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傷物姫 後宮降臨 本編
死ぬ気で走るのよっ!
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私はハッとして目を開けた。見たこともない座敷に寝かされていた。
あっ!
ここは敵陣なの?
私は先ほど激奈龍の若君に囚われたのだった。
うん?
衣が変わっている。
あぁ、葉っぱまみれだったから、こんなご立派なお布団には寝かせられなくて、はいはい……って、そんなに親切な敵って何?
逆に怖い。
見ぐるみ剥がして牢獄に入れるとか。いや、牢獄にぶち込むなら身ぐるみは剥がさないだろう……。
いやーん。
何がどうなっているの。
なぜこんな贅沢な調度品で整えられ、一の姫の私ですら寝たことのないような高価な布団に包まれているのかしら?
あれ?
もしかして。
囚われて、愛人にされるとか?
きゃー!
逃げなきゃ。
のんびり布団にくるまっている場合ではないっ!
ガバッと飛び起きた私は、密かに物音を伺った。賑やかな音が離れたところからするようだが、部屋の近辺には誰もいないような……。
袂の短剣を探したら、無くなっていた。
そっか。
そりゃ没収されるよね。
こうなったら、丸腰で逃げよう。
私は覚悟を決めて、ささっと戸の方に近づいた。途端に扉が開き、知らない女人が現れた。
「湯が準備できております」
私は震え上がった。入浴させて、その後……。
「いや、汚いままで結構ですっ!」
私はそれだけ言うと、身を翻して布団の方に戻った。
「お布団が汚れまするっ!」
女人は厳しい声を出した。小袖と同じくらいの22歳くらいに見える。
ふーん、私よりちょっと年上の女性ねぇ。
本気で走ったら、撒けるかも?
私は窓に突進して、ガラッと開けた。
そのまま飛び降り……って、ここ何階っ!?
「死にますよ、そこから飛び降りたら」
パッと振り返ると、22歳くらいの女人が腕組みをしたまま仁王立ちして私を見据えていた。
「姫っ!戻って来なさいっ!」
一括されて、私はすごすごと窓にかけていた足を下ろした。
ってここどこ?
なんか今見覚えがある庭が遠くに見えたような?
「あの……ここはどちらでしょう?」
「湯に入ってくださいっ!私がお叱りを受けます。つべこべ言わないっ!」
女人の瞳は怒りに燃えていた。
「は……はい」
私は仕方なく従うしかあるまいと思った。
湯に入るだけだし。
女人が歩く後を付いて行く私。その後ろを屈強な兵が3人付いてきた。腰には剣が見える。
ふーっ。
逃げることは叶わず。
鷹宮に捧げるはずのこの体を敵陣に捧げることになるとは……。
私は泣きたくなった。
湯殿は豪華だった。湯に綺麗な花びらが浮かんでいる。匂いをつけるためのものだ。そして贅沢な気分に浸るもの。
はいはい、愛人は綺麗さっぱり洗い上げられていい匂いがしないとねぇ……って、だめだ。絶対絶命だ。
こんな趣味があるのは絶対にジジイだ。敵の姫を弄ぶ趣味があるのは、若い娘が寄ってくるような若君ではないだろう。
だって、あの紫の美しい高そうな衣を着て私に怒っていた若君は、人生で見たことのないイケメンだった。
あのお方は女性にお困りなどしないでしょう。むしろ、姫君をよりどりみどりでしょう。
こんな私のような、山でたぬきのように酔って寝ていた、姫と呼べないような行動をとった者を相手にしようなどと考える輩は、きっと偏屈年寄りだ。
あぁ、終わった。
私は湯に入れられて、ポツンとひとりぼっちで、花びらの浮いた水面を眺めていた。
あぁ、気持ちいぃ。
最後にいい思いをさせてくれたんだぁ、と思うことにするか。
いや、思えないでしょっ!
敵のジジイの愛人になってって。
済々のお家の人々、父上、母上のお顔を思い浮かべると、泣けてきた。
鼻の奥がつんとして、熱い涙が目から溢れてきた。
ガバッと湯から引っ張り出された。
そのまま3人の女人にゴシゴシと髪の毛を洗われて、体もこすられた。
キャっ!
なんでそんなにみんな真剣に洗うの!?
真面目な顔で人を素っ裸にして洗い尽くして何が面白いの。
あぁ、仕事か。
ジジイの命令に従っているだけなのか。
私はもう諦めの境地に達した、フリをした。3人の女人に囲まれて、私は服も身につけておらず、逃げ場はない。
綺麗に洗われて、湯殿から綺麗な板の間に移動させられた。彼女たちは恭しく私に尽くしているようで、問答無用の迫力があった。
髪の毛を乾かすために、風を送られた。秋風が吹く頃だから寒いと思ったのか、湯上がりの準備部屋には火鉢がちゃんといくつも用意されていた。
至れり尽くせり。
済々家の一の姫でも、こんなに3人がかりってことはなかった。
「お腹がすいた」
私はポツンと言った。
考えてみれば、昨晩はお酒しか口にしなかった。朝、山で目覚めてから何も食べていない。
「お待ちください」
最初に私に湯に入れと一喝した女人が、私にそう言って部屋をそっと出て行った。
うん?
これはチャンス到来な気がする。
髪の毛はまだ乾き切ってはいない。
「あのもよおして来たのですが」
頬を赤らめて、恥ずかしそうに言ってみた。
一瞬の間があって「どうぞこちらに」と一人の侍女が言った。私はその小柄な侍女に案内されるがままに、長い廊下に出た。
侍女が私を振り返った。
だが、私は必死で反対方向に廊下を走っていた。
急ぐの!
死ぬ気で走るのよっ!
美しい薄青い絹の衣には、幾つも刺繍が施されていて、天女になった心地になれる衣だった。つまり、裾が長い。前がはだけてしまった。だが、今はそんなことを気にするわけにはいかない。
どれほど高待遇であろうと、敵のジジイに身を捧げるわけにはいかないのだ!
この身は宮に捧げるための体なのだから!
曲がり角で、一瞬、私は後ろを振り返った。
不覚にも、私は目の前に現れた人物にそのまま抱きついてしまった。
濡れ髪に衣はしどけなく乱れ、私は全速力で走ったので、荒い息を吐きながら、目の前の男性にガッチリと包まれるように見知らぬ男性の胸に飛び込んでしまったのだ。
「な……なっなんだっ!?」
その人物が驚いて自分の胸に勢いよく飛び込んで来た私をよく見ようとした。だが、私は勢い余って彼を押し倒した。彼は廊下に仰向けにひっくり返り、私は馬乗りになるようにして彼の胸に倒れかかった。
にゅ……っ!
柔らかい感触が唇に。
ってか息ができないっ!
ぷはっと顔をあげた私は、目の前に綺麗な瞳があるのを見た。
あれ……デジャブ?
どこかで……。
「うわっ!」
叫んだのは私の真下にいる男の方だ。
「お前っ!」
ガバッと彼が私の両肩をつかんで彼の体から引き離した。
「う……っあぁ……っおま」
彼が奇妙な呻き声をあげて、私の衣をガバッと閉じた。
きゃっ!
見えてた!?
今、見たの?
私は必死で淡い青色の薄絹の衣の前を閉じた。絶対に今、開いていた。彼に体が丸見えだった。私は泣きそうになった。
飛び起きて、私は彼から離れた。
私は必死で逃げようとした。だが、すかさず彼にバシッと手首を掴まれて引き寄せられた。彼の胸にまたふわりと飛び込む形で私はバランスを失って彼の胸に抱かれた。
「え!?」
あの山で私をつかまえた敵陣の若君だった。
激奈龍の若君!
彼は驚く私をガシッとつかまえて、低い声でささやいた。
「動くな」
私はそのまますぐそばの部屋の中に彼に引きずり込まれた。
「き、キスしたことは謝りあぁ……っ」
私は必死に弁解しようとした。彼は美しい顔に怒りを滲ませていたが、ふっと笑って無言で私を部屋の中に連れ込んで、口づけをした。
あぁ……んっ
何……っ!?
私の入内は予期せぬ展開になったようだ。
あっ!
ここは敵陣なの?
私は先ほど激奈龍の若君に囚われたのだった。
うん?
衣が変わっている。
あぁ、葉っぱまみれだったから、こんなご立派なお布団には寝かせられなくて、はいはい……って、そんなに親切な敵って何?
逆に怖い。
見ぐるみ剥がして牢獄に入れるとか。いや、牢獄にぶち込むなら身ぐるみは剥がさないだろう……。
いやーん。
何がどうなっているの。
なぜこんな贅沢な調度品で整えられ、一の姫の私ですら寝たことのないような高価な布団に包まれているのかしら?
あれ?
もしかして。
囚われて、愛人にされるとか?
きゃー!
逃げなきゃ。
のんびり布団にくるまっている場合ではないっ!
ガバッと飛び起きた私は、密かに物音を伺った。賑やかな音が離れたところからするようだが、部屋の近辺には誰もいないような……。
袂の短剣を探したら、無くなっていた。
そっか。
そりゃ没収されるよね。
こうなったら、丸腰で逃げよう。
私は覚悟を決めて、ささっと戸の方に近づいた。途端に扉が開き、知らない女人が現れた。
「湯が準備できております」
私は震え上がった。入浴させて、その後……。
「いや、汚いままで結構ですっ!」
私はそれだけ言うと、身を翻して布団の方に戻った。
「お布団が汚れまするっ!」
女人は厳しい声を出した。小袖と同じくらいの22歳くらいに見える。
ふーん、私よりちょっと年上の女性ねぇ。
本気で走ったら、撒けるかも?
私は窓に突進して、ガラッと開けた。
そのまま飛び降り……って、ここ何階っ!?
「死にますよ、そこから飛び降りたら」
パッと振り返ると、22歳くらいの女人が腕組みをしたまま仁王立ちして私を見据えていた。
「姫っ!戻って来なさいっ!」
一括されて、私はすごすごと窓にかけていた足を下ろした。
ってここどこ?
なんか今見覚えがある庭が遠くに見えたような?
「あの……ここはどちらでしょう?」
「湯に入ってくださいっ!私がお叱りを受けます。つべこべ言わないっ!」
女人の瞳は怒りに燃えていた。
「は……はい」
私は仕方なく従うしかあるまいと思った。
湯に入るだけだし。
女人が歩く後を付いて行く私。その後ろを屈強な兵が3人付いてきた。腰には剣が見える。
ふーっ。
逃げることは叶わず。
鷹宮に捧げるはずのこの体を敵陣に捧げることになるとは……。
私は泣きたくなった。
湯殿は豪華だった。湯に綺麗な花びらが浮かんでいる。匂いをつけるためのものだ。そして贅沢な気分に浸るもの。
はいはい、愛人は綺麗さっぱり洗い上げられていい匂いがしないとねぇ……って、だめだ。絶対絶命だ。
こんな趣味があるのは絶対にジジイだ。敵の姫を弄ぶ趣味があるのは、若い娘が寄ってくるような若君ではないだろう。
だって、あの紫の美しい高そうな衣を着て私に怒っていた若君は、人生で見たことのないイケメンだった。
あのお方は女性にお困りなどしないでしょう。むしろ、姫君をよりどりみどりでしょう。
こんな私のような、山でたぬきのように酔って寝ていた、姫と呼べないような行動をとった者を相手にしようなどと考える輩は、きっと偏屈年寄りだ。
あぁ、終わった。
私は湯に入れられて、ポツンとひとりぼっちで、花びらの浮いた水面を眺めていた。
あぁ、気持ちいぃ。
最後にいい思いをさせてくれたんだぁ、と思うことにするか。
いや、思えないでしょっ!
敵のジジイの愛人になってって。
済々のお家の人々、父上、母上のお顔を思い浮かべると、泣けてきた。
鼻の奥がつんとして、熱い涙が目から溢れてきた。
ガバッと湯から引っ張り出された。
そのまま3人の女人にゴシゴシと髪の毛を洗われて、体もこすられた。
キャっ!
なんでそんなにみんな真剣に洗うの!?
真面目な顔で人を素っ裸にして洗い尽くして何が面白いの。
あぁ、仕事か。
ジジイの命令に従っているだけなのか。
私はもう諦めの境地に達した、フリをした。3人の女人に囲まれて、私は服も身につけておらず、逃げ場はない。
綺麗に洗われて、湯殿から綺麗な板の間に移動させられた。彼女たちは恭しく私に尽くしているようで、問答無用の迫力があった。
髪の毛を乾かすために、風を送られた。秋風が吹く頃だから寒いと思ったのか、湯上がりの準備部屋には火鉢がちゃんといくつも用意されていた。
至れり尽くせり。
済々家の一の姫でも、こんなに3人がかりってことはなかった。
「お腹がすいた」
私はポツンと言った。
考えてみれば、昨晩はお酒しか口にしなかった。朝、山で目覚めてから何も食べていない。
「お待ちください」
最初に私に湯に入れと一喝した女人が、私にそう言って部屋をそっと出て行った。
うん?
これはチャンス到来な気がする。
髪の毛はまだ乾き切ってはいない。
「あのもよおして来たのですが」
頬を赤らめて、恥ずかしそうに言ってみた。
一瞬の間があって「どうぞこちらに」と一人の侍女が言った。私はその小柄な侍女に案内されるがままに、長い廊下に出た。
侍女が私を振り返った。
だが、私は必死で反対方向に廊下を走っていた。
急ぐの!
死ぬ気で走るのよっ!
美しい薄青い絹の衣には、幾つも刺繍が施されていて、天女になった心地になれる衣だった。つまり、裾が長い。前がはだけてしまった。だが、今はそんなことを気にするわけにはいかない。
どれほど高待遇であろうと、敵のジジイに身を捧げるわけにはいかないのだ!
この身は宮に捧げるための体なのだから!
曲がり角で、一瞬、私は後ろを振り返った。
不覚にも、私は目の前に現れた人物にそのまま抱きついてしまった。
濡れ髪に衣はしどけなく乱れ、私は全速力で走ったので、荒い息を吐きながら、目の前の男性にガッチリと包まれるように見知らぬ男性の胸に飛び込んでしまったのだ。
「な……なっなんだっ!?」
その人物が驚いて自分の胸に勢いよく飛び込んで来た私をよく見ようとした。だが、私は勢い余って彼を押し倒した。彼は廊下に仰向けにひっくり返り、私は馬乗りになるようにして彼の胸に倒れかかった。
にゅ……っ!
柔らかい感触が唇に。
ってか息ができないっ!
ぷはっと顔をあげた私は、目の前に綺麗な瞳があるのを見た。
あれ……デジャブ?
どこかで……。
「うわっ!」
叫んだのは私の真下にいる男の方だ。
「お前っ!」
ガバッと彼が私の両肩をつかんで彼の体から引き離した。
「う……っあぁ……っおま」
彼が奇妙な呻き声をあげて、私の衣をガバッと閉じた。
きゃっ!
見えてた!?
今、見たの?
私は必死で淡い青色の薄絹の衣の前を閉じた。絶対に今、開いていた。彼に体が丸見えだった。私は泣きそうになった。
飛び起きて、私は彼から離れた。
私は必死で逃げようとした。だが、すかさず彼にバシッと手首を掴まれて引き寄せられた。彼の胸にまたふわりと飛び込む形で私はバランスを失って彼の胸に抱かれた。
「え!?」
あの山で私をつかまえた敵陣の若君だった。
激奈龍の若君!
彼は驚く私をガシッとつかまえて、低い声でささやいた。
「動くな」
私はそのまますぐそばの部屋の中に彼に引きずり込まれた。
「き、キスしたことは謝りあぁ……っ」
私は必死に弁解しようとした。彼は美しい顔に怒りを滲ませていたが、ふっと笑って無言で私を部屋の中に連れ込んで、口づけをした。
あぁ……んっ
何……っ!?
私の入内は予期せぬ展開になったようだ。
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