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壊れた脳
何気ない日常で出会う1人の女性と既婚彼との話
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何気なく仕事をしていたある日のこと。ようやく仕事にも社会にも慣れてきた彼女は、いつも通り業務をこなしていた。定時に近づく時間帯に、転勤でやってきた1人の男性。彼を見るなり、彼女は凍りつく。どストライクだったからだ。見た目も声のトーンも居心地のいい。まるで夢の中にいるような感覚。そこから彼の事を特別視して見るようになった。一緒に仕事をするにつれて、言葉の選び方や働く姿勢、彼のキャラクターに惚れ、今までに抱いたことの無い感覚に陥る。だが、彼には家庭がある。妻がいる。子供がいる。現実問題セーブしなければならないというか、諦めないと行けない相手。だが、そんなある日、彼に飲み会に誘われる。夢のような時間をすごし、飲み会を終えてからも彼に惹かれていくばかり。嫌いになる要素がなかった。むしろ、酷く彼に惹かれていった。その日女性は彼と関係をもった。何かの間違い。私なんて相手にされるわけがない。そんなことを思っていたが、ズルズル関係は続き1年程関係をもった。初めは体からの関係。だが、そんな体の関係がなくなっても彼は女性を手放す事はなかった。時には仕事の愚痴を話、時には家庭の愚痴を話す。どんな関係なのかハッキリさせたい女性は何度も自分の立ち位置を確認するが曖昧な返しばかり。それでもよかった。彼といられたら。一般的な不倫の話かもしれない、だけど、自分と彼との関係は特別な関係、そう思いたかった。家庭での居場所がない、妻に毎日小言を言われる、自分が悪いのは分かっている、だけれど、居場所がないから帰りたくない。そんな弱ってる彼をみて、離婚して欲しいと心の声が漏れてしまった。こんなにも彼のことを幸せにする自信しかない私と一緒にいた方が絶対的に幸せである。彼の仕事の事情も分かってあげられるし、こんなにも愛しいと思える存在に出会えたのは初めてだから。だが、彼は離婚という話を聞いた途端顔色を変えた。離婚して欲しいと思うなら関係は続けられない。子供のこともある、世間体もある、そんな簡単には離婚なんてできないんだと。彼と離れるくらいなら自分の気持ちを犠牲にしてでも一緒にいる選択肢しかなかった。そこから時間が進み1年が経つ。気づいたら同棲をしていた。彼は単身赴任だったため、衣食住を共にした1年も経つと体の関係はもちろんなくなる。だが、それ以上に二人の関係性は良かった。スキンシップはしてくれる。大切にされている感じはする。そんな幸せな生活にもタイムリミットが訪れる。彼の転勤が決まったのだ。毎日がタイムリミット。転勤の日が近づくにつれていてもたっても居られない気持ちになる。毎日もがいた。毎日泣いた。けれど現実はそう甘くない。仕事が続き彼は帰ってこない日もあった。それでも待ち続けた。都合のいい関係?それでもいい。彼と一緒に居られるならなんだっていい。そう思いながら引越しの準備をし、気づいたら転勤先へ着いてきてしまっていた。なにしてるんだろう。何度も思ったが、後悔などしていない。むしろこの関係に後悔したことなど1度もない。彼と出会ってから毎日が充実していた。こんなにも人を好きになることがあるなんて。こんなにも愛しいと思える人に出会えることがあるなんて、想像もしていなかった。傍から見たらタダの不倫関係の二人かもしれない。けど、自分の中では違う。そう思いながらどんどん脳は麻痺していく。
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