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キャロラインの場合(2)

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 私はまた心の声をそのまま出してしまった。ウェディングドレスを身に纏った女性は可憐な表情で嬉しそうに微笑んだ。

「じゃあ、いいね。本番行くよ」

 その声がどこからともなくすると、皆がサッといなくなった。そこには、私とウェディングドレスを着たビッグスターだけになった。

 私は、王太子閣下が私のウェディングドレスを決めた瞬間を心に思い浮かべた。

 ――あの時の王太子閣下を再現するわ。あのときめきをそのままにやってみましょう。

「用意、アクション!」
 
 私は、結婚前に仕立て屋まで突然訪ねてきた王太子閣下を心に思い浮かべた。

「君の美しさを他の人に見せつけるのがとても惜しい気持ちで、悔しくなる。そんなに胸元があいているドレスを他の男性陣に見せたくない」

 私は自分で言っておきながら真っ赤になって照れたように少し横を見て、つぶやいた。

「そんな………………」とビッグスター。
「もちろん、君の肌に触れるのは俺だと知っている」

 この言葉を自分で言って私はさらに赤面した。顔から火が出そうなぐらいに暑くなり、体もほてってきて、見るとビッグスターも頬を赤らめている。

「その…………君の肌を見るのも俺だけにしたい」

 私はそうささやくと、ビッグスターの首筋に口付けをした。

 きゃっ…あぁっん

 私の腕の中でビッグスターは震えて身じろぎをした。私は彼女をうっとりと見つめてささやいた。

「そのドレスで構わないが、ヴェールでもっと覆うようにはできないだろうか」
「わかったわ。できると思うわ」
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