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キャロラインの場合(1)
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私は馬車の中にいたはずなのに、この前の会長の控室に自分がいることに気づいた。目の前に綺麗な花がいけてある、あの豪華な控室だ。
――何がどうなっているの!?また入れかわったの?
「会長、そろそろ大丈夫かな?」
リョウタが控室の扉をノックして入ってきた。
――私のかわりに、会長が馬車の外で起きた騒ぎに対処しているのね。それなら、私はここで会長の代役を務めるしかないわ。
「ええ。いいわ」
私は腹をくくって椅子から立ち上がった。リョウタについて歩き始めた。
「会長、いいかな?この前みたいにビッグスターを抱き寄せて、好きだという気持ちを伝えるだけだから。強いて言えば、この前よりいちゃついてほしいんだけど……」
リョウタは通路を歩きながら、遠慮がちに私に小声でささやいた。
「わかったわ」
私はうなずいた。
――仕方がない。会長は私の危機に立ち向かっているわ。それなら私もこちらで頑張るしかないわ。
リョウタに続いて歩いて行くと、大勢の人に囲まれている中心に、ウェディングドレスを着た美しい女性が立っていた。彼女を見て、私は目を見張った。優美でいながらどこか妖艶な雰囲気を佇ませて、恋にこがれる少女のようなときめきを纏った女性が立っていた。この前のビッグスターだ。
「素晴らしく綺麗……」
私は思わず心の声がそのまま出てしまった。私の心の声をめざとく聞いた女性は真っ赤になった。
「可愛い」
――何がどうなっているの!?また入れかわったの?
「会長、そろそろ大丈夫かな?」
リョウタが控室の扉をノックして入ってきた。
――私のかわりに、会長が馬車の外で起きた騒ぎに対処しているのね。それなら、私はここで会長の代役を務めるしかないわ。
「ええ。いいわ」
私は腹をくくって椅子から立ち上がった。リョウタについて歩き始めた。
「会長、いいかな?この前みたいにビッグスターを抱き寄せて、好きだという気持ちを伝えるだけだから。強いて言えば、この前よりいちゃついてほしいんだけど……」
リョウタは通路を歩きながら、遠慮がちに私に小声でささやいた。
「わかったわ」
私はうなずいた。
――仕方がない。会長は私の危機に立ち向かっているわ。それなら私もこちらで頑張るしかないわ。
リョウタに続いて歩いて行くと、大勢の人に囲まれている中心に、ウェディングドレスを着た美しい女性が立っていた。彼女を見て、私は目を見張った。優美でいながらどこか妖艶な雰囲気を佇ませて、恋にこがれる少女のようなときめきを纏った女性が立っていた。この前のビッグスターだ。
「素晴らしく綺麗……」
私は思わず心の声がそのまま出てしまった。私の心の声をめざとく聞いた女性は真っ赤になった。
「可愛い」
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