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極悪伯爵(8)
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俺は売れっ子俳優のチェスターだ。裏の顔はマフィアのトップだが、そっちの顔は世間には公に知られていない秘密の顔だ。
今日は俳優業の仕事の日だった。俺の苦手な女性を口説き落とすシーンの撮影を前に、俺は相当ナーバスになっていた。嫌な汗がにじむ。
――今日はこのビックスターを前にうまく演じられるだろうか。緊張で心臓がドキドキしてきている。このシーンさえ終われば、今日の分は撮了だ。明日はオフだから、リョウタとボクシングのスパーリングに行って、その後裏稼業を少し片付けたらのんびりしよう。
そんなことを考えていたその時だ。俺の目の前からビッグスターの美しい女性が消えた。
なぜか、俺はベッドのマットレスに顔面を押し付けられて、後ろ手に両手を縛られて身動きが取れない状態で、男がズボンのベルトを外す音を聞いた!
咄嗟に俺は動いた。身を翻して立ち上がって振り返ると、男のむきだしの急所を思いっきり蹴り上げた。
――ああ、見たくもないおぞましいものを見てしまったぜっ!
声にならない声を出して悶絶して床でのたうちまわるその男を俺は蹴り上げた。
「二度とするなっ!」
俺から出た声は思ったとおり若い女性の声だ。俺は急いで自分の胸をドレスに仕舞い込んだ。男は無言で床の上をのたうちまわっている。女性がこの男に酷いことをされようとしているところだったと分かる。
俺は後ろ手に縛られた両手の縄を自分で解いた。
――マフィアのトップをなめるんじゃない。こういうのは習得済の技だ。
俺は男の髪の毛をつかみ、男の目を見て声を低くして警告した。
今日は俳優業の仕事の日だった。俺の苦手な女性を口説き落とすシーンの撮影を前に、俺は相当ナーバスになっていた。嫌な汗がにじむ。
――今日はこのビックスターを前にうまく演じられるだろうか。緊張で心臓がドキドキしてきている。このシーンさえ終われば、今日の分は撮了だ。明日はオフだから、リョウタとボクシングのスパーリングに行って、その後裏稼業を少し片付けたらのんびりしよう。
そんなことを考えていたその時だ。俺の目の前からビッグスターの美しい女性が消えた。
なぜか、俺はベッドのマットレスに顔面を押し付けられて、後ろ手に両手を縛られて身動きが取れない状態で、男がズボンのベルトを外す音を聞いた!
咄嗟に俺は動いた。身を翻して立ち上がって振り返ると、男のむきだしの急所を思いっきり蹴り上げた。
――ああ、見たくもないおぞましいものを見てしまったぜっ!
声にならない声を出して悶絶して床でのたうちまわるその男を俺は蹴り上げた。
「二度とするなっ!」
俺から出た声は思ったとおり若い女性の声だ。俺は急いで自分の胸をドレスに仕舞い込んだ。男は無言で床の上をのたうちまわっている。女性がこの男に酷いことをされようとしているところだったと分かる。
俺は後ろ手に縛られた両手の縄を自分で解いた。
――マフィアのトップをなめるんじゃない。こういうのは習得済の技だ。
俺は男の髪の毛をつかみ、男の目を見て声を低くして警告した。
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