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バニーガール
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深夜。
王城の執務室。
エルヴィンは一人で、ワインを飲んでいた。
ふっと吐息して、椅子にもたれる。
ふと一七歳の少年王が机に視線をむけた。
机の上には書類が山積みになっている。
エルヴィンは肩をすくめて苦笑した。
犯罪組織を壊滅させたが、それで仕事が終わった訳ではない。
犯罪組織から押収した金銀財宝の管理報告書。
そして、マフィアから賄賂を受け取っていた役人や商人たちの検挙など、仕事が山積みである。
「しかし、書類仕事ばかりだな」
エルヴィンは自嘲する。
王様の仕事の7割程は地味な書類仕事なのだ。
この実情を知れば、自ら好んで王になりたいと思う者は大分減るだろう。
ふと、扉をノックする音が響いた。
エルヴィンが入るように即すと宰相セシリアが入室した。
「陛下、マフィアの首領達の尋問が終わりました」
「そうか」
とエルヴィンが、答える。
マフィアの首領達は、地下牢で拷問されていたのだ。
拷問した理由は無論、彼らの情報を得る為である。
「取れるだけの情報は取り終えました。もはや彼らは用済みかと……」「よかろう。明朝、死体を広場に晒せ」
エルヴィンが、淡々と告げる。
宰相セシリアが、一礼した。
ふとエルヴィンは宰相セシリアの顔を見た。
連日の激務で、青髪の宰相が披露しているのが見て取れた。
目の下にクマがある。睡眠不足なのだ。
「セシリア、今日と明日は休め」
「いえ、それでは仕事が出来ません」
「当たり前だ。仕事を休む為に休暇を取るのだ」
エルヴィンがやや呆れて言う。
「これは王命だ。主君の命令に反するつもりか?」
エルヴィンが厳命する。
こうでも言わないと、勤勉な宰相セシリアは休もうとはしないだろう。 宰相セシリアは、エル
ヴィンの思いやりに胸を熱くした。
そして、深く頭を垂れた。
「では、明日の朝まではお休みさせて頂きます」
「明日の朝では、六時間ほどしか眠れんだろう。明後日の朝までは仕事は休め」
エルヴィンが重ねて命じる。
宰相セシリアは、
「はい」
と返事をして、部屋を辞した。
◆◆◆◆◆◆
エルヴィンはそれから二時間ほど書類仕事をした。
その後、フローラ王妃の待つ寝室に行った。
金髪碧眼の王妃は、エルヴィンを優しく出迎えた。
「お疲れさまでした。私の陛下~」
「いや、……それは良いが、お前のその格好はなんだ?」
エルヴィンが問う。
(なんでバニーガールの衣装をしているんだ?)
俺は困惑しながら、フローラを見る。
「陛下がお疲れでしょうから、喜んで頂きたくて~」
フローラが、少し恥ずかしそうに身体をモジモジさせる。
俺はフローラのバニーガール姿に見とれた。
ウサギ耳。網タイツ。胸の空いた服。
黒い布地。
フローラの綺麗な手足が、あらわになっている。
そして、気品あるフローラが、こういう娼婦のような格好をする事に興奮を覚えた。
王妃であるフローラの卑猥な格好はギャップがあり、その分だけ官能的である。
王城の執務室。
エルヴィンは一人で、ワインを飲んでいた。
ふっと吐息して、椅子にもたれる。
ふと一七歳の少年王が机に視線をむけた。
机の上には書類が山積みになっている。
エルヴィンは肩をすくめて苦笑した。
犯罪組織を壊滅させたが、それで仕事が終わった訳ではない。
犯罪組織から押収した金銀財宝の管理報告書。
そして、マフィアから賄賂を受け取っていた役人や商人たちの検挙など、仕事が山積みである。
「しかし、書類仕事ばかりだな」
エルヴィンは自嘲する。
王様の仕事の7割程は地味な書類仕事なのだ。
この実情を知れば、自ら好んで王になりたいと思う者は大分減るだろう。
ふと、扉をノックする音が響いた。
エルヴィンが入るように即すと宰相セシリアが入室した。
「陛下、マフィアの首領達の尋問が終わりました」
「そうか」
とエルヴィンが、答える。
マフィアの首領達は、地下牢で拷問されていたのだ。
拷問した理由は無論、彼らの情報を得る為である。
「取れるだけの情報は取り終えました。もはや彼らは用済みかと……」「よかろう。明朝、死体を広場に晒せ」
エルヴィンが、淡々と告げる。
宰相セシリアが、一礼した。
ふとエルヴィンは宰相セシリアの顔を見た。
連日の激務で、青髪の宰相が披露しているのが見て取れた。
目の下にクマがある。睡眠不足なのだ。
「セシリア、今日と明日は休め」
「いえ、それでは仕事が出来ません」
「当たり前だ。仕事を休む為に休暇を取るのだ」
エルヴィンがやや呆れて言う。
「これは王命だ。主君の命令に反するつもりか?」
エルヴィンが厳命する。
こうでも言わないと、勤勉な宰相セシリアは休もうとはしないだろう。 宰相セシリアは、エル
ヴィンの思いやりに胸を熱くした。
そして、深く頭を垂れた。
「では、明日の朝まではお休みさせて頂きます」
「明日の朝では、六時間ほどしか眠れんだろう。明後日の朝までは仕事は休め」
エルヴィンが重ねて命じる。
宰相セシリアは、
「はい」
と返事をして、部屋を辞した。
◆◆◆◆◆◆
エルヴィンはそれから二時間ほど書類仕事をした。
その後、フローラ王妃の待つ寝室に行った。
金髪碧眼の王妃は、エルヴィンを優しく出迎えた。
「お疲れさまでした。私の陛下~」
「いや、……それは良いが、お前のその格好はなんだ?」
エルヴィンが問う。
(なんでバニーガールの衣装をしているんだ?)
俺は困惑しながら、フローラを見る。
「陛下がお疲れでしょうから、喜んで頂きたくて~」
フローラが、少し恥ずかしそうに身体をモジモジさせる。
俺はフローラのバニーガール姿に見とれた。
ウサギ耳。網タイツ。胸の空いた服。
黒い布地。
フローラの綺麗な手足が、あらわになっている。
そして、気品あるフローラが、こういう娼婦のような格好をする事に興奮を覚えた。
王妃であるフローラの卑猥な格好はギャップがあり、その分だけ官能的である。
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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