スローライフに憧れる伝説の王子

猫の手も借りたいおじさん

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223話

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第二百二十三話:「守護せよ、我が芋──芋を求めし男の秘密計画」

朝焼け前の静寂。
王都の空が淡く染まり始めるころ、一人の男が密かに決意していた。

──ノブ・フォン・エルストレム。
“まだ一口も食えていない焼き芋事件”を、ついに国家レベルの危機と認定。

「……食べられないと思うと、余計に食べたくなる。
それが、欲望と理性のあいだを漂う……人間というやつなんだ……!」

そうつぶやいた彼は、ついに立ち上がる。

---

◆ 第四計画:芋独立防衛戦(コードネーム「プロジェクト・YAKIMO」)

対婚約者・対妹・対母・対芋香拡散被害。

すべてを想定したノブの構築する焼き芋防衛ラインとは――!

---

■ 第一段階:地下貯蔵庫に「芋だけの隠し苗床」設置

• リカとの共同開発による「見た目じゃ絶対バレない芋栽培用収納樽」
• エレンが採石してくれた「熱を逃さない土鍋型芋ベッド」搭載
• セシリアが結界処理済みで探知不能


ノブ:「地上で芋が足りないなら……地下で、育てればいいじゃないか」

---

■ 第二段階:誘導餌芋による“視線の分散工作”

• アリシア・カミラ・フィオナ宛に「おすそ分け用サンプル芋」を事前設置
• エジンバラには“公務芋”と称して政策資料に添付(通達内容に焦げ跡)


ソフィア(観察中):「……分かってるわよ。兄上、囮芋ですって? でもそれ、本体を隠してるつもりなら甘いのよ……!」

---

■ 第三段階:“本人すら忘れるほど深く隠す”精神戦術

ノブ、自分用芋を別行動中に埋め、忘れるよう自己暗示処理
→ その後“ふとしたひらめき”として思い出すことで誰にもバレず再発見可能に!

セシリア:「それ、記憶魔法では? 無自覚で使ってる? それとも芋に執念が強すぎて?」

---

◆ 計画は、いま動き出した!

芋を守るために策略を弄し、
すべてを欺いてでも「一片の静かな甘さ」を得ようとする男。

「誰がなんと言おうと……今度こそ“俺の焼き芋”を……食ってやる……!!」

だが――まだ彼は知らない。

その地下空間には、すでにアデル王妃とソフィア王女の手によって
“反芋覇権レジスタンス”の気配が立ち込め始めていたことを。

(次話へ続く)
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