2 / 2
2.真実とは
しおりを挟む
「殿下!」
「貴様、殿下に毒を飲ませたのか!」
あら、殿下の護衛とはいえ仮にも公爵令嬢に向かって、その態度は無いのではなくて。
「ううっ……」
苦しそうな殿下。もうすぐ楽になりますからね。
これで殿下はわたくしのものです。
わたくしの体にも変化が。
まばゆい光を放つ。
まあ光るだけなのですけれど。
「こ、これは? どういうことだ?」
殿下は自分の体を見ながら不思議そうに呟く。
「殿下! わたくしを欺けるとお思いでしたか?」
「ど、どういう事だ?」
「殿下があの娘に気持ちが無い事ぐらい直ぐに分かりました」
「!?」
殿下のタイプは守りたくなる女性では無く共に歩いて行ける相手。
そう、わたくしの様な女性であると分かっていますから。
「わたくしを遠ざけるため。今後わたくしが結婚しやすい様に、わざと悪役を演じてくださったのではないでしょうか?」
王太子が自らの都合で公爵令嬢との婚約を破棄した。
そうなればわたくしには非はない。
むしろ勝手な都合で婚約破棄された可哀想な女性と周りには映る。
そういう配慮の下だったのだろう。
そう決してわたくしの事が嫌いになったという事では無いはず。
では、何故そのような事をしたのでしょうか。
「殿下の体調が優れないのは薄々感じていました」
「!?」
「それが治らないものであるという事も」
「き、気付いていたのか……」
殿下の顔が申し訳なさそうに歪む。
「わたくしを心配させない様にと隠しておられたのですね」
「すまぬ、君に心配を掛けたくなかったのだ」
色々と苦悩があったのでしょう。
「殿下に飲んでいただいた果実酒に毒は入ってはおりません」
「そうか……」
殿下は複雑そうな顔をする。
「むしろ毒でも良かったのだがな。君の前で最後を迎えられるのならば……」
「殿下に飲んでいただいたものは薬です」
「薬?」
「はい。わたくしの父が持たせてくれた秘伝の薬です」
もしもの時の為に肌身離さず持っていろと言われていた。
健常者が飲んでも身体が光るだけだけれど。
「ま、まさか」
「はい。殿下のご病気は治っているばずです」
「そんな事が。しかし……宮廷医師たちを呼べ!」
王家でも手に入らない薬をわたくしの父が持っているのも不思議ではあるけれど父には感謝したい。
その後、殿下を診た宮廷医師たちは驚き、信じられないと騒いでいた。
「間違いありません。殿下の体調は完全に快復されました!」
宮廷医師たちの結論は出た様だ。
効果があって良かった。
「殿下、ご快復おめでとうございます」
わたくしは満面の笑みで気持ちを伝える。
「ああ、ありがとう君のお陰だ」
「いえ、お元気になられて良かったですわ」
顔色も良いのでもう大丈夫だろう。
「我々も感謝を。疑って申し訳ありませんでした」
護衛の人達も謝ってきた。
「いえ、お気になさらず。護衛として主を思うのは当然の事です」
護衛達はわたくしに跪く。
「ご配慮感謝いたします。殿下の事をこれからもよろしくお願いいたします」
「はい」
殿下の事を一番分かっているのも一番愛しているのも、わたくしだと自負しております。
「アイラ、これからも私を支えて欲しい。私の妃は君しかいない。結婚してくれ」
「ふふ、もちろんですわ殿下。わたくしは殿下の婚約者なのですから」
わたくしは殿下の愛と家臣の信頼を手に入れた。
「貴様、殿下に毒を飲ませたのか!」
あら、殿下の護衛とはいえ仮にも公爵令嬢に向かって、その態度は無いのではなくて。
「ううっ……」
苦しそうな殿下。もうすぐ楽になりますからね。
これで殿下はわたくしのものです。
わたくしの体にも変化が。
まばゆい光を放つ。
まあ光るだけなのですけれど。
「こ、これは? どういうことだ?」
殿下は自分の体を見ながら不思議そうに呟く。
「殿下! わたくしを欺けるとお思いでしたか?」
「ど、どういう事だ?」
「殿下があの娘に気持ちが無い事ぐらい直ぐに分かりました」
「!?」
殿下のタイプは守りたくなる女性では無く共に歩いて行ける相手。
そう、わたくしの様な女性であると分かっていますから。
「わたくしを遠ざけるため。今後わたくしが結婚しやすい様に、わざと悪役を演じてくださったのではないでしょうか?」
王太子が自らの都合で公爵令嬢との婚約を破棄した。
そうなればわたくしには非はない。
むしろ勝手な都合で婚約破棄された可哀想な女性と周りには映る。
そういう配慮の下だったのだろう。
そう決してわたくしの事が嫌いになったという事では無いはず。
では、何故そのような事をしたのでしょうか。
「殿下の体調が優れないのは薄々感じていました」
「!?」
「それが治らないものであるという事も」
「き、気付いていたのか……」
殿下の顔が申し訳なさそうに歪む。
「わたくしを心配させない様にと隠しておられたのですね」
「すまぬ、君に心配を掛けたくなかったのだ」
色々と苦悩があったのでしょう。
「殿下に飲んでいただいた果実酒に毒は入ってはおりません」
「そうか……」
殿下は複雑そうな顔をする。
「むしろ毒でも良かったのだがな。君の前で最後を迎えられるのならば……」
「殿下に飲んでいただいたものは薬です」
「薬?」
「はい。わたくしの父が持たせてくれた秘伝の薬です」
もしもの時の為に肌身離さず持っていろと言われていた。
健常者が飲んでも身体が光るだけだけれど。
「ま、まさか」
「はい。殿下のご病気は治っているばずです」
「そんな事が。しかし……宮廷医師たちを呼べ!」
王家でも手に入らない薬をわたくしの父が持っているのも不思議ではあるけれど父には感謝したい。
その後、殿下を診た宮廷医師たちは驚き、信じられないと騒いでいた。
「間違いありません。殿下の体調は完全に快復されました!」
宮廷医師たちの結論は出た様だ。
効果があって良かった。
「殿下、ご快復おめでとうございます」
わたくしは満面の笑みで気持ちを伝える。
「ああ、ありがとう君のお陰だ」
「いえ、お元気になられて良かったですわ」
顔色も良いのでもう大丈夫だろう。
「我々も感謝を。疑って申し訳ありませんでした」
護衛の人達も謝ってきた。
「いえ、お気になさらず。護衛として主を思うのは当然の事です」
護衛達はわたくしに跪く。
「ご配慮感謝いたします。殿下の事をこれからもよろしくお願いいたします」
「はい」
殿下の事を一番分かっているのも一番愛しているのも、わたくしだと自負しております。
「アイラ、これからも私を支えて欲しい。私の妃は君しかいない。結婚してくれ」
「ふふ、もちろんですわ殿下。わたくしは殿下の婚約者なのですから」
わたくしは殿下の愛と家臣の信頼を手に入れた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です
くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」
身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。
期間は卒業まで。
彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。
婚約破棄されたのに、王太子殿下がバルコニーの下にいます
ちよこ
恋愛
「リリス・フォン・アイゼンシュタイン。君との婚約を破棄する」
王子による公開断罪。
悪役令嬢として破滅ルートを迎えたリリスは、ようやく自由を手に入れた……はずだった。
だが翌朝、屋敷のバルコニーの下に立っていたのは、断罪したはずの王太子。
花束を抱え、「おはよう」と微笑む彼は、毎朝訪れるようになり——
「リリス、僕は君の全てが好きなんだ。」
そう語る彼は、狂愛をリリスに注ぎはじめる。
婚約破棄×悪役令嬢×ヤンデレ王子による、
テンプレから逸脱しまくるダークサイド・ラブコメディ!
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
おさななじみの次期公爵に「あなたを愛するつもりはない」と言われるままにしたら挙動不審です
ワイちゃん
恋愛
伯爵令嬢セリアは、侯爵に嫁いだ姉にマウントをとられる日々。会えなくなった幼馴染とのあたたかい日々を心に過ごしていた。ある日、婚活のための夜会に参加し、得意のピアノを披露すると、幼馴染と再会し、次の日には公爵の幼馴染に求婚されることに。しかし、幼馴染には「あなたを愛するつもりはない」と言われ、相手の提示するルーティーンをただただこなす日々が始まり……?
戦場から帰らぬ夫は、隣国の姫君に恋文を送っていました
Mag_Mel
恋愛
しばらく床に臥せていたエルマが久方ぶりに参加した祝宴で、隣国の姫君ルーシアは戦地にいるはずの夫ジェイミーの名を口にした。
「彼から恋文をもらっていますの」。
二年もの間、自分には便りひとつ届かなかったのに?
真実を確かめるため、エルマは姫君の茶会へと足を運ぶ。
そこで待っていたのは「身を引いて欲しい」と別れを迫る、ルーシアの取り巻きたちだった。
※小説家になろう様にも投稿しています
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる