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一、わたしの婚姻
晴江と「礎さん」 第五話
しおりを挟む<<あなたを愛しているんです>>
機械音声が告げた。
晴江の心臓は破裂しそうだった。この、顔のない化け物に、知性があるということが信じられない。
礎さんの触手が遠慮がちに晴江の身体に触れた。
「厭だ」、と言う選択肢は晴江にはなかった。相手がなんであれ、妻になると決めてやってきたのだ。
「……、自分で、脱ぎます」
諦観のような、静かな声で言った。
白い肢体が露わになった。
『礎さん』は何も言わず、何本かの触手を伸ばして晴江の乳房に触れる。ぴんとはりつめた肌が粘膜質の触手を押し返した。『礎さん』が豊かな乳房への愛撫を続けるうちに、晴江の身体が紅潮してくる。
乳首をこねくり回す触手に、晴江の口から吐息が漏れた。
人間の男でないとはいえ、紛れも無い性行為に晴江の胸が高鳴る。
触手が晴江の唇をなぞった。おののきながら晴江は唇を開き、そっと先端を口に含む。何の味も匂いもしない器官を舌で嘗め回した。これは、キスの代わりだろうか。触手の先端には小さな孔があるようだった。
肉塊は解けるように触手を伸ばし、若くしなやかな晴江の肉体を撫でまわす。
うちの数本が、おずおずと下腹部に伸びた。
モニタは沈黙したままだ。
何本かの触手が晴江の脚を絡めとる。やんわりとした力に促され、晴江は足を開いた。同時にゆっくりベッドに身体を預ける。
仄暗い明かりに、晴江の秘裂が照らされる。恥ずかしくなり晴江は顔を逸らした。
触手が一本、つうと濡れていないそこをなぞる。それは何度も同じ場所を往復し、そのたびに僅かずつ陰唇の狭間に先端を推し進めていった。
別の触手が陰核を押す。舌のように、柔らかい中に芯のある触手が、舐めるように花芯を刺激した。
晴江の唇から小さな喘ぎがこぼれた。
それを合図にしたかのように、直径二センチメートルほどの触手は晴江の体内にゆっくり侵入する。晴江は自分でもそこが濡れているのが判った。
ほんの僅かな異物感。触手はそのままぬるぬると奥を目指す。それが子宮口を押し上げた時、晴江は小さな圧迫感に息を吐いた。指ほどの太さの異物が最奥まで到達する未知の感覚に高揚する。
触手が抜き差しを始め、子宮口が何度も押された。
次第に水音がし始め、触手も動きを大きくした。
つい、と冷たい他の触手が小陰唇に触った。
ほぐれてきたそこにじわじわとそれが侵入していく。
「ん……っ」
晴江の体温で温まった触手とまだ冷たいそれが、晴江の中でバラバラに動き始めた。
「は……っ、あ、」
入り口と内部への刺激に加え、陰毛をかき分けて核を撫でまわす触手の感覚に晴江は知らず知らずのうちに息を荒らげている。
「んんっ、んっ、ん」
乳首と陰核、膣に対し執拗に繰り返される煽動に、晴江は少しずつ腰を動かし始めていた。
いつの間にか体内に埋め込まれた触手は三本に増やされている。くちゅくちゅと愛液が音を立て、肛門のほうに垂れていく。
「んっ、ふぅうっ、あ、あ」
触手の動きが激しくなり、奥をぐんと突かれた瞬間、晴江は達してしまった。
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