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異世界編
第三話
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ナナシが異世界にやってきて三日が経った。
だが、未だに魔族を発見できずにいた。
『うーん…これだけ探してもいないのか…』
『リリィさんに聞いてみたらどうですか?』
『魔族のことをか?』
『はい。もしかしたらなにか知ってるかもしれないですし』
『そうだな…今夜聞いてみるか』
あの日出会ってから、二人は夜に川辺で会うようになっていた。
『それとも…リリィさんの住む村に行ってみますか?』
ここから少し離れた場所に村がある事はリリィに聞いていた。
『いや、そこまでしなくていいと思う』
『…行きたくないだけですね?』
『知らない奴に話しかけるのはリスクが伴うからな』
『ただの人見知りですね』
『そういう事だ』
そして、夜になった。
リリィと合流し、魔族について聞いてみた。
「魔族…?聞いたことないなぁ…」
「聞いた事ない…?」
どういう事だ…?ここは王国の外れだが、そこまで離れていない…国王が嘘をついている…?なんの為に…それとも、本当にリリィが知らないだけか…?規模が小さい村だから見逃されている…?
「えっと…噂なら聞いたことあるよ…」
「噂…?」
「はい、この村も前に襲われた事があったそうなんだけど…でも、最近は何故かこの村に魔族が出る事がなくなったんだって」
最近は魔族は出現していない…いや、それよりも…
「あったそうだって、まるで他人事のような言い草だな…それに、噂って」
「あ!」
リリィはしまったと慌てた様子だった。
どうやら失言のようだ。
「実は…私記憶が無いんだ…」
「なるほどな…」
「信じてくれるの?」
「ああ、信じるが一つ言いたいことがある」
「な、なに?」
「そんな状況で知らない奴に声をかけるな。俺が悪人だったらどうする?」
「ご、ごめんなさい…」
「それで?」
「え?」
「記憶を失った原因。思い当たる節はあるのか?」
「あ、えっと…それは、もうわかってるんだ」
「そうなのか?」
「うん、それは魔族の仕業だって、お姉ちゃんが教えてくれたの」
「魔族…ザンゲって奴か?」
「ううん…ボロっていう人らしいよ。なんか、上質な記憶を集めてるんだって」
「なんの為に?」
「わからない…でも一つわかるのは…その人が現れた時から魔族が遅いに来なくなったことだけ」
「そいつが何かをしたのか…」
「多分…」
「その魔族はどこにいるかわからないのか?」
「これも、あくまで噂なんだけど…この森の奥に研究所みたいな建物があって」
そう言いながら、森の奥を指さした。
「そこに誰かが、立てこもってるんだって。それで、怪しく思った国王様が調査させたんだけど、調査に出たみんなは記憶を無くした状態で森で発見されたんだって」
「なるほど…その話が本当なら、確実にそこに犯人がいるな…」
「でも、そんなこと知ってどうするの…?」
「ちょっとな。気になっただけだ」
「そっか…あまり危ない事しないでね」
「大丈夫だ、そろそろ帰る時間だろ?」
「あ、そうだね。じゃあ、また明日ね!」
「ああ」
また明日…か。最近ユメと会ってないな…さっさと、ザンゲを倒して地球に帰るか。
「よし!」
そう言って、ナナシは立ち上がった。
『ナナシさん?』
『そのボロって奴を探しに行くぞ』
『え!?探すのはいいですけど、相手は記憶を奪えるんですよ?回避する手段でもあるんですか?』
『俺にはない』
『え?』
『だが、俺にはアンナがいる』
『どういうことですか?』
『まず、アンナは俺の精神の奥深くに隠れていてくれ。そして、まずは、俺がやつに目的を聞く。もし、問答無用で俺の記憶を奪われた場合、もしくは、くだらない理由だった場合、争いが決定する。そしたらアンナは俺に状況を説明してくれ。そして、俺が研究所に戻る頃恐らくやつは記憶を奪ったと油断しているだろうから、その隙に一気に倒す。上手く行けば記憶を奪い返せるかもしれない』
『……かなりの賭けに出ましたね…』
『そうだな…どれか一つでも失敗すれば、全てが終わる。どうだ?』
『正直、心配でしかありません…ですが、ボロが記憶を使って何をするのかもわかりません…』
『ああ、そうだな』
『グダグダして、手遅れになってからじゃ遅いですからね…わかりました!やりましょう!』
『よし、それじゃあ、早速研究所を探そう』
だが、未だに魔族を発見できずにいた。
『うーん…これだけ探してもいないのか…』
『リリィさんに聞いてみたらどうですか?』
『魔族のことをか?』
『はい。もしかしたらなにか知ってるかもしれないですし』
『そうだな…今夜聞いてみるか』
あの日出会ってから、二人は夜に川辺で会うようになっていた。
『それとも…リリィさんの住む村に行ってみますか?』
ここから少し離れた場所に村がある事はリリィに聞いていた。
『いや、そこまでしなくていいと思う』
『…行きたくないだけですね?』
『知らない奴に話しかけるのはリスクが伴うからな』
『ただの人見知りですね』
『そういう事だ』
そして、夜になった。
リリィと合流し、魔族について聞いてみた。
「魔族…?聞いたことないなぁ…」
「聞いた事ない…?」
どういう事だ…?ここは王国の外れだが、そこまで離れていない…国王が嘘をついている…?なんの為に…それとも、本当にリリィが知らないだけか…?規模が小さい村だから見逃されている…?
「えっと…噂なら聞いたことあるよ…」
「噂…?」
「はい、この村も前に襲われた事があったそうなんだけど…でも、最近は何故かこの村に魔族が出る事がなくなったんだって」
最近は魔族は出現していない…いや、それよりも…
「あったそうだって、まるで他人事のような言い草だな…それに、噂って」
「あ!」
リリィはしまったと慌てた様子だった。
どうやら失言のようだ。
「実は…私記憶が無いんだ…」
「なるほどな…」
「信じてくれるの?」
「ああ、信じるが一つ言いたいことがある」
「な、なに?」
「そんな状況で知らない奴に声をかけるな。俺が悪人だったらどうする?」
「ご、ごめんなさい…」
「それで?」
「え?」
「記憶を失った原因。思い当たる節はあるのか?」
「あ、えっと…それは、もうわかってるんだ」
「そうなのか?」
「うん、それは魔族の仕業だって、お姉ちゃんが教えてくれたの」
「魔族…ザンゲって奴か?」
「ううん…ボロっていう人らしいよ。なんか、上質な記憶を集めてるんだって」
「なんの為に?」
「わからない…でも一つわかるのは…その人が現れた時から魔族が遅いに来なくなったことだけ」
「そいつが何かをしたのか…」
「多分…」
「その魔族はどこにいるかわからないのか?」
「これも、あくまで噂なんだけど…この森の奥に研究所みたいな建物があって」
そう言いながら、森の奥を指さした。
「そこに誰かが、立てこもってるんだって。それで、怪しく思った国王様が調査させたんだけど、調査に出たみんなは記憶を無くした状態で森で発見されたんだって」
「なるほど…その話が本当なら、確実にそこに犯人がいるな…」
「でも、そんなこと知ってどうするの…?」
「ちょっとな。気になっただけだ」
「そっか…あまり危ない事しないでね」
「大丈夫だ、そろそろ帰る時間だろ?」
「あ、そうだね。じゃあ、また明日ね!」
「ああ」
また明日…か。最近ユメと会ってないな…さっさと、ザンゲを倒して地球に帰るか。
「よし!」
そう言って、ナナシは立ち上がった。
『ナナシさん?』
『そのボロって奴を探しに行くぞ』
『え!?探すのはいいですけど、相手は記憶を奪えるんですよ?回避する手段でもあるんですか?』
『俺にはない』
『え?』
『だが、俺にはアンナがいる』
『どういうことですか?』
『まず、アンナは俺の精神の奥深くに隠れていてくれ。そして、まずは、俺がやつに目的を聞く。もし、問答無用で俺の記憶を奪われた場合、もしくは、くだらない理由だった場合、争いが決定する。そしたらアンナは俺に状況を説明してくれ。そして、俺が研究所に戻る頃恐らくやつは記憶を奪ったと油断しているだろうから、その隙に一気に倒す。上手く行けば記憶を奪い返せるかもしれない』
『……かなりの賭けに出ましたね…』
『そうだな…どれか一つでも失敗すれば、全てが終わる。どうだ?』
『正直、心配でしかありません…ですが、ボロが記憶を使って何をするのかもわかりません…』
『ああ、そうだな』
『グダグダして、手遅れになってからじゃ遅いですからね…わかりました!やりましょう!』
『よし、それじゃあ、早速研究所を探そう』
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