いつかの記憶

amenooto

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未練失恋

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一言。ただ一言。その言葉だけで。いくつもの記憶が弾けて僕に囁いていく。
愛してた。君の哀しげな瞳。僕が守らなければ崩れて溶けて消えてしまいそうな。
消えて欲しくなかった。僕の中に儚く揺れていて欲しかった。
僕が幸せにしたかった。僕の手で君を笑顔にしたかった。
一人で泣かないで。僕がいるのに。君を守れない。これほどの痛みはないんだよ。
君は僕を拒絶する。何故。捨てられるのが怖いから。嫌われるのが怖いから。僕はそんな理由で君を見捨てたりしないのに。
君はいつも悲しい。悲しいんだ。
僕がいれば。少しは和らいだ顔をしたのに。
僕が守りたかった。誰にも君の闇は拭えない。
死ぬまで拭えないのなら死ぬまで一緒に居たいんだ。そう。居たかった。
僕の存在意義とか。そういうのはとうに捨てていた。だけど。だけど。
君の側は僕が居ても良かったと思える場所なんだ。君は僕を拒絶しない。だけど。居てほしいと思うほど君は僕を拒絶するんだ。
怖がらないで。僕はここにいるよ。いつか死んでしまうかもしれないけど。君を悲しませたくない。僕は君を忘れるべきなのか。
君は僕を忘れたかな。いやそんなことは無いでしょ。むしろ僕の記憶が君を苦しめる。
君は悪くない。僕が悪かった。君を見捨てた。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
心の隙間を埋めてあげたかった。僕なら埋められると思ったんだ。だけど現実は僕らを引き剥がした。だけど君から離したというならその手の傷は責めないで。君が悲しむ顔は見たくない。見たくないんだ。
とても悲しくて儚くて可愛い人。僕の大事な大事な可愛い人。撫でても撫でても足りなくて。想いは溢れて溢れて苦しくて。
君は僕のこと覚えているのかな。その髪は誰が撫でいるのかな。君は誰に温められているのかな。
傷つけないで。繊細なんだ。愛おしい人。
傷つけたら僕が許さない。そう。許さない。
信頼させて裏切る。やめて。やめてよ。僕は痛くても君が痛いのはいやだ。
君とサヨナラした日。壁を見た。虚無感に包まれながら。壁を見た。僕の目を見ずに。
サヨナラ。サヨナラ。幸せになってねなんて言わない。僕が幸せにしたかった。だけど。
煮えきらない想い。身を焦がし焼けるほどに想いを馳せる。いつか笑って出会えたら。泣いて出会えた日にはまた君と。共に歩く日なのかな。僕は進む。君は何処に行くのかな。違う道か。大丈夫。世界は終わらない。
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