもしれない」

そして理世は力を込めて言った。
「だからこそ、私たちは差単計算社を監視し、この理不尽に立ち向かわなければならない」

まりは理世の言葉に勇気をもらい、小さく頷いた。
「うん、そうだね」

ひなたが慎重に口を開く。
「でも、どうするの?」

理世は少し間を置いて、決意を込めた声で答えた。
「差単計算社の悪事を世間に公表する。公表すれば、私たちだけでなく、多くの人を巻き込める」

まりは資料を握りしめ、深く息を吸った。
「わかった……私たちの力で、算数と数学を守るんだ」

会議室に、静かだが確かな決意の空気が漂った。
窓の外の夕陽が黒い建物のガラスに反射し、不気味に光る。
これから、知識を守る戦いが始まろうとしていた。
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