短編集

みなせ

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短編

人生二度目の女

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 はじめまして、同じ人生二度目の女・ロザリア・サーティスです。
 肩書は、侯爵令嬢でございます。
 一度目の人生は、この国の第一王子、ルーベル・ブルクハウセンの婚約者として生き、あと少しで結婚というところで、婚約破棄と断罪のコンボで修道院へ入れられたあげく、毒殺という信じられないような悲劇に見舞われた生涯でした。

 間違っても繰り返したくない人生ですが、何故か生まれた時から私がロザリア・サーティスであると刷り込まれていましたので、特に戸惑いもなく過ごしています。
 もちろん、不満はありますが。

 まあそれでも、前回の記憶がしっかり残っておりますので、前回出来なかったことをやってみたりして、新しい自分発見を目標に自由に生きています。
 と言いますのも、私の両親は政略結婚で、びっくりするほど仲が悪く、私が物心ついた時には、母は実家に戻っていましたし、父は王都の屋敷に愛人と住んでいるという状態で、私は一人王都から遠く離れた領地で使用人たちに育てられました。
 ですので、前回も自由でしたが、今回はもっと自由に生きさせていただいています。

 そうして自由に生きて、もうすぐ十五歳です。
 十五歳といえば、第一王子、ルーベル・ブルクハウセンと婚約させられる時期なのです。
 まったく面倒な話です。
 私的にはこのまま社交界とは縁のない生活をしたいと思っていますが、王子と年齢的にあう女性が少ないという理由で、私も顔合わせという名のお見合いに参加させられるのです。
 お見合いといいましても、完全な出来レースです。
 最初から、私が王子の婚約者に選ばれるのは決まっています。

 それというのも、この国の現王と王妃は、恋愛小説のような大恋愛の末の結婚でした。
 その時、現王に婚約者がいたおかげで、現王と王妃の間が縮まったというのです。
 子供たちにも燃え上がるような恋愛をしてもらいたい、そのためには、そうだ!あて馬を用意しよう! となったようです。


 まったく くそ ですね。


 そのためには、身分的にもちょうど良く、婚約破棄されても問題ない―――両親の関心がない令嬢を選ぶ必要がありました。
 それが私、ロザリア・サーティスでした。

 何故こんなことを知っているかというと、前回毒殺される前に修道院へ慰問に訪れた王妃本人にそう教えられたからです。
 なんて言いますか、いくらなんでもこの扱いはちょっとひどいと思いません?
 自分たちの都合で、かよわい(?)少女の人生をつぶすのですから!
 というわけで、全く望んでいない二度目の人生ですが、今回の人生、私も楽しく過ごすため少し頑張ってみようと思っています。








 十五歳の誕生日を迎えまして、私、例の王家のお茶会へと参加いたしました。
 前回同様、お茶会ではご挨拶以外特になんのアクションもありません。
 ですが、お茶会が終わってすぐ、婚約の打診がちゃんときました。
 こちらも変わりなく父や義母や義弟が驚きと喜びで舞い踊っています。
 私は一応、

「田舎者の私には荷が重すぎます。どうかお断りください」

 と言ってみましたが、当然却下です。
 想定の範囲内ですので、今度は、

「では、せっかくですので、お礼がてら承諾のお返事をしに行ってまいりますわ!」

 と、父の制止を野生児の力で振り切って、王宮に殴りこみ……、いえ、お礼まいり……、いえ、ご挨拶に参上しました。
 私の来襲に、陛下と王妃がそれはそれは丁寧に対応してくださいました。
 小娘一人ですから、謁見室ではなくちょっとした応接室に通され、堅苦しい挨拶をしました。
 前回の王妃教育がここで役に立ちました。
 私もお二人も席に着き、お茶とお菓子がふるまわれました。
 前回は王家からの招待がない限り、こちらから何かをすることはなかったので、この対応が良いのか悪いのか判断がつきかねますが、これは好印象でしたわ。
 まあ、まだ婚約が成立していません。印象を悪くして断られるのは困るのでしょう、と私は思いました。

「お返事を差し上げる前に、出来れば殿下にもご挨拶したいのですが」

 にこにこしながらそう申しますと、お二人は顔を見合わせます。
 そう言えば前回もあまりルーベル・ブルクハウセンとは接点がありませんでした。
 私の想像ですが、きっとそうすることで私とルーベル・ブルクハウセンとの間に確執を生もうとしていたのでしょう。
 ですが流石に、今ここで婚約者候補からの申し出を断るわけにはいきません。彼らはすぐルーベル・ブルクハウセンを呼んでくださいました。

「お前なんかと俺は結婚などしないからな!」

 ルーベル・ブルクハウセンは入ってくるなり、私を指差し凶悪な瞳で睨みつけました。
 前言撤回です。
 私も大概の野生児でしたが、きっとこれを見せたくなかったのですね。
 前回この状態でしたら、私間違いなくルーベル・ブルクハウセンの首根っこをつかんでテーブルに沈めていました。まあ、前回は野生児ではありましたが、今より行動は女性らしかったので、そんなことは出来なかったと思いますが……
 ルーベル・ブルクハウセンの言葉に、あわあわする陛下と王妃。
 私もとりあえずルーベル・ブルクハウセンを睨みつけてみます。

「この婚約、殿下は反対なのでしょうか?」

 私は寂しそうな顔をつくって陛下を見ました。
 陛下は、助けを求めるように王妃を見ます。
 顔をひくつかせた王妃が口を開くより先に、ルーベル・ブルクハウセンが大きく頷きました。

「ああ、そうだ。俺はお前なんかと婚約したくない!」
「同感ですわ! 私もお前なんかと婚約も結婚もしたくありません!」

 ルーベル・ブルクハウセンが言うと同時に、私は立ち上がりルーベル・ブルクハウセンを指差して叫びました。
 すみません、条件反射です。
 しかし、日々発声を練習していたかいがありました。
 陛下、王妃、そしてルーベル・ブルクハウセンが口をポカンと開けています。
 扉の外に控えていた護衛騎士が、慌てた様子で扉を開けました。

「なんでもない、大丈夫だ」

 陛下が、走り寄ろうとした騎士をそう言って止めました。
 私は咳払いをして椅子に座り直します。
 さて、どこから話を進めたらいいでしょう?

「私、先日初めて劇場で観劇というものをしたのですが、そこで上演されておりましたのが陛下と王妃、お二人の物語でした」

 嘘です。私は本を読んだだけです。
 劇があるのを知っているのは一度目のとき、それを見た侍女たちが噂しているのを聞いただけです。
 美化されすぎのひどい話だと言われていました。
 ですがここは演技力です。
 私はことさらキラキラした目を作りお二人を見つめました。

「あらゆる障害を乗り越え愛を貫くお二人のお話に、私とても感動いたしました! そうして思ったのです」

 そこで、一度言葉を止め、両手を組み、祈るようにして天を見つめます。

「私も物語のような素敵な恋をしてみたい、と!」
「まぁ!」

 王妃が私の言葉に、感極まった声をあげました。
 どうやら賛同してくださったようです。
 立ち上がってそばに来ると、私の手を握ってくださいました。

「そうよね、恋愛は素敵よね!」
「王妃様!」

 私をあて馬にしようとしている人とは思えない言葉です。
 私はコメカミとオクバに力が入るのを感じましたが、王妃の手を強く握ることでこらえました。

「まてまて、マリアよ。恋愛は大切だが、ルーベルの嫁となる者は、やがては王妃になるかもしれない者だ。どこの馬の骨ともしれない女では困るのだ」

 マリアというのは、王妃のお名前です。
 言いたくありませんが、私も王妃も充分馬の骨だと思いますよ?
 だからこそ、私をあて馬に選んだのでしょう?

「あら、陛下。今の言葉は聞き捨てなりませんね。私だって元はといえば平民。それが今は王妃です。伴侶の愛があれば、身分などどうとでもなりますわ!」
「マリア、この婚約は……」

 陛下が口ごもりました。
 言いたいことは分かります。ご子息はとんだ猿野郎……、いえお二人にたいへん良く似てらっしゃいます。前世ではお二人の物語のように、婚約者がいるにもかかわらず、とある令嬢とそういう関係になり、私に見事なコンボを与えてくれました。
 お二人の思惑通りに!

「あの、そのことなのですが」

 私はおずおずとした風を装って、陛下と王妃の間に割って入りました。

「私、この婚約のお話をいただいた時、一生懸命考えたのです。私もですが、お二人のような素敵な恋愛をご覧になっている殿下も、きっと恋愛結婚をしたいと考えているのではないかと」

 私はそう言ってルーベル・ブルクハウセンを見ます。
 ルーベル・ブルクハウセンは、目を見張ったまま首を大きく縦に振っています。
 私はそれに頷きます。

「それで、陛下、私と殿下に少しの間、猶予を与えていただけませんか?」
「猶予、とな?」
「はい。私たちは今年から学園に通います。出来ることなら、学園に通う三年間、お相手を探す時間としてほしいのです」
「それは……」

 お二人はそこまで聞いて当初の目的を思い出したようです。
 ですがここで引くわけにはいきません。

「学園はもともと一定の学力、魔力、マナー力を持つ者のみ入学が許可されています。殿下のお相手として、学園を優秀な成績で卒業できる者ならだれでも王妃様のようになれる筈です。私が婚約者になるより、殿下とすべての女学生平等に触れ合うことで、殿下も本当の愛を見つけやすいのではないでしょうか?」
「駄目よ! それじゃ、メインイベントが盛り上がらないわ」

 王妃が突然叫びました。

「イベント?」

 陛下とルーベル・ブルクハウセン、私は王妃を見ました。
 王妃は、はっとしたように口を手でふさぎました。
 私は前世を思いおこしました。
 卒業式の日、ルーベル・ブルクハウセンが、一人の女子学生を傍らに私を指差し、婚約破棄を叫んだことを。
 王妃の言うイベントとはあのことでしょう。
 陛下と王妃の物語の最終場面は、私が前世受けたあの婚約破棄と同じなのです。
 私の読んだ本も、そのシーンにはかなりのページが割かれていました。

「王妃様。大丈夫です。卒業式の日には、殿下に意中の方へのプロポーズをしていただきます。お相手がそれを受け入れるよう、全校生徒に祝福されるよう、在学中は殿下に頑張っていただくのです。あんな下品な“イベント”より、もっとずっと素敵なものになるはずです」

 さらっと本音が出てしまいましたが、お二人には私の言わんとすることが伝わったようです。
 私は誰にもあんな胸糞の悪い気持ちになってほしくありません。
 私はもう一度ルーベル・ブルクハウセンに目を向けました。

「殿下には窮屈かも知れませんが、お相手は学園に通う者から選んでいただくということにし、もし、卒業までにお互い運命のお相手が見つからなければ、私もですが、殿下もあきらめて、二人でプロポーズイベントをいたしましょう。その時は私、大変不本意ですが、決して殿下を振ったりいたしません。殿下も覚悟を決めて、私にプロポーズしてくださいませ」

 ルーベル・ブルクハウセンも私を見つめています。
 その目は、私の真意を見ようとしているように真摯なものでした。

「お前は俺を、好きじゃないのか」

 ルーベル・ブルクハウセンは、小さな声でそう尋ねてきました。
 私はわざと驚いた顔をしてみせました。

「私、先日まで領地におりましたので、殿下とはお茶会が初対面ですわ。そして、あの日も長時間並んだ末にお目にかかったのは“ごきげんよう”と申し上げた時間のみ。お顔も拝見することはかないませんでした。一目ぼれしたと言うにも無理がございます。今こうしてお顔やお人柄の一端を拝見しても、好意を持つというには程遠いと思いますわ」
「……そうだな」

 ルーベル・ブルクハウセンは、さきほどのご自分の行動を思い出されたのでしょうか。納得したように頷くと、小さな声で

「俺は母上に、お前が俺を好きだから婚約者にしたと聞いた」

 うつむきがちにルーベル・ブルクハウセンが言いました。
 その言葉に、王妃はそわそわしています。
 何故か陛下は無表情になってしまいました。

「父上と母上の物語をずっと聞いてきたから、俺もきっといつか運命の人と出会い結婚したいと思っていた。だから、俺はお前を知らないのに、婚約なんて嫌だったんだ」

 ルーベル・ブルクハウセンの独白は続いています。
 正直、ルーベル・ブルクハウセンの気持ちなどどうでもいいです。
 言えることなら、お前がしっかりしないから、私が迷惑を被ったんだ、無駄に十八年プラスαをすごさなければならなかったと殴り倒したい気分です。
 不敬罪になってしまうので、しませんが。
 陛下と王妃は、ルーベル・ブルクハウセンの話を真剣に聞いています。
 親子というものは、こういうものなのでしょうか?
 私には親というものがありませんので、このような場面を見ると何故か無性にイライラしてくるのです。
 ですが、空気を読んでいる暇はありません。見たくないモノは見ない方がいいのです。
 私は立ち上がり、親子会談をしている方たちに声をかけました。

「あの、皆さま、私そろそろお暇したいのですが、よろしいでしょうか?」

 三人の目が、思い出したように私に集まります。

「あぁ、今日はわざわざすまなかった。この話については、また近いうちに使いを出そう。それでいいだろうか?」

 陛下がそう頭を下げました。本来なら、恐縮しなければならないのでしょうが、この人たちが私にしたこと(すること)を考えれば、陛下が頭を下げるのは当たり前です。
 私はあいまいな笑顔を張り付け、部屋を後にしました。








 王宮へご挨拶に行ってから、ちょうど一週間後、私はまた王宮に呼ばれました。
 応接室には、陛下とルーベル・ブルクハウセンのお二人がいらっしゃいました。

「貴方のおかげで、あれからマリアとも、ルーベルともよく話し合うことができた。ありがとう。そして、私たち親子の問題に巻き込んでしまってすまなかった」

 陛下はそう私に頭を下げてくださいました。

「サーティス嬢の言うように、婚約については学園にいる間を猶予期間にすることにしようと思う。ルーベルもサーティス嬢も節度を持ってお相手を探すよう」
「そのことですが、私は隣国の魔法学園へ留学したいと思っています」
「え?」

 私の言葉にルーベル・ブルクハウセンが驚いたような顔をします。

「殿下が“運命”の相手を探されるなら、私が同じ学園内にいない方が“自由”に行動できると思うのです。私も私で、私の“運命”の相手を“自由”に探したいのです」
「そうだな」

 陛下はそう簡単に頷きました。

「近くに婚約者候補はいない方がいいかもしれないな」
「父上!?」

 ルーベル・ブルクハウセンが悲痛な声で叫びます。
 さっきから何なんでしょう? 私のことなど気にする必要はないでしょうに。
 貴方には王妃に良く似たかわいらしい“運命”の相手が現れるのですから。

「サーティス嬢は、私とマリアの物語に感動したと言ってくれたが、私はマリアを妻にしたことで、国にも側近たちにも苦労をかけてしまった」

 おや、陛下のお話はまだ続くようです。

「だが一番に迷惑をかけたのは、婚約者の女性だった。
私がマリアと出会った時は、父に決められた婚約者と結婚することに反抗し、婚約者に近付くこともなかった。
ルーベルのように、父や母に婚約者を押しつけられたと思っていた。
良く考えれば、婚約者の方が押しつけられた婚約だったと分かる筈なのに。
それなのに私は婚約者が私を好きで、マリアや私にただ文句を言っている、嫉妬していると思っていた。
彼女は親や教師たちに言われたのもあるだろうが、私たちのことを思って言ってくれていたのに。
他国の王妃たちと交流を持つようになって初めて、私もマリアも婚約者が言っていることの真意に気がついた。
他国の幼いころから選ばれ育てられた王妃たちと、マリアの違いを。
そして何故、私の父が私に早くから婚約者を決めたのかも、その時になってようやく理解した」

 陛下はそう哀しそうな顔をしました。
 私は正直、陛下の気持ちなんてどうでもいいのです。
 そんな懺悔は、陛下の婚約者様に言ってくださいってもんです。

「私はルーベルには私やマリアと同じような苦労をさせたくなかった。だからルーベルの気持ちを考えず、マリアに言われるまま婚約者を決めようとしてしまった。
サーティス嬢が言ってくれなければ、私も父と同じ過ちを犯すところだった」

 ああ、王妃がここにいないのは、私が選ばれた理由を、陛下のお気持ちということにしたいのですね。いえ、たぶん陛下の言葉は陛下の嘘偽りないお気持ちなんでしょう。
 王妃とはお考えが違うようですが、王妃が何をしようとしていたのかは、もうご存じなのでしょう。
 私も、あの前世の記憶がなければ、きっと陛下の理由を受け入れたでしょう。
 ですが、私は知っています。
 陛下と、王妃と、ルーベル・ブルクハウセンとその“運命”の相手が、私に何をしたかを。

「サーティス嬢、本当にすまなかった。そして、ありがとう」

 陛下がもう一度頭を下げました。
 ルーベル・ブルクハウセンも無言で陛下を見ています。
 どれほど時間が立ったでしょうか?
 私は、長い時間我慢してその後頭部を見続けました。
 そして、なんとか荒れ狂う感情を押し込めました。

「陛下、頭を上げてください」

 自分でも驚くほど、低い声が出てしまいました。
 陛下と、ルーベル・ブルクハウセンが私を見ました。

「陛下、私を隣国の魔法学園へ留学させていただけますね?」

 私は絞り出すように、そう言いました。
 陛下は、不思議そうな顔で私を見ています。
 本来なら、許すとか受け入れるとか言わなければならない所です。
 ですが、今は言えません。
 ここにいる陛下やルーベル・ブルクハウセンが、私をあんな目にあわせたわけではありません。
 彼らは私がここにこなければ、自分たちがこれから私にどんなことをするのか知りません。
 ですが、私は、どんなに陛下からいいわけを聞いても、彼らを許せないのです。
 陛下のいいわけも、陛下がルーベル・ブルクハウセンをどんなに大事に思っているかも、私があんな目にあったこととは何も関係がないことなのです。
 私は陛下を見つめました。もしかしたら睨んでいたかも知れません。

「……サーティス嬢の思う通りにしよう」

 陛下は私から何かを感じ取ったのでしょうか?
 そう言って、私にもう一度頭を下げました。








 こうして、私はルーベル・ブルクハウセンとの婚約を延期し、隣国の魔法学園へと留学することになりました。
 父や義母や義弟が何か言っていましたが、王家の指示だと言うと黙りました。
 学園の費用も王家持ちでしたが、父には言っていません。
 父は私に家族愛はくれませんが、お金はくれるので遠慮なくいただいています。
 この後一人で生きていくとすればお金はいくらあっても良いものですからね。

 ただ、留学予定の魔法学園は男女共学の筈だったのに、何故か女子だけの学園だったことは納得がいきません。
 これでは、私の“運命”の相手が見つからないではないですか。
 それに、何故かルーベル・ブルクハウセンから毎週のように手紙や贈りものが届くのも迷惑です。
 彼は一体何をしたいのでしょう?
 もうルーベル・ブルクハウセンの前には、“運命”の相手が現れている筈なんですが。



 本当に、不思議ですね。

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