ダンジョンハンターズ(最強のダンジョンハンターになった俺は、今度は次世代の師匠になります)

rimurugeto

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――沖縄ダンジョン編――

――第1章・最強のカイタンシャ――

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――大阪ダンジョン・第一階。

石の門が現れ、白い閃光が弾けた次の瞬間、大阪の地下深くの濁った湿地へと、三人の十代の若者がまとめて落とされた。

〈侵入を検知――フロアレベル:1。参加者をスキャン中……〉

〈竹野ザリア:アフリカ系日本人。女。18歳〉

〈天川リカ:日本人。女。18歳〉

〈ハン・ジス:韓国人。男。18歳〉

ザリアは腰を鳴らしながら顔をしかめた。
「っだあ……今の落下、腰にきたわ。ここで合ってんの、ハン?」

ハンはあたりを見回す。
「たぶん。霧の沼地、ウンコ臭い水、それから今にも吐きそうなリカ。条件そろってるだろ」

リカは水面に向かって盛大に吐いた。
「もう二度とあんたらと旅行しないからね! 服が台無し!」

ザリアは地形をざっと見渡す。
「見て! あっちにトーテムがある。あれ取れば次の階のカギでしょ、間違いないって」

「その自信はどこから?」ハンが問い返す。

「カイタンシャのことは一通り勉強してるもん。さっさとあれかっさらって、とっとと抜けよ」

三人はすぐ前にかかっているギシギシ音を立てる橋に足を乗せた――その瞬間、三人の頭上にホログラムのバーが出現した。

〈フロア規則:立ち止まるな〉

「フロア規則?」リカが首をかしげる。「なにそれ、ザリア?」

ザリアは二人の腕をつかみ、そのまま橋を駆け抜ける。
「字のまんま! 止まったらアウト! 走れ!」

「それくらい見れば分かるだろ……」ハンがぼそっと付け足した。

足元の橋は、三人が走るたびにミシミシと悲鳴を上げ、留め具がひとつ、またひとつ外れていく。
三人がギリギリ向こう側へ飛び移った瞬間、橋は完全に崩れ落ちた。

「余裕余裕」ザリアが胸を張る。「あとあの谷をブランコみたいに越えれば、勝ちってわけね」

彼らの前には、底が見えない真っ暗な奈落。
その向こう側、祭壇の上に黒いトーテムがふわりと浮かんでいる。

「どうせ言うだろうけど」ハンがため息をつく。「この役目、俺なんだよな」

ザリアはコクリとうなずいた。

「一応言っとくけどね!」リカが念押しする。「あたし、高所恐怖症だから! 落ちたら、あんたたち二人まとめて訴えてやるんだから!」

「落ちないから大丈夫」ザリアが即答する。「ハンがなんとかしてくれるし?」

ハンは目をそらした。
「はいはい……」

彼が手を前に出すと、紫がかった黒いエネルギーが全身から噴き出し、掌の中にホロキューブが形成された。
「このフロアの突破口をスキャン」

[スキャン中……]

「このキューブ、もうちょい急いでくれない?」リカが不満を漏らす。「おしっこ我慢してるんだけど」

「じゃあさっきの水にしとけよ」

「絶対やだ!」

[スキャン完了。解決策を一件発見。グラップル起動]

キューブからワイヤー付きのフックが射出され、祭壇の上の木にがっちりと食い込む。
次の瞬間、キューブは柄のついたグリップへと変形した。

ハンはそれを両手で握りしめる。
「レディー、しっかりつかまれよ」

ザリアは肩をすくめ、ハンの腰に腕を回した。一方リカは爪を噛みながら震える。
「ねえ……別の方法ない? 戻るとかさ」

ザリアは片手だけリカに伸ばし、強引に腕をつかんだ。
「却下。ハン、いけ! スイング!」

ハンは躊躇なく崖から飛び出した。リカの悲鳴が上がる。

「きゃあああああ!」

三人は木の幹に激突し、そのまま地面へと転がり落ちた。
ハンのキューブは元の姿に戻り、ふわっと消える。

「……成功、ってことで」ハンがうめく。

リカは起き上がり、髪についた葉っぱを慌てて払った。
「あああ、カールが台無し! 見てよ、これ!」

ザリアは自分の髪をポンポンとはたく。
「別にうちは平気」

「アンタ、そもそもカールじゃないでしょ!」

ハンは祭壇へ近づき、トーテムをじっと観察した。
「すげ……これ、本物の黒曜石か?」

ザリアは手を伸ばす。
「知らんし興味もない。さっさと回収しよ」

ハンがその手をつかんだ。
「待て。罠かもしれないだろ」

「このフロアのゴールはトーテムでしょ? 目の前にあるのに、取らない意味が分かんないんだけど」

「とりあえずスキャンしてからでも遅くない」

「それ、第二階に上がってからにしなさい」

「いや、今やる」

「ちょっと! 口ゲンカは後にして!」

リカが二人の間に割り込み、トーテムをひったくった。
その瞬間、トーテムは黒と金のシギルへと姿を変え、宙に浮かび上がる。

〈トーテムシール取得。レベル2許可を付与〉

「ほらね?」リカは鼻で笑う。「ただのアイテムじゃん」

彼女がふと動きを止め、乱れた髪を整え始めた――その途端、部屋の明かりがふっと落ちる。

〈規則違反を検知。ペナルティを実行〉

「リカ!」ハンとザリアの声が重なった。

「ごめんってば! もうクリアしたと思ったの!」

ハンは額を押さえる。
「マジで勘弁してくれ……」

〈ペナルティ:生存。第五〇〇階へ転送中……〉

「あー……終わったかも」ザリアが青ざめる。

足元の床が門の形に変形し、三人の体はそのまま飲み込まれていった。

――大阪ダンジョン・第五〇〇階。

三人は、灼熱の溶岩海に浮かんだ溶岩岩の足場の上に叩きつけられた。

「ねえ」ザリアがぽつりと言う。「ノープランでここまで落ちてきたの、もしかしてちょっとだけミスだった?」

「“ちょっと”どころじゃないからな!」ハンとリカが同時に怒鳴る。

「ちょっと待って!」ザリアは指を突きつけた。「うちが悪いだけじゃないし! 最後に止まったのはリカでしょ? あんたが規則破ったんだから!」

「“フロアクリア後も規則は継続”って誰も説明してくれなかったからでしょ、ザリア!」

「フロアを出るまでがフロアクリアでしょ! “床”から降りるまでが“床”!」

ハンは二人の腕を引っ張った。
「ケンカはあと! たぶん、ここの“家主”起こしちゃったから」

二人が振り返ると、そこには真っ赤に煮えたぎる溶岩でできた巨大なゴーレムが立っていた。
ゴーレムは数回まばたきをし、ぐっと顔を近づけてくる。

「むぅ……なんだこれは……? 子どもか? ここまで落ちてくる子は、そう多くはないが」

ザリアは引きつった笑みを浮かべた。
「その、ですね! ちょっと道を盛大に間違えちゃった三人の高校生でして! 出口の場所、教えてもらえたり……?」

ゴーレムは体を伸ばし、ドスのきいた声で笑う。
「面白い。気に入ったぞ」

「ほんとに?」

「ああ。だから――死ね」

〈ドメインボス:溶岩のゴーレム・シャクマ。レベル:500。目標:十分間生存せよ。タイマー:10:00〉

「ですよねー」ザリアが肩を落とす。

シャクマは拳に溶岩のガントレットを纏わせ、そのまま足場へ叩きつけた。
足場全体が激しく揺れる。

〈ドメイン効果:溶岩雨。説明:ボスの攻撃ごとに、足場の上に溶岩が降り注ぐ〉

「ちょっと待って、それ聞いてない!」ザリアが叫ぶ。「そんなギミック、誰も教えてくれなかったんだけど!」

「自称“カイタンシャ大ファン”のくせに、知らないこと多いな」ハンが言う。「とりあえず、死なないことから始めようぜ!」

天井から溶岩の雨が降り注ぎ、三人はそれぞれ散開して必死に避けた。

「オッケー、新プランね!」ザリアが怒鳴る。「うちらの能力でこの足場、ぶっ壊して――」

「ムリ!」リカが遮る。「あたしたち、レベル50しかないんだよ!? しかも、あたしとハンは戦闘職ですらないし!」

「じゃあ――」ザリアは息を吸いこんだ。「時間稼ぎしかない、か」

シャクマの拳が再び振り下ろされ、ザリアはそれを飛び越える。

(ここで死ぬわけにはいかない。初ダンジョンレイドで即死亡とか、絶対イヤ)

彼女は手を突き出した。
「ジュゲン闘士:カースドスピア」

空気が一気に暗くなり、黒い雷がザリアの体から弾け飛ぶ。
雷光はうねり、一本の黒い槍となって彼女の手に収束した。

「ザリア、あれにケンカ売る気!?」ハンが叫ぶ。

「勝てるとは思ってない! でも、持久戦ならワンチャン!」

〈タイマー:8:08〉

「残り、八分か……」ハンが数字を確認する。「よし、そこまで時間稼ぐなら、とりあえず死ぬなよ!」

シャクマは手を掲げた。

〈ボスインスタンス発動:パーティ全員、移動速度-80%〉

リカは足を動かしてみて、絶望に顔を歪めた。
「なにこれ! ナマケモノ並みなんだけど! 溶岩の雨に、今度は鈍足デバフ!? このダンジョン、頭おかしい!」

ハンは再びキューブを生成する。
「キューブ、解決策をスキャン!」

その間にも、ザリアはシャクマの方へじりじりと詰め寄っていった。
ゴーレムは面白そうに彼女を見下ろす。

「逆方向に進んでいるぞ、小娘」

「うっさい」ザリアが言い返す。「黙ってこれでもくらいなさい!」

槍の穂先が伸び、シャクマの胸を斜めに裂いた。

〈ボスHP:100%→99%〉

「は? たったの一パー?」

シャクマは軽く彼女をはたき飛ばし、ザリアの体は溶岩の縁ギリギリまで滑っていく。
しかしハンが手を伸ばし、ギリギリで腕をつかんだ。

「……ふぅ、危な」ザリアが息を吐く。

「礼はあとでいいから、まずはバラバラにならずにいてくれ」

ザリアは膝をつき、口元から血を垂らした。
「いてて……一撃でこれかよ」

〈タイマー:7:01〉

リカはザリアの背中にそっと手を当てる。
「これ使うと、寿命がちょーっと縮むんだけど……今は仕方ないでしょ」

「やめ――リカ、治癒使うな――!」

リカの体から渦巻くような暗いエネルギーが溢れ、ザリアの体を紫の光が包み込む。
光が収まると、ザリアはすっと立ち上がり、手を握ったり開いたりして感覚を確かめた。

「うわ、本当に楽になってる」

「でしょ? あたしって優秀」

「で、寿命どれくらい持ってかれた?」

「さあ? 半年?」

「はああああ!? 半年!?」

「ヒールってタダじゃないんだってば!」

そのころ、ハンのキューブは足場をスキャンし、情報を表示する。

[スキャン完了。解決策:0件]

「はあ? ポンコツめ! もう一回!」

シャクマは足場の片側を叩きつけ、一部を持ち上げる。
反対側はじわじわと溶岩に沈み込み始めた。

「いやいやいやいや!」リカが悲鳴を上げる。「このままだと、まじで丸焼きになっちゃうんだけど!?」

ザリアは槍を地面に突き立てた。
「つかまれ!」

リカがザリアの手をつかみ、ハンがリカの腕をつかむ。
その頭上から、さらなる溶岩の雨が流れ落ちてきた。

「止まってたら焼かれる!」ハンが言う。「下からでも上からでも、立ち止まったら終わりだ!」

〈タイマー:5:59〉

「大丈夫大丈夫!」ザリアが強気に笑う。「これ、ゲームと一緒でしょ? あいつ、連続攻撃はできないはず。クールダウンが――」

シャクマは低く笑い、三人の背筋を凍らせる。
「ようこそ、“現実”へ」

ゴーレムは足場を思い切り蹴りつけた。
足場は溶岩の海をスケートのように滑り、その上で三人は悲鳴を上げる。

「ごめん! ゲームじゃなかった! 絶対ゲームじゃない!」

「今さら気づいたのか?」ハンが毒づく。「喋るゴーレムに、鈍足デバフに、足元のグツグツ煮えたぎる溶岩のどれで気づくべきだった?」

「全部に決まってるでしょ!」

しばらく滑ったあと、足場の速度は落ち、シャクマがゆっくりと彼らに歩み寄ってくる。

「遊びは終わりだ。そろそろ腹ごしらえといこうか」

〈デバフ解除。移動速度:上昇〉

シャクマが足場を真っ二つに叩き割る。
ハンとリカは片方の足場に、ザリアはもう片方に、きれいに分断されてしまった。

「ザリア!」ハンが叫ぶ。「無事か!」

「生きてる!」ザリアが叫び返す。

「すぐ死ぬがな」シャクマが冷酷に告げる。「まずはお前からだ」

拳が振り上げられると同時に、ザリアは再び胸元を切りつけた。

〈HP:99%→98%〉

「ちょっと、マジで勘弁して」

ザリアは槍を握り直し、何度も何度も斬りつける。

〈HP:98%→97%→96%→95%〉

「あああああ、ホントに減らない!」

シャクマはザリアの足首をつかみ、逆さまに持ち上げた。
「元気がいいな……大抵の女はこうなると悲鳴を上げるものだが」

「うちは“元気な女”だからね」ザリアが言い返す。「さっさと地面に戻せ、このクソ岩野郎!」

「いい考えがある」シャクマがニヤリとする。「我の腹の中で眠るというのはどうだ?」

ザリアの槍が伸び、シャクマの顔面を切り裂く。

〈HP:95%→94%〉

「キューブ!」ハンが怒鳴る。「ちゃんとしたスキャンしろ!」

キューブは再び光を放ち、シャクマの足元からドメイン全体までスキャンした。

[解決策を一件発見。トラップワイヤーを展開]

キューブは鋭いワイヤーへと変形し、ドメイン全体を横切るように伸びてシャクマの足に絡みつく。
巨体は前につんのめり、ザリアはその手から放り出された。
彼女はとっさに槍を地面に突き立て、その反動で衝撃を殺す。

「ちょっと!」ザリアが怒鳴る。「うちが掴まれてる時に転ばせないでよ!」

「助けたんだから、“ありがとう”でしょ!」

〈HP:94%→90%〉

〈タイマー:3:59〉

リカは手に持ったシギルを見上げた。
「ねえ、このシギル……なんか光ってない?」

ハンが目を細める。
「確かに。さっきまであんな光り方してなかった」

シギルはふわりと宙に浮かび、新たな表示が現れた。

〈シギル能力:チャージ完了〉

「シギル能力?」リカが繰り返す。「ハン、それって何?」

「初耳だ」ハンは眉をひそめた。「説明しろ」

〈シギル能力:召喚。説明:ランダムな味方を現在位置に召喚する。タッチで発動。残り使用回数:1〉

「使う?」リカが悩む。「弱っちいのが来たらどうするの?」

「ゼロよりマシだろ!」ハンはシギルに手を伸ばした。「頼むから当たりを引かせてくれ!」

〈シギル:起動。召喚を開始……対象を検索中〉

「対象?」ザリアが首をかしげる。

〈対象:オマリロ・ニュガワ〉

三人の目が同時に見開かれる。
その背後で、シャクマがゆっくりと立ち上がった。

「味方を呼んだところで」シャクマが嘲る。「運命は変わらんぞ」

〈対象:転送完了〉

彼らの頭上に石の門が開き、その中から、ひとつのキッチンテーブルが落ちてきた。
テーブルに座っているのは、ローブ姿でコーヒーをすすっている、髪を長いドレッドで覆った小柄な黒人の老人。

テーブルがザリア側の足場にドスンと落ち、ザリアはその姿を見て腰を抜かしそうになった。

「うそ……」

オマリロはコーヒーを置き、ようやく周囲を見回す。
「家じゃない。なぜ」

シャクマは彼を一瞥すると、盛大に笑った。
「お前たちの援軍は、そのヨボヨボのジジイか? ハハハ! まあいい、年寄りだからといって手加減はせん。まとめて死ね」

シャクマは巨大な掌でテーブルごと老人を叩き潰した。
「見ろ――」

しかし次の瞬間、オマリロはシャクマの肩の上に立ち、平然とコーヒーをすすっていた。

「ダンジョン。お前、ダンジョンボス」

「な、いつの間に――?」

オマリロは片手で軽く払い落とすようにシャクマを叩いた。
その一撃で、ゴーレムの巨体は遠くの溶岩へ吹き飛び、オマリロはふわりと足場へと着地する。

〈HP:90%→12%〉

三人の口は、同時にぽかんと開いたまま閉じなくなった。
オマリロは、熱で燃え始めたテーブルを見下ろし、眉をひそめる。

「高かった。買い直すの、金かかる」

「ぐおおおおお!」

背後で、シャクマが立ち上がる。
溶岩の鎧をまとい、全身から炎を噴き上げていた。

〈ボス第二形態:耐久力+150%、攻撃力+200%〉

「今度こそ、死ね、ジジイ!」シャクマが吠える。

ゴーレムは巨大なウォーハンマーを顕現させ、それをオマリロ目がけて振り下ろした――が、オマリロは片手で軽く受け止めた。

「ありえん……!」

「腰、痛い」オマリロがぼそりと言う。「家に帰る。ジュゲン滅者:オブリタレイト」

彼が両手を打ち鳴らした瞬間、強烈なエネルギーの波が周囲に広がり、シャクマの体を跡形もなく消し飛ばした。

〈HP:12%→0%〉

〈タイマー:0:59〉

「信じられない……」リカが呟く。

「現実感ない……!」ハンも叫んだ。

ザリアは勢いよく立ち上がり、目を輝かせる。
「す、すみません! あなた、本物ですよね!? 伝説のカイタンシャ、オマリロ・ニュガワさん!」

オマリロは彼女の方へゆっくりと歩み寄り、間近まで来ると、無言でその頭をわしっとつかんだ。

「愚かな子ども。ダンジョン、安全じゃない。家に帰れ」

〈タイマー:0:00〉

石の門が開く。

〈チャレンジ完了。出口を解放〉

オマリロは振り返りもせず、暗いエネルギーで橋を作り出し、そのまま門へ向かって歩いていく。

「待って――!」ザリアが手を伸ばす。

だが、彼は何も言わずに門の中へと消えた。

「はあ……」ザリアは肩を落とす。「伝説の本人なのに、うちらなんか、相手にもしてくんない……」

「でも、戦うところはちゃんと見れたじゃん!」リカが言う。「噂通り、いや噂以上の人だよ!」

「まだ外にいるかも」ハンが提案する。「急げば追いつける!」

三人は立ち上がり、オマリロの作った橋を使って門の向こう側へと駆け抜けた。

――日本・大阪。

「動くな! お前たち三人を逮捕する!」

門を抜けた瞬間、彼らは街中の道路へと放り出された。
周囲を取り囲むのは、スーツ姿のエージェントたち。
全員、銃口を三人へと向けている。

「……逮捕?」ザリアが聞き返す。「なんで?」

一人のエージェントが前に出た。
「違法フロア探索の容疑だ。お前たちは未登録。ライセンスなしでダンジョンを探索する行為は、厳しく禁じられている。その件について、カイタンシャ社本部で事情を聞かせてもらう。ディレクター自ら、直に裁きを下される」

そして三人は、そのまま拘束されていった。

——
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