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第四十二話 大和の盆踊り
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1945年 2月8日
大日本帝国が引き延ばし戦略に出た事を悟ったアメリカ合衆国は大日本帝国に対して宣戦を布告。
宣戦理由はドイツへの中立を謳った武器給与。
合衆国市民に取ってこの宣戦理由は納得いくものでは必ずしもなかったが、ドイツがボストンを焼いている以上、協力する日本も同罪であるとの政府説明には頷く者も多かった。
最大の理由は日本を舐めているからである。
確かにあいつらは中国とソ連を下したかもしれない。
だが中国は同じアジア人の三流軍隊、ソ連はドイツとの挟み撃ちがあっての事。核兵器を持った合衆国が負けるはずもない。
ドイツはあれだ、運が悪かったのさ、あと裏切者の五枚舌。少し気が咎めるが、まあ降伏した後ならエンペラーを追い出すくらいで許してやろう。それがあいつらの為にもなる。
あいつらは道を間違えた善導してやろう。
人種差別と少しの罪悪感が綯交ぜになった気持ちで合衆国市民は戦争に賛成した。これでも史実より大分ましな方だ。少なくとも日系人は収容所行に今の所なっていない。今の所は。
2月10日 トラック諸島への核兵器投下、軍港への直撃は火竜の攻撃により阻まれたが、これにより一時軍港は使用不能になる。
鉄壁の防御と自負していた空軍にとり痛い打撃だ。
お返しに太平洋全体とフィリピン上空では熾烈な航空戦と潜水艦戦は展開される。お互い水上艦艇はそう簡単には繰り出せない。
日本は核攻撃をアメリカは損耗を嫌っての事だ。隙あらば核攻撃、核を落とせば万事解決そんな思考に支配されている部分もある。
日本もしやジリープアか?
さにあらずこれは作戦である。
太平洋に目を向けさせ、相手に最高のサプライズと継戦意欲を削ぐための。
作戦名はデッドマンアタック。
第一次大戦中、ガス攻撃を受けた余命いくばくもない者で編成された決死隊。
死をも恐れぬ、いや死者による攻撃。
死人攻撃ではいくら何でもと言う事で横文字で命名されたこの作戦、結局デ号作戦と言うなの情緒もへったくれもない名前に略されるが、如何なる作戦であろうか。
「なあ、黒島参謀、この作戦アリだと思うかね?」
2月15日 単冠湾を出港する艨艟を、旗艦大和で見送る山本五十六連合艦隊司令長官は部下の黒島亀人に語り掛けた。
何だか米国さん可哀そうだな。そう言いたげな山本の言葉に黒島参謀は答える。
「アリかナシかで言えば、アリでしょうな。米国は核兵器と言う、盤上を引っ繰り返す技に出た訳ですから、こちらが引っ繰り返しても問題は無いでは?。本作戦でやられる米国軍人や市民も諦めて貰うほかないでしょうな。向こうの政府も市街地に核を使うのに躊躇はないのですから」
まあ中ソと容赦なく市街地を住民事、更地にした我々の言える立場ではないしょうがね、と黒島参謀は結ぶ。
それもそうか。だがなぁ、と山本は思う。
(こんな作戦で死ぬのは私だったら御免だ。核で焼かれるのも砲弾で月まで飛ばされるのも死ぬなら同じ。でもなぁ、この作戦は何か違うんだよ)
言葉には出来ない大きな違和感を感じながら、霧の向こうに消えていく巨大な艦影を見送る山本五十六。
「恨むなら相手を見誤った、大統領を恨んでくれ米国の皆さん」
在りし日のラスベガスでの一夜をふと思い出し、山本は一瞬だけ死にゆく者に祈りを捧げた。
その日、極北の海を行く、艦隊を見つけたのは、アンカレッジから定期偵察にでたB17であった。
こんな北の果てまで日本軍が来る訳は無い。
そう思いながらも真面目に偵察を続けたいたB17乗員は思わず目をこする。
戦艦が1、2、3、4、5、6、7、8、9まだいる!
とんでもない艦隊だ。気になるのは戦艦だけである事だが細かいことは良い。
急ぎ放たれた通信は直ぐにアンカレッジに届き現地はてんやわんやの騒ぎになる。
何処を狙っているのだ?後続はいるのか?もしや上陸作戦か?
航続距離ギリギリまで追跡を続けたB17によれば、艦隊は米本土へのコースを進んでいる様だ。
まさか本土攻撃を企図しているのか!
しかし、戦艦のみで編成された艦隊が何故?
あれでは潜水艦に、食べて下さいと言う様なもの。
まあ良い、相手が死にに来るなら歓迎してやろう。日本海軍にどの様な考えがあったとしても馬鹿を晒すなら、晒してくれた方が良いに決まっている。
米国とて今回の戦争には必勝を期しているのだ。
日本海軍がその驚くべき生産力で押し寄せて来る事も考え西海岸には爆装したB29が常駐している。
核兵器も太平洋方面に送った8発を除き全てが西海岸にある。
何より全力を傾けて生産中、来るなら来い。核による史上初の撃沈記録に変えてくれる。米陸軍は燃えている。
話を変えるが、大日本帝国だけが陸海でいがみ合っている訳ではない。
米国も米国でいがみ合いどころではない、熾烈な権力闘争が陸海そして海兵隊で行われている。
史実では勝ったから研究者や好事家以外に注目されていないだけだ。
史実の太平洋戦線での縄張り争いなど、目を覆いたくなる程。米国視点で見れば良く君達それで勝てたなと思いたくなる。
それにやられる日本軍も良い面の皮なのでこれ以上言わないが。興味が有ったら調べて欲しい。
リリスではないが人間は愚かだ、皆愚かで皆良い。人類皆愚か、優しい気持ちになれるからお勧めする。
話を戻そう。ここで戦果を上げねば何処で上げる。核開発の煽りを受けて、海軍とは少ない予算を奪い合いっている。
そこに所管を奪い合った末勝ち取った核運用なのだ。
「陸軍航空隊です、陸軍航空隊を宜しく。空軍なんていりません。海兵隊?俺らから予算を奪うものは死んでしまえ!「
緊急出撃した潜水艦の、迎撃を受けながらも突き進む戦艦群。
何て堅さだ沈みやしない。何発食らわしたんだ。
堅いはずだ、この戦艦たちは全て大和型。、チョットやソットで沈むはずがない。
落伍した艦はその場に捨て彼女たちは突き進む。だが、その突撃も終わりの時が来た。
飛来したB29は18機、内6機は核を搭載している。
一発目。
核は艦隊先頭で炸裂した、一番艦は船体の一部を蒸発させ爆沈、二番、三番も爆風と熱線にやられたか行き足を止めお互い衝突したかと思えば猛烈な爆発を起こし爆沈。
二発目は真ん中、ついでもう一発、艦隊は熱線に焼かれ船体を蒸発させ崩壊していくがまだ進む事を止めない。三発、四発、五発、まだ死なないのか!
五発目にして、遂に落伍した二隻を以外の10隻は爆沈するか行動不能で自沈していく。
勝利だ!勝利したのだ!大日本帝国が、あれ程自慢にしていた大和型を一気に10隻!見たか海軍!これが核兵器の威力だ!
もうお前ら何ぞお役御免よ!予算は陸軍が貰う。
落伍した二隻も潜水艦の魚雷をこれでもかと受け爆沈した。
次の日、アメリカ合衆国の全てのメディアが偉大なる勝利を喧伝し全米はお祭りムードになる。
「お見事核兵器!戦勝の日は近い!日本よ早く降伏せよ!この機を使いドイツも叩け!」
全世界に届いたこの報道でドイツの総統とイタリアの統領からは
「「大丈夫なのか!まさか支援止めたりしないよね?」」
と問い合わせが日本大使館に届くほど。
これを受けた大使館も本国に本当に大丈夫なの?と連絡を入れるが日本政府そして海軍は泰然としている。ゲンナリしているとも言う。
それはこれから続く攻撃が、余りにも常識はずれで馬鹿馬鹿しいからであろう。
(ごはーつ!)
米国が喜んでいたのも束の間であった。
2月16日、再度、大艦隊が来襲する。今度は20隻の大和型だ。
えっ?何それ?ついこの間12隻沈めたよね?まだ来るの?どれだけいるの?
困惑しかないが相手は来るのだ。もしやと思い遊弋させていた潜水艦群の攻撃を受け、落伍艦を出しながら奴らはまたやって来る。
こうなれば何度でも来い!全部沈めてやる!
核の絶対的な力を信ずる米陸軍航空隊は再度迎撃にでる。今度は16隻。八発の核爆弾を受け艦隊は壊滅した。
へっ驚かせやがって!
(じゅうさんぱーつ!)
また来た、、、、どうなってるんだ!
正体を突き止めようと偵察を送り込むが、分厚い迎撃に阻まれる。
其の上アッツ島、キスカ島が敵の大型航空機の爆撃と空挺により占領される。
馬鹿な!空挺如きに易々占領される様な兵力ではないはずだぞ。
両島との連絡は
「女に抱えられた兵隊が猛スピードで突っ込んでくる」
との通信を最後に途絶えた。何それー?
畜生!敵は両島を瞬く間に要塞化させると付近の海域を重爆の制圧下に置いた。
おい何だこれ!B29じゃないか!写真間違ってるぞ。違いません?これが敵重爆です?あいつ等!パクリやがったな!
相手は何隻だ!
「30隻です」
、、、、、核持ってこいありったけだ!
ダッチハーバーに進出した潜水艦群も全力で攻撃するが余りの数に魚雷が払底する。
これ以上はサンフランシスコに戻らなければ。13発、13発の核で奴らは止まった。
(にじゅうろくはーつ!)
もう来るな!
だが40隻に増えた大和の群れは止まらない。
恐怖を感じ始めた陸軍は海軍に援護を求める。
海軍とて無視していたわけではない。
海軍さんは最後の守りについていた下さい、これは陸軍の仕事ですから(嘲笑)
と陸軍がのけ者していたので撃ち漏らしを狩るため艦隊は待機していたのである。
10発。太平洋から持って帰って来た核と新規生産分を合わせた最後の核兵器。
そして海軍の共同攻撃は何とか化け物どもを止める事ができた、
あいつ等何なんだ?殺られても殺られても抵抗一つしないで進んでくる。
もう来ないでくれ!
海軍虎の子のアイオワ級2隻含め、戦艦は砲身命数尽きるまで撃ってしまった。
魚雷も東海岸から持って来ているが間に合うかどうか。
ギリギリだ、今回は本土ギリギリだった。
幸か不幸かそのせいで攻撃可能な航空機を総動員して止められたが、もう西海岸での大型爆弾の備蓄が尽きる。
至急だ!至急、東海岸から弾を持って来てくれ!
(さんじゅうろくはーつ!もうおわり?)
来るな来るな来るな来るな!来た、、、
60隻になる死霊の群れは西海岸を食らいつくさんと来たのだ。
其の腹に大切なプレゼントを抱えて。
今回は何時もと違う。
各艦散開し戦隊を組んで押し寄せる。
もう彼女らを止める物は無い。
B29がB17がB25が爆装出来る物は全て、払底した大型航空爆弾に変わり陸用の小型爆弾を投下するが効くわけがない、相手は大和型なのだ。
西海岸に迫る死霊の群れ。
その内の一部隊はサンフランシスコに迫る。
搔き集められた陸軍の必死の抵抗を意に帰さず彼女らは進む。
進む進む進む。見えたゴールデンゲートブリッジだ。
陸からの猛射を受けズタボロの先頭艦が分離する。ああ、吸い込まれる様に進む先はもしや、、、。
「ふうっ、やっと着きました。それでは米国の皆さん御機嫌よう。私達はここで機能停止させて頂きます」
見るも無残な有様の第一艦橋で一人のメイドがその機能を停止しようとしていた。
そうなのだこれが大日本帝国海軍、そしてメイド軍団がとったデッドマン作戦なのだ。
「これは事故です事故、なんて運の悪いことでしょう。被害者?彼らは日本人ではありませんので」
「特に感慨はないですね。私たちが再起不能になるだけですので。自分の命?あなたは機械に何を言っているのですか?」
無慈悲なる機械が機能を停止した時、それに合わせて艦内で起爆する物がある。
日本海軍が仕掛けた時限爆弾である。そしてそれが置かれた場所こそ。
目に永遠に焼け付く光を残し、ゴールデンゲートブリッジに衝突した死霊の一匹は爆発した。艦内に設置された下瀬火薬3000トンと共に。
爆風と閃光、生きとし生けるものを飲みつくす死の風はゴールデンゲートブリッジの橋げたを吹き飛ばす。
そして、後方に待機していた死霊達は進み始める。生き残る住民を食い殺す為に。
大日本帝国が引き延ばし戦略に出た事を悟ったアメリカ合衆国は大日本帝国に対して宣戦を布告。
宣戦理由はドイツへの中立を謳った武器給与。
合衆国市民に取ってこの宣戦理由は納得いくものでは必ずしもなかったが、ドイツがボストンを焼いている以上、協力する日本も同罪であるとの政府説明には頷く者も多かった。
最大の理由は日本を舐めているからである。
確かにあいつらは中国とソ連を下したかもしれない。
だが中国は同じアジア人の三流軍隊、ソ連はドイツとの挟み撃ちがあっての事。核兵器を持った合衆国が負けるはずもない。
ドイツはあれだ、運が悪かったのさ、あと裏切者の五枚舌。少し気が咎めるが、まあ降伏した後ならエンペラーを追い出すくらいで許してやろう。それがあいつらの為にもなる。
あいつらは道を間違えた善導してやろう。
人種差別と少しの罪悪感が綯交ぜになった気持ちで合衆国市民は戦争に賛成した。これでも史実より大分ましな方だ。少なくとも日系人は収容所行に今の所なっていない。今の所は。
2月10日 トラック諸島への核兵器投下、軍港への直撃は火竜の攻撃により阻まれたが、これにより一時軍港は使用不能になる。
鉄壁の防御と自負していた空軍にとり痛い打撃だ。
お返しに太平洋全体とフィリピン上空では熾烈な航空戦と潜水艦戦は展開される。お互い水上艦艇はそう簡単には繰り出せない。
日本は核攻撃をアメリカは損耗を嫌っての事だ。隙あらば核攻撃、核を落とせば万事解決そんな思考に支配されている部分もある。
日本もしやジリープアか?
さにあらずこれは作戦である。
太平洋に目を向けさせ、相手に最高のサプライズと継戦意欲を削ぐための。
作戦名はデッドマンアタック。
第一次大戦中、ガス攻撃を受けた余命いくばくもない者で編成された決死隊。
死をも恐れぬ、いや死者による攻撃。
死人攻撃ではいくら何でもと言う事で横文字で命名されたこの作戦、結局デ号作戦と言うなの情緒もへったくれもない名前に略されるが、如何なる作戦であろうか。
「なあ、黒島参謀、この作戦アリだと思うかね?」
2月15日 単冠湾を出港する艨艟を、旗艦大和で見送る山本五十六連合艦隊司令長官は部下の黒島亀人に語り掛けた。
何だか米国さん可哀そうだな。そう言いたげな山本の言葉に黒島参謀は答える。
「アリかナシかで言えば、アリでしょうな。米国は核兵器と言う、盤上を引っ繰り返す技に出た訳ですから、こちらが引っ繰り返しても問題は無いでは?。本作戦でやられる米国軍人や市民も諦めて貰うほかないでしょうな。向こうの政府も市街地に核を使うのに躊躇はないのですから」
まあ中ソと容赦なく市街地を住民事、更地にした我々の言える立場ではないしょうがね、と黒島参謀は結ぶ。
それもそうか。だがなぁ、と山本は思う。
(こんな作戦で死ぬのは私だったら御免だ。核で焼かれるのも砲弾で月まで飛ばされるのも死ぬなら同じ。でもなぁ、この作戦は何か違うんだよ)
言葉には出来ない大きな違和感を感じながら、霧の向こうに消えていく巨大な艦影を見送る山本五十六。
「恨むなら相手を見誤った、大統領を恨んでくれ米国の皆さん」
在りし日のラスベガスでの一夜をふと思い出し、山本は一瞬だけ死にゆく者に祈りを捧げた。
その日、極北の海を行く、艦隊を見つけたのは、アンカレッジから定期偵察にでたB17であった。
こんな北の果てまで日本軍が来る訳は無い。
そう思いながらも真面目に偵察を続けたいたB17乗員は思わず目をこする。
戦艦が1、2、3、4、5、6、7、8、9まだいる!
とんでもない艦隊だ。気になるのは戦艦だけである事だが細かいことは良い。
急ぎ放たれた通信は直ぐにアンカレッジに届き現地はてんやわんやの騒ぎになる。
何処を狙っているのだ?後続はいるのか?もしや上陸作戦か?
航続距離ギリギリまで追跡を続けたB17によれば、艦隊は米本土へのコースを進んでいる様だ。
まさか本土攻撃を企図しているのか!
しかし、戦艦のみで編成された艦隊が何故?
あれでは潜水艦に、食べて下さいと言う様なもの。
まあ良い、相手が死にに来るなら歓迎してやろう。日本海軍にどの様な考えがあったとしても馬鹿を晒すなら、晒してくれた方が良いに決まっている。
米国とて今回の戦争には必勝を期しているのだ。
日本海軍がその驚くべき生産力で押し寄せて来る事も考え西海岸には爆装したB29が常駐している。
核兵器も太平洋方面に送った8発を除き全てが西海岸にある。
何より全力を傾けて生産中、来るなら来い。核による史上初の撃沈記録に変えてくれる。米陸軍は燃えている。
話を変えるが、大日本帝国だけが陸海でいがみ合っている訳ではない。
米国も米国でいがみ合いどころではない、熾烈な権力闘争が陸海そして海兵隊で行われている。
史実では勝ったから研究者や好事家以外に注目されていないだけだ。
史実の太平洋戦線での縄張り争いなど、目を覆いたくなる程。米国視点で見れば良く君達それで勝てたなと思いたくなる。
それにやられる日本軍も良い面の皮なのでこれ以上言わないが。興味が有ったら調べて欲しい。
リリスではないが人間は愚かだ、皆愚かで皆良い。人類皆愚か、優しい気持ちになれるからお勧めする。
話を戻そう。ここで戦果を上げねば何処で上げる。核開発の煽りを受けて、海軍とは少ない予算を奪い合いっている。
そこに所管を奪い合った末勝ち取った核運用なのだ。
「陸軍航空隊です、陸軍航空隊を宜しく。空軍なんていりません。海兵隊?俺らから予算を奪うものは死んでしまえ!「
緊急出撃した潜水艦の、迎撃を受けながらも突き進む戦艦群。
何て堅さだ沈みやしない。何発食らわしたんだ。
堅いはずだ、この戦艦たちは全て大和型。、チョットやソットで沈むはずがない。
落伍した艦はその場に捨て彼女たちは突き進む。だが、その突撃も終わりの時が来た。
飛来したB29は18機、内6機は核を搭載している。
一発目。
核は艦隊先頭で炸裂した、一番艦は船体の一部を蒸発させ爆沈、二番、三番も爆風と熱線にやられたか行き足を止めお互い衝突したかと思えば猛烈な爆発を起こし爆沈。
二発目は真ん中、ついでもう一発、艦隊は熱線に焼かれ船体を蒸発させ崩壊していくがまだ進む事を止めない。三発、四発、五発、まだ死なないのか!
五発目にして、遂に落伍した二隻を以外の10隻は爆沈するか行動不能で自沈していく。
勝利だ!勝利したのだ!大日本帝国が、あれ程自慢にしていた大和型を一気に10隻!見たか海軍!これが核兵器の威力だ!
もうお前ら何ぞお役御免よ!予算は陸軍が貰う。
落伍した二隻も潜水艦の魚雷をこれでもかと受け爆沈した。
次の日、アメリカ合衆国の全てのメディアが偉大なる勝利を喧伝し全米はお祭りムードになる。
「お見事核兵器!戦勝の日は近い!日本よ早く降伏せよ!この機を使いドイツも叩け!」
全世界に届いたこの報道でドイツの総統とイタリアの統領からは
「「大丈夫なのか!まさか支援止めたりしないよね?」」
と問い合わせが日本大使館に届くほど。
これを受けた大使館も本国に本当に大丈夫なの?と連絡を入れるが日本政府そして海軍は泰然としている。ゲンナリしているとも言う。
それはこれから続く攻撃が、余りにも常識はずれで馬鹿馬鹿しいからであろう。
(ごはーつ!)
米国が喜んでいたのも束の間であった。
2月16日、再度、大艦隊が来襲する。今度は20隻の大和型だ。
えっ?何それ?ついこの間12隻沈めたよね?まだ来るの?どれだけいるの?
困惑しかないが相手は来るのだ。もしやと思い遊弋させていた潜水艦群の攻撃を受け、落伍艦を出しながら奴らはまたやって来る。
こうなれば何度でも来い!全部沈めてやる!
核の絶対的な力を信ずる米陸軍航空隊は再度迎撃にでる。今度は16隻。八発の核爆弾を受け艦隊は壊滅した。
へっ驚かせやがって!
(じゅうさんぱーつ!)
また来た、、、、どうなってるんだ!
正体を突き止めようと偵察を送り込むが、分厚い迎撃に阻まれる。
其の上アッツ島、キスカ島が敵の大型航空機の爆撃と空挺により占領される。
馬鹿な!空挺如きに易々占領される様な兵力ではないはずだぞ。
両島との連絡は
「女に抱えられた兵隊が猛スピードで突っ込んでくる」
との通信を最後に途絶えた。何それー?
畜生!敵は両島を瞬く間に要塞化させると付近の海域を重爆の制圧下に置いた。
おい何だこれ!B29じゃないか!写真間違ってるぞ。違いません?これが敵重爆です?あいつ等!パクリやがったな!
相手は何隻だ!
「30隻です」
、、、、、核持ってこいありったけだ!
ダッチハーバーに進出した潜水艦群も全力で攻撃するが余りの数に魚雷が払底する。
これ以上はサンフランシスコに戻らなければ。13発、13発の核で奴らは止まった。
(にじゅうろくはーつ!)
もう来るな!
だが40隻に増えた大和の群れは止まらない。
恐怖を感じ始めた陸軍は海軍に援護を求める。
海軍とて無視していたわけではない。
海軍さんは最後の守りについていた下さい、これは陸軍の仕事ですから(嘲笑)
と陸軍がのけ者していたので撃ち漏らしを狩るため艦隊は待機していたのである。
10発。太平洋から持って帰って来た核と新規生産分を合わせた最後の核兵器。
そして海軍の共同攻撃は何とか化け物どもを止める事ができた、
あいつ等何なんだ?殺られても殺られても抵抗一つしないで進んでくる。
もう来ないでくれ!
海軍虎の子のアイオワ級2隻含め、戦艦は砲身命数尽きるまで撃ってしまった。
魚雷も東海岸から持って来ているが間に合うかどうか。
ギリギリだ、今回は本土ギリギリだった。
幸か不幸かそのせいで攻撃可能な航空機を総動員して止められたが、もう西海岸での大型爆弾の備蓄が尽きる。
至急だ!至急、東海岸から弾を持って来てくれ!
(さんじゅうろくはーつ!もうおわり?)
来るな来るな来るな来るな!来た、、、
60隻になる死霊の群れは西海岸を食らいつくさんと来たのだ。
其の腹に大切なプレゼントを抱えて。
今回は何時もと違う。
各艦散開し戦隊を組んで押し寄せる。
もう彼女らを止める物は無い。
B29がB17がB25が爆装出来る物は全て、払底した大型航空爆弾に変わり陸用の小型爆弾を投下するが効くわけがない、相手は大和型なのだ。
西海岸に迫る死霊の群れ。
その内の一部隊はサンフランシスコに迫る。
搔き集められた陸軍の必死の抵抗を意に帰さず彼女らは進む。
進む進む進む。見えたゴールデンゲートブリッジだ。
陸からの猛射を受けズタボロの先頭艦が分離する。ああ、吸い込まれる様に進む先はもしや、、、。
「ふうっ、やっと着きました。それでは米国の皆さん御機嫌よう。私達はここで機能停止させて頂きます」
見るも無残な有様の第一艦橋で一人のメイドがその機能を停止しようとしていた。
そうなのだこれが大日本帝国海軍、そしてメイド軍団がとったデッドマン作戦なのだ。
「これは事故です事故、なんて運の悪いことでしょう。被害者?彼らは日本人ではありませんので」
「特に感慨はないですね。私たちが再起不能になるだけですので。自分の命?あなたは機械に何を言っているのですか?」
無慈悲なる機械が機能を停止した時、それに合わせて艦内で起爆する物がある。
日本海軍が仕掛けた時限爆弾である。そしてそれが置かれた場所こそ。
目に永遠に焼け付く光を残し、ゴールデンゲートブリッジに衝突した死霊の一匹は爆発した。艦内に設置された下瀬火薬3000トンと共に。
爆風と閃光、生きとし生けるものを飲みつくす死の風はゴールデンゲートブリッジの橋げたを吹き飛ばす。
そして、後方に待機していた死霊達は進み始める。生き残る住民を食い殺す為に。
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