世界の全てはこのツイッターにかかっている

高みき

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1.白の世界

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 目が醒めるとそこは、白い世界だった。無の一文字。どこを見回しても何もない。
 ぼんやりとした記憶を探る。私の名前は……日向みかど。高校は……彩響高校。よかった、記憶喪失ではないみたい。
 ところで、ここはどこだろう。
 と、不意に背後で物音がした。
「こんにちは」
振り返った先、声の持ち主は小さな、丸い……大きな大福のような生き物。
「こんにちは、僕ワラキア。人工生命体だよ!」
「は、はぁ…」
困惑を隠せない私。大福は続ける。
「この世界は、とある人が作った、白の世界。僕を作ったのもその人なんだ。この世界から出る方法はただ1つ」
「出る方法?そんなのあるの!?」
大きく頷く大福。胸が高鳴る。
「その方法は…」
「その方法は?」
急かす私に、大福は小さなデバイスを差し出す。
「このデバイスは、唯一ツイッターにのみアクセスできる。君がこの世界を脱出する方法は、フォロワーを一万人以上にすること」
「!?」
言葉が出ない。ツイッターという響きが、この非現実的な空間には不似合いすぎて。
「他に方法はないよ?」
にっこりと笑う大福が促すままに、私はデバイスを手に取り、ツイッターを起動した。
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