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第16話 父親 3
しおりを挟むもし、ひっそりとした解消であれば、私はそのまま第三王子の後ろ盾となろうと思っていた。
人の心は変わるものだし、情勢が変わればいたしかたない時もある。
だが、卒業パーティーとはいえ、人前で娘が貶められたのだ。
私は爵位を返上し、娘と共に領地へ引っ込む事にした。
王も流石に息子の暴挙を許すとは言わなかった。
残念だが、王太子は上二人の王子のどちらかにすることになった。
そんな事を話しあっていると、第三王子が帰って来たと告げられた。
事情を聞こうと謁見室で待っていると、第三王子は一人の女学生を連れて現れた。
これが、噂の女だとすぐに分かった。
娘を苦しめる女……そう怒りが湧いた。
湧いたはずなのに、後は覚えていない。
目が覚める、そんな気分だった。
謁見室で、たくさんの男がいた。
部屋の中央に、王家の秘宝があった。
その前には美しい銀髪の娘。
――――聖女
紹介もされなかったが、何故かそう理解した。
同時に第三王子に胸倉を掴まれた。
問われて、思い出した。
娘の泣き顔を。
娘を家から追い出した事を―――――
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