スローライフに憧れる伝説の王子

猫の手も借りたいおじさん

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108話

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第百八話:「領主イシーの真意—王子の宣戦布告」

ノブは南部の復興資金の流れを調査し、領主イシーの不正があまりにも露骨であることに驚いた。税の増加、支援の不透明な用途、親族の商会による中抜き——まるで不正を暴かれることを前提にしたかのようなずさんさだった。

「これは罠なのか?」

ノブは警戒しつつも、イシーとの直接対決に踏み切る。彼の館を訪れ、不正の証拠を突きつけると、イシーは冷静に弁論を展開し始めた。

「この税は恒久的な財源として必要であり、社会福祉の安定のためには減税など許されません。」

「社会の成長には統治者が計画的に資金を管理することが不可欠です。」

ノブはその戯言を黙って聞きながら、館の豪奢な装飾を見渡す。

「なるほど……民の主食を売り飛ばし、景気を悪化させながら、統治の安定を語るとはな。」

ノブはイシーを問い詰め、民衆の前で正当性を証明するよう要求する。

「お前の統治が正しいのなら、民はそれを認めるはずだ。街の広場に来い。」

イシーはかすかな動揺を見せるが、冷静を装いながら承諾する。

「では、王子、私の統治の正しさを民の前で証明させてもらいましょう。」

こうして、王子と領主の対決は公の場へと移ることになった——。

(次話へ続く)
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