ミミック大東亜戦争

ボンジャー

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第三十一話 解体ショーの時間だコラ

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 準備不足の軍隊と奇襲を受けた軍隊のグダグダ泥仕合は、ポーランドの大地を滅茶苦茶にしながらソ連が国境から叩き出される結果となった。

 

 国共の向こうに何とか赤い津波を押し返したドイツであったが、ここで国防軍とヒトラーは対立する。



 筆髭の裏切りに激怒するちょび髭は勢いに乗り早期のモスクワ攻撃を主張。



 マンシュタイン中将ら国防軍は此処は落ち着いて戦力回復に努めるべきだと主張したのだ。

 

 本来、ソ連攻撃作戦バルバロッサには一年以上先に予定されていたのだ。



 このままソ連領に踏み込んでも準備不足で立ち往生は必須、それならば攻勢防御に徹して戦力の回復と備蓄を行うべきだ。

 

 「将軍のご指摘ごもっともだが情勢がそれを許さないのだ」



 国防軍首脳の談判を受けたヒトラーは答える。



 ソ連の後ろでは大日本帝国がシベリアを猛進してきている。



 「このまま何もしないで、もしモスクワに旭日旗が翻ってみろ。我々は世界の笑いものになるではないか!後ろから殴り付けられて置きながら、泣きながら同盟国の助けが来るのを待っていたと言われるんだぞ!」



 (スターリンを信じて不可侵結んだはお前の言えることか!)



 怒鳴りつけてやりたい。



 (その髭似合ってねーんだよ。伍長勤務止まりが偉そうにしてんじゃねぇ!毟るぞその髭!)



 言ってやりたい、言ってやりたいが相手は総統、ソ連の奇襲と言うミスは犯しても、まだまだ国民人気は健在なのだ。



 支離滅裂に怒鳴り散らし国防軍の怠慢を非難仕出したちょび髭を、アドルフ君係のエーファ婦人で落ち着かせた将軍たちは譲歩案を出した。



 スターリングラードを目指した攻撃である。

 

 幸いと言っては何だが、ソ連はベルリンを早期陥落させる為戦を北方に集中させている。



 ソ連が旧ポーランド領から叩きだされた事で、風見鶏していたルーマニア、ハンガリーも覚悟を決めた様であるのでまずウクライナ攻略を行い。



 スターリングラード方面で西進してくる日本と合流し共同でモスクワを攻撃する、そんなプランだ。



 将軍たちとてそう簡単に成功するとは思っていない。



 今はこの癇癪もちの駄々っ子を丸め込むの先決。



 ダメ元のこの提案はエーファの説得もあり、すんなりと受け入れられる。



 「エーファ婦人スゲー、今度から総統との会談には夫人に同席してもらおう」



 普段だったら頑として意見を曲げないヒトラーが借りてきた猫みたい。関心しながら将軍たちは帰っていった。



 1940年8月12日 ウクライナ攻略作戦ヴラウは開始された。



 ソ連側も当然これを察知、救援を送ろうとするがままならない。



 機動力の要、自動車が足りないのだ。



 史実ではソ連に与えられたレンドリースが届いていないのがその原因である。



 ノモンハン事件で太平洋への出口ウラジオストクを奪われたのがここで響いてきた。



 完全に届いていないと言う訳ではない。



 インドより中央アジア経由で来ては居るのだが如何せん距離がある。



 日本が船便の妨害を掛けていないとしても、アメリカからインドは遠すぎる。



 そこから鉄道に乗せ換えるのだがこれも一苦労。パシミール高原を超えるルートなのだから致し方ない。



 逆にドイツにはドンドンと日本からの補給品は届き始めた。



 「米英がレンドリースするならこっちも堂々と送ってやる。距離はあるなら数でいく」



 もう船員は全てメイドさんにお任せだ。



 ドイツの港だけではない。



 「欲しいならどうぞ」



 と地中海側のイタリア、フランスの港に船ごとお届け。



 枢軸各国も我先に群がりお土産を奪い合うが物資の山は一向に減らない。



 送り付けられたイタリアは、始めは役得と物資を懐に入れていたが懐の方が重くて動けなくなる有様。



 物資の配送に陸海総出で当たる。これではアフリカ領土防衛もままならないとイギリス弱体化を口実に海外植民地から兵を引き上げ始めた。



 「なに後で取り返せばよい、こちらは待てば待つほど強大になるのだ」



 とは統領の弁。



 10月に入りキエフは陥落する。



 やる気がなかったルーマニア、ハンガリーのコンビも機械化の一大チャンスと戦争に気が入ったおかげだ。



 「もしもし日本さん?オレオレ、角のアントネスクだけどトラック頂戴。トラック、あとマザーマシンそれと石油あと金も欲しいかな、えっそうそう髭に言われたの髭に、払いは髭でお願い早くしてね」



 11月 冬に入ったロシアは反撃にでるがいまいち勢いがない。

 

 シベリアを西進した日本軍が遂にカスピ海に到達したのだ。



 墨俣戦法を我が物にした日本の驚異的な速さの前に、中央アジアのレンドリースルートは途絶させられてしまう。



 クラノヤルスク、オムスク、ウファなどの大都市は爆撃で焦土にするが取りはしない。



 シベリアの戦いは都市と言う島の取り合いなのだ。何もない荒野の中に浮かぶ貴重な島とそこに通る鉄道の奪い合い。



 だから焼き尽くした上で無視する。その上で自分たちは荒野ぶっ立てたリゾートを使い捨て進軍する。



 「お前はそこで乾いて死ね。あーメイドさんが入れた玉露は美味いね、お茶菓子は何?ほう、虎屋の羊羹、厚く切ってね」

 

 12月 厳冬のラップランドからキラーサンタ参戦。



 目標レニングラード。



 沈められても沈められても、ヘルシンキに到着する日本製品はフィンランドの欲望に火をつけた。



 「カレリア全体をわが手に!」



 四方から食い荒らされるソヴィエト連邦その崩壊は近い。


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