海を想えば

月待

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宙 そら す

私というスクリーン

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幸か不幸か


眠れない夜。女性であることを忘れよう。なくても生きていけるから。幸か不幸か、女性であることを意識させられる人は少ない。




神様へ


そういう人には、もう出逢いたくないです。




理由


心惹かれる人には、いつだって私は触れることも、近づくこともできないから。




落下上昇


君の影はエレベーターが高速で上下を繰り返すのように私を揺さぶる。君があれを真だと言うのなら、私はそのうち嘔吐しながら気を失い窒息をもって死に至るだろう。




おもておもうも


君が誰にでも見せる顔すら知らない私は一体どうやって、君が隠す君の一面を知ることが出来るというのだろうか……。





知るを


君を知るのも、君を知らないのも成り行きに任せよう。




知ること


君を知りたくないわけじゃないけど、混乱をもたらすものでしかないからやめた。私は君に理解されたいとは思わない。私は君のうちに自分を見るだけ。それが私を知ることであり君を知ること。



同じように


同じように君の中に彼女を見る。彼女の中に君を見る。見たくない時は瞳を閉じ、心閉じ、顔を背ける。




************




君を理解したい


なんて事は無理で



君を理解したつもりであっても



私というスクリーンが映している君



私というスクリーンは




私が自分の心に囚われていればいるほど



良くも悪くも、私色に脚色される







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