裸日本本土決戦 

ボンジャー

文字の大きさ
1 / 25

第一話 俺たち裸がユニフォーム

しおりを挟む
 1946年8月15日、東京湾に浮かぶ戦艦ミズーリーにおいて大日本帝国と米国との間に講和条約が結ばれた。

 

 居並ぶ代表団は対照的であった。片方の顔は明るく朗らかと言えるほど表情を浮かべ、もう一方は屈辱と困惑の表情であった。何よりも対照的なのは両代表の体格と格好である。

 

 連合国代表団の体格は標準的なホモサピエンスの中年男性の物であり、格好も外交儀礼にかなったものであった。

 

 方や、大日本帝国代表団の体格は、どう控え目に言っても化け物としか言いようがなかった。

 

 平均身長3メートル、平均体重500キロ、全身を筋肉の鎧で覆った巨人が申し訳程度の布切れで体を隠し、その巌の様な顔に朗らかな笑みを浮かべている。

 

 条約締結の後握手する両代表の差は子供と大人、いや、ヒグマと人の握手である、その証拠に米国代表の義務的な笑みは恐怖に引きつっていた。

 

 彼の恐怖も当然であろう、なぜならば目の前の巨人たちは、100万の兵員と10発以上の原爆、連合国が運用可能なほぼすべての化学兵器を使った日本本土攻略戦とソ連による満州侵攻を文字通り粉砕してしまったのだから。

 

 粉砕、私と握手しているモンスターは、文字通り素手で現代化科学の結晶たる我が国の軍隊を砕いてしまった。連合国代表ジョセフ・グルーは思った。



 代表として条約調印など自分がすることはあり得ないのだが、暴れまわる怪物との交渉を誰もが嫌がった結果、戦前に駐日大使であった自分にお鉢が回ってきたのである。

 

 とんだ貧乏くじであるが大統領直々の命令となっては断ることなどできない、そのためここ数か月、自分とスタッフたちは日本代表と講和のため秘密交渉をおこなってきた。



 誰だって自分をあっという間に引き裂ける大型肉食獣と同じ檻に入って獣相手に交渉するなど御免こうむりたい。

 

 ともかく交渉は纏まった、この破壊しかもたらさなかった戦争から合衆国は一抜けする、それが裏切者の汚名を被ることになっても、どんなに屈辱的でもだ。

 

 「それにしてもなぜこんな事になってしまったのだろうか?」

 

 グルーが心中で呟いた言葉は、会場にいる全米国人が思った言葉であろう。

 

 自分たちは確かに大日本帝国の喉元を締め上げていたはずであり、日本人に敗北を覆すことなどできないはず、そも自分たちが相手にしてきたのは出っ歯で眼鏡のイエローモンキーの群れであり、キングコングの軍団ではない!

 

 「そも日本人よなぜ戦える、町は焼け野原、農地という農地は化学兵器を受けただろう!」

 

 「我々には超巨大爆撃機にジェット機、ドイツのタイガーを超える重戦車なによりも核兵器があったろう」

 

 「なぜ負けてくれないのだ、いくら何でも卑怯だろう、撃たれた人間は死ぬんだよ!砲撃は爆撃は近くいたら人間なんてバラバラになるんだ!なんで投石で飛行機を落とすんだ!」



 「戦車は人間がひっくり返して良い物じゃない!何なんだよお前らコミックの世界に帰れ!帰ってくれ!」

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~

bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...