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第一章
鏡の中の
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「かがみの、なか」
巴も口に出して、周囲をキョロキョロと見回してみる。足元の草原、目の前の城、森、街。鏡の中に広がっているとは到底思えない、世界。
「でも、こんなに広くて、外、みたいな」
「あら、鏡の中に外の世界が広がってたらおかしい? 初めて入ったんでしょ?」
ルナの話は尤もで、巴は言葉を飲み込むほかなかった。
洗面台や、服屋や、部屋にだって置かれる鏡。全ての鏡の中に、こんなに広くて、綺麗な世界が広がっている可能性だって捨てきれない。鏡の中に入ったのは、これが初めてなのだから。
ふと、微かに、まるで音楽のようなものが耳に届いた。街の方向だろうか。何の音かと気になったところで、ルナが言った。
「パレードね。もうすぐ終わってしまうけど」
「ぱれー、ど?」
「ええ。 ちょうどいいわ、見に行きましょ! せっかくだから、見て欲しいの!」
ルナが、巴の手を取り、走り出す。慌てて巴も足を動かして駆けだした。背丈の差があるのに着いていけるのは、ルナが巴に合わせてくれているからだろう。見えてきた住宅街からは、カラフルな風船がちらほら見えていた。
大きな通りに、恐らくここに住んでいるのであろう人たちが列を為している。すし詰め、というほどではないが、自由に歩き回るのは少々難しい。スペースのある場所を見つけて、二人は通りの方面を覗いた。
見えたのは、兵士と、馬車と、火と。絢爛とは言い難いが、それでもどこか重厚な雰囲気を纏う馬車から手を振っているのは、笑顔の若い女性だ。
やわらかそうな、ふわふわとした髪、綺麗な瞳。一瞬しか見ることは出来なかったが、それでも、その表情も可愛らしさも、しっかりと記憶に残った。
「きれい……」
「あの人はね、アリス様。綺麗な人でしょう? この国の王様のお妃様で、今は女王様。とっても優しくて、いい人よ」
「前はお妃で、女王様?」
「王様が替わったの。新しい王様は見習いだから、今はアリス様が女王様で、この国のトップ。いっちばん、偉い人!」
大振りに腕を広げて笑うルナの、国のトップ、という言葉に巴は感嘆した。恐らく二十代前半といった先ほどの女性が、この世界で一番偉いという事実。更にルナは続ける。
「実はね、アリス様も貴方と同じで、鏡の向こうから来たお方よ」
「鏡の、向こう……?」
ルナの言う、鏡の向こう。それは、元々の巴のいた世界。あの手を振っていた女性もまた、鏡を通り抜けて来たということだろうか。
馬車が過ぎ去り、自然と人影もまばらになっていく。閑散としてきた中で、ルナはぽつりと呟いた。
「さて……どうしようか? 巴、どうしたい?」
ん? と、ルナが巴の顔を覗き込む。聞かれているのだとわかり、慌てて巴は考え込んだ。
どうしよう。どうしたら良いのか、正直、よく分からない。先程見た女性が、巴と同じ場所から来たというのなら。それなら、話を聞いてみたい。どうやって来たのか。どうしたら、帰れるのか。
——本当に、帰りたい?
脳内に、そんな疑問がふと浮かんだ。だが、頭を振って気付かなかったことにする。
帰りたいに決まっている。帰らないといけない。だってそうだろう。知らない場所に迷い込んだなら、元の場所に戻らないといけない。当たり前のことだ。当たり前のことなんだから。
「どうか、したの?」
「……ううん」
「そう?」
視線を伏せる巴に、ルナは心配そうに問いかける。何も言わない巴に、ルナは首を傾げると、じゃあ、と続けた。
「お城へ、行ってみる?」
「おし、ろ?」
「アリス様のところ。お話、聞いてみる?」
アリス、とは、先程の女性——つまり、この国のトップ、女王様で、巴と同じ場所から来たという人だ。
そうだ。そう思っていた。どうやってこの世界に来たのか。なぜ、自分だったのだろうか。聞かなくてはと思っていた。願ってもないことだ。巴はルナを見やると、小さく頷いた。
「行きたい、です」
「敬語なんていらないわよ。じゃあ、行こっか!」
ルナは再び巴の手を取り、歩き出す。巴の手を握り込むその手の温もりは、とても気持ちが良かった。
近付けば近付くほど、大きさを実感するその大きな建物——城。目の前にすると圧迫感、重厚感が変わってくる。城の手前の門扉もまた、分厚く、大きく、背の高いものだった。
門の前には、しかめっ面の兵士と思われる人が、二人。教師と親以外の大人とあまり話したことが無く、巴は身体を強張らせて立ち止まった。ルナはそんな巴を見やった後、にこりと微笑んでそのまま歩みを進めた。
「ルナ、入れるの?」
「ふふ、ちょっとコネがあってね。だいじょーぶ、任せて」
「こね?」
巴の疑問に答えることなく、ルナはその手を引いて門の前で立ち止まった。兵の二人の厳しい視線が、ルナに集中する。
「——お前は」
「久しぶり。アリスさまに会いたいの、通してくれる?」
「……後ろの子供はどうした」
兵士がちらりと巴を見やり、思わず身体が固まりそうになる。ルナはにこりと笑って、答えた。
「——別の世界の子」
「なるほど、な。……通れ」
兵は顔を見合わせ、一歩後ずさる。すると、示し合わせたかのように、背後の城門が鈍い音を立てて開いた。
兵士と城門を後ろに見やりながら、巴はルナに耳打ちする。
「どうして、ルナは通れるの?」
「昔ね、ここでお仕事してたことがあるの。お掃除したり、ご飯作ったり、偶に兵士みたいなこともしたりね」
「やめちゃったの?」
「やめちゃったの」
巴が聞くと、彼女は少し困ったように微笑んだ。聞かれたくないことなのだろうか。元々、助けて貰ったとはいえ、つい先ほど会ったばかりの彼女だ。あまり深入りされたくないこともあるだろう。巴はそれ以上追及することはなかった。
そのまま彼女について、建物の中を進んで行く。まるで童話に出てくる外国の城そのもののような内装に、巴は目を瞠った。
それまで淀みなく歩いていたルナは、幾つもの階段を上り、そして今までで見た中で一番大きな扉の前で立ち止まった。扉の丈は巴の背の三倍はゆうにあるだろうか。所々が蒼に輝く扉自体もまた今まで見かけたものとは違い、重厚な雰囲気を醸し出している。ルナは怪訝な顔をして、キョロキョロと左右を見回した。
「どうした、の?」
「ううん、別に。入ろっか」
少し緊張した面差しで、ルナは扉に手を伸ばす。ギイ、と、重い音を立てて、扉はゆっくりと部屋の中へと傾いていった。
「初めまして、お嬢さん」
部屋の中に一歩入るや否や、頭上から声が掛かる。まるで唄でも歌っているかのような、耳に心地よい声。顔を上げると、そこには一人の女性が、絢爛な椅子に座していた。
薄茶色の、少しウェーブのかかったロングヘア。水色のドレスは幾重にも重なり、透けた生地の下から、絢爛な柄の金の刺繍が覗いている。濃い茶色の瞳は、とても嬉しそうな様子で巴とルナを映していた。
「それからルナ、久しぶり」
「アリスさま、お久しぶりです。お部屋の前に門番が居なかったのは、アリスさまの命令ですか?」
「ええ、そう。だって門番なんていたら、貴方は入ってこないでしょう? 城の兵からルナが来たとは聞いていたから、ルナとだって話したかったの。だからわざと兵を部屋の前から外したのよ」
美しい女性——アリスの言葉に、ルナはどこか気まずそうに視線を逸らす。どうにも状況が飲み込めず、巴が二人を交互に見やっていると、アリスはにっこりと巴に向かって微笑みかけた。
「貴方も、鏡の向こうから来たそうね」
巴も口に出して、周囲をキョロキョロと見回してみる。足元の草原、目の前の城、森、街。鏡の中に広がっているとは到底思えない、世界。
「でも、こんなに広くて、外、みたいな」
「あら、鏡の中に外の世界が広がってたらおかしい? 初めて入ったんでしょ?」
ルナの話は尤もで、巴は言葉を飲み込むほかなかった。
洗面台や、服屋や、部屋にだって置かれる鏡。全ての鏡の中に、こんなに広くて、綺麗な世界が広がっている可能性だって捨てきれない。鏡の中に入ったのは、これが初めてなのだから。
ふと、微かに、まるで音楽のようなものが耳に届いた。街の方向だろうか。何の音かと気になったところで、ルナが言った。
「パレードね。もうすぐ終わってしまうけど」
「ぱれー、ど?」
「ええ。 ちょうどいいわ、見に行きましょ! せっかくだから、見て欲しいの!」
ルナが、巴の手を取り、走り出す。慌てて巴も足を動かして駆けだした。背丈の差があるのに着いていけるのは、ルナが巴に合わせてくれているからだろう。見えてきた住宅街からは、カラフルな風船がちらほら見えていた。
大きな通りに、恐らくここに住んでいるのであろう人たちが列を為している。すし詰め、というほどではないが、自由に歩き回るのは少々難しい。スペースのある場所を見つけて、二人は通りの方面を覗いた。
見えたのは、兵士と、馬車と、火と。絢爛とは言い難いが、それでもどこか重厚な雰囲気を纏う馬車から手を振っているのは、笑顔の若い女性だ。
やわらかそうな、ふわふわとした髪、綺麗な瞳。一瞬しか見ることは出来なかったが、それでも、その表情も可愛らしさも、しっかりと記憶に残った。
「きれい……」
「あの人はね、アリス様。綺麗な人でしょう? この国の王様のお妃様で、今は女王様。とっても優しくて、いい人よ」
「前はお妃で、女王様?」
「王様が替わったの。新しい王様は見習いだから、今はアリス様が女王様で、この国のトップ。いっちばん、偉い人!」
大振りに腕を広げて笑うルナの、国のトップ、という言葉に巴は感嘆した。恐らく二十代前半といった先ほどの女性が、この世界で一番偉いという事実。更にルナは続ける。
「実はね、アリス様も貴方と同じで、鏡の向こうから来たお方よ」
「鏡の、向こう……?」
ルナの言う、鏡の向こう。それは、元々の巴のいた世界。あの手を振っていた女性もまた、鏡を通り抜けて来たということだろうか。
馬車が過ぎ去り、自然と人影もまばらになっていく。閑散としてきた中で、ルナはぽつりと呟いた。
「さて……どうしようか? 巴、どうしたい?」
ん? と、ルナが巴の顔を覗き込む。聞かれているのだとわかり、慌てて巴は考え込んだ。
どうしよう。どうしたら良いのか、正直、よく分からない。先程見た女性が、巴と同じ場所から来たというのなら。それなら、話を聞いてみたい。どうやって来たのか。どうしたら、帰れるのか。
——本当に、帰りたい?
脳内に、そんな疑問がふと浮かんだ。だが、頭を振って気付かなかったことにする。
帰りたいに決まっている。帰らないといけない。だってそうだろう。知らない場所に迷い込んだなら、元の場所に戻らないといけない。当たり前のことだ。当たり前のことなんだから。
「どうか、したの?」
「……ううん」
「そう?」
視線を伏せる巴に、ルナは心配そうに問いかける。何も言わない巴に、ルナは首を傾げると、じゃあ、と続けた。
「お城へ、行ってみる?」
「おし、ろ?」
「アリス様のところ。お話、聞いてみる?」
アリス、とは、先程の女性——つまり、この国のトップ、女王様で、巴と同じ場所から来たという人だ。
そうだ。そう思っていた。どうやってこの世界に来たのか。なぜ、自分だったのだろうか。聞かなくてはと思っていた。願ってもないことだ。巴はルナを見やると、小さく頷いた。
「行きたい、です」
「敬語なんていらないわよ。じゃあ、行こっか!」
ルナは再び巴の手を取り、歩き出す。巴の手を握り込むその手の温もりは、とても気持ちが良かった。
近付けば近付くほど、大きさを実感するその大きな建物——城。目の前にすると圧迫感、重厚感が変わってくる。城の手前の門扉もまた、分厚く、大きく、背の高いものだった。
門の前には、しかめっ面の兵士と思われる人が、二人。教師と親以外の大人とあまり話したことが無く、巴は身体を強張らせて立ち止まった。ルナはそんな巴を見やった後、にこりと微笑んでそのまま歩みを進めた。
「ルナ、入れるの?」
「ふふ、ちょっとコネがあってね。だいじょーぶ、任せて」
「こね?」
巴の疑問に答えることなく、ルナはその手を引いて門の前で立ち止まった。兵の二人の厳しい視線が、ルナに集中する。
「——お前は」
「久しぶり。アリスさまに会いたいの、通してくれる?」
「……後ろの子供はどうした」
兵士がちらりと巴を見やり、思わず身体が固まりそうになる。ルナはにこりと笑って、答えた。
「——別の世界の子」
「なるほど、な。……通れ」
兵は顔を見合わせ、一歩後ずさる。すると、示し合わせたかのように、背後の城門が鈍い音を立てて開いた。
兵士と城門を後ろに見やりながら、巴はルナに耳打ちする。
「どうして、ルナは通れるの?」
「昔ね、ここでお仕事してたことがあるの。お掃除したり、ご飯作ったり、偶に兵士みたいなこともしたりね」
「やめちゃったの?」
「やめちゃったの」
巴が聞くと、彼女は少し困ったように微笑んだ。聞かれたくないことなのだろうか。元々、助けて貰ったとはいえ、つい先ほど会ったばかりの彼女だ。あまり深入りされたくないこともあるだろう。巴はそれ以上追及することはなかった。
そのまま彼女について、建物の中を進んで行く。まるで童話に出てくる外国の城そのもののような内装に、巴は目を瞠った。
それまで淀みなく歩いていたルナは、幾つもの階段を上り、そして今までで見た中で一番大きな扉の前で立ち止まった。扉の丈は巴の背の三倍はゆうにあるだろうか。所々が蒼に輝く扉自体もまた今まで見かけたものとは違い、重厚な雰囲気を醸し出している。ルナは怪訝な顔をして、キョロキョロと左右を見回した。
「どうした、の?」
「ううん、別に。入ろっか」
少し緊張した面差しで、ルナは扉に手を伸ばす。ギイ、と、重い音を立てて、扉はゆっくりと部屋の中へと傾いていった。
「初めまして、お嬢さん」
部屋の中に一歩入るや否や、頭上から声が掛かる。まるで唄でも歌っているかのような、耳に心地よい声。顔を上げると、そこには一人の女性が、絢爛な椅子に座していた。
薄茶色の、少しウェーブのかかったロングヘア。水色のドレスは幾重にも重なり、透けた生地の下から、絢爛な柄の金の刺繍が覗いている。濃い茶色の瞳は、とても嬉しそうな様子で巴とルナを映していた。
「それからルナ、久しぶり」
「アリスさま、お久しぶりです。お部屋の前に門番が居なかったのは、アリスさまの命令ですか?」
「ええ、そう。だって門番なんていたら、貴方は入ってこないでしょう? 城の兵からルナが来たとは聞いていたから、ルナとだって話したかったの。だからわざと兵を部屋の前から外したのよ」
美しい女性——アリスの言葉に、ルナはどこか気まずそうに視線を逸らす。どうにも状況が飲み込めず、巴が二人を交互に見やっていると、アリスはにっこりと巴に向かって微笑みかけた。
「貴方も、鏡の向こうから来たそうね」
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