12 / 25
第十二話 クソゲーだよこれ
しおりを挟む
1945年8月15日 米国首脳部は手詰まりに陥っていた、主要都市は焼き払った、機雷封鎖により物流は壊滅させた、原爆を二発も投下した、しかし、日本は降伏する素振りすら見せない。
そもそも、連絡すらつかない、中立国やソ連の日本大使館は本国に連絡が付けられない為、交渉の役には立たない。
現在、大日本帝国は江戸時代に戻ったかのような鎖国状態だ。
仕方がないから、空からのビラ撒きで降伏を促してはいるが梨の礫。
では、中国、ソ連と陸続きの満州ならどうかと言っても、これまた同じような有様、陸上からの偵察は誰一人もどらず、低高度での偵察機は軒並み撃墜。
如何したものかと頭を捻っていると、遺棄された日本軍の兵器を巡って国民党軍と共産党が争いあう始末。
中華の地は再び国共内戦の機運が高まり始めている。
ソ連はソ連で、ルーズベルト大統領との秘密協定である、対日宣戦布告を守る気はさらさら無いようだ。
国境に兵力を増強しつつはあるが、そのスピードは緩やかになってきた。
どうやら中国共産党を通して日本軍の不可思議な行動を掴んでいたらしい。
彼らとしては火中の栗をまずアメリカに拾わせてからゆっくり日本帝国の遺産を横取りするつもりなのだろう。
原爆投下より再三にわたる米国の対日参戦の要求をのらりくらりしながら言を左右にしている。
こうなって来るとあのプランがアメリカ首脳陣の頭に上がって来る ダウンフォール作戦 である。
「「やりたくない」」
それが米国陸海官首脳部の本音である。
本作戦に上陸要員だけで150万、支援要員も含めれば500万という途方もない人員が必要となる、本土に侵攻する以上日本軍も死に物狂いで抵抗するであろう、損害は下手をすれば十万を超えるかもしれない。
だが日本が一向に降伏する素振りを見せないのならば、作戦は決行される。
第一段階作戦オリンピックの決行は1945年11月となった。
そうとなればできうる限り物資を集積し、併せて日本軍の継戦能力を削る必要がある。
B29による残った都市への戦略爆撃、空母機動部隊での流通網への空襲、戦艦での艦砲射撃が行われる。
9月に入り、この様な部隊に今まであり得なかった損害が出始めた。
B29での低空爆撃が正体不明の敵機に襲われ大損害を被ったのを始まりに、太平洋上での艦船の行方不明事件が続発し始めた。それはあれだけ米海軍を苦しめた特攻機による攻撃がピタリと止んだのと符合した。
1945年 9月16日 23時50分 グアム島沖300キロ
夜の闇の中を一匹の鳥が飛んでいる、いや違う鳥にしては大きすぎる、その翼には被膜があり、四つの手足があるのが見える。
蝙蝠だろうか蝙蝠だとすれば四本の手があることになる、それにその顔は余りに人に似ている。
異形の蝙蝠、大日本帝国海軍航空隊芙蓉部隊所属 藤井健三中尉は一寸先も見えない闇の中を、鼻歌交じりに愛機に代わる翼で飛んでいた。
風をその身に受けながら大空を羽ばたく何と気持ちの良いことか、しかもこの体は夜に中を昼の如く見通せる。
眼下を見ればボーグ級空母を伴った輸送船団が見える。丁度いい獲物だ。
そう思うと、彼は声なき声で大きく鳴き獲物へ向け一直線に降下していった。
その声に答え闇の中から数十もの影が彼に続いていく。
「「さあ、家族を迎え入れよう」」
そもそも、連絡すらつかない、中立国やソ連の日本大使館は本国に連絡が付けられない為、交渉の役には立たない。
現在、大日本帝国は江戸時代に戻ったかのような鎖国状態だ。
仕方がないから、空からのビラ撒きで降伏を促してはいるが梨の礫。
では、中国、ソ連と陸続きの満州ならどうかと言っても、これまた同じような有様、陸上からの偵察は誰一人もどらず、低高度での偵察機は軒並み撃墜。
如何したものかと頭を捻っていると、遺棄された日本軍の兵器を巡って国民党軍と共産党が争いあう始末。
中華の地は再び国共内戦の機運が高まり始めている。
ソ連はソ連で、ルーズベルト大統領との秘密協定である、対日宣戦布告を守る気はさらさら無いようだ。
国境に兵力を増強しつつはあるが、そのスピードは緩やかになってきた。
どうやら中国共産党を通して日本軍の不可思議な行動を掴んでいたらしい。
彼らとしては火中の栗をまずアメリカに拾わせてからゆっくり日本帝国の遺産を横取りするつもりなのだろう。
原爆投下より再三にわたる米国の対日参戦の要求をのらりくらりしながら言を左右にしている。
こうなって来るとあのプランがアメリカ首脳陣の頭に上がって来る ダウンフォール作戦 である。
「「やりたくない」」
それが米国陸海官首脳部の本音である。
本作戦に上陸要員だけで150万、支援要員も含めれば500万という途方もない人員が必要となる、本土に侵攻する以上日本軍も死に物狂いで抵抗するであろう、損害は下手をすれば十万を超えるかもしれない。
だが日本が一向に降伏する素振りを見せないのならば、作戦は決行される。
第一段階作戦オリンピックの決行は1945年11月となった。
そうとなればできうる限り物資を集積し、併せて日本軍の継戦能力を削る必要がある。
B29による残った都市への戦略爆撃、空母機動部隊での流通網への空襲、戦艦での艦砲射撃が行われる。
9月に入り、この様な部隊に今まであり得なかった損害が出始めた。
B29での低空爆撃が正体不明の敵機に襲われ大損害を被ったのを始まりに、太平洋上での艦船の行方不明事件が続発し始めた。それはあれだけ米海軍を苦しめた特攻機による攻撃がピタリと止んだのと符合した。
1945年 9月16日 23時50分 グアム島沖300キロ
夜の闇の中を一匹の鳥が飛んでいる、いや違う鳥にしては大きすぎる、その翼には被膜があり、四つの手足があるのが見える。
蝙蝠だろうか蝙蝠だとすれば四本の手があることになる、それにその顔は余りに人に似ている。
異形の蝙蝠、大日本帝国海軍航空隊芙蓉部隊所属 藤井健三中尉は一寸先も見えない闇の中を、鼻歌交じりに愛機に代わる翼で飛んでいた。
風をその身に受けながら大空を羽ばたく何と気持ちの良いことか、しかもこの体は夜に中を昼の如く見通せる。
眼下を見ればボーグ級空母を伴った輸送船団が見える。丁度いい獲物だ。
そう思うと、彼は声なき声で大きく鳴き獲物へ向け一直線に降下していった。
その声に答え闇の中から数十もの影が彼に続いていく。
「「さあ、家族を迎え入れよう」」
0
あなたにおすすめの小説
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
日露戦争の真実
蔵屋
歴史・時代
私の先祖は日露戦争の奉天の戦いで若くして戦死しました。
日本政府の定めた徴兵制で戦地に行ったのでした。
日露戦争が始まったのは明治37年(1904)2月6日でした。
帝政ロシアは清国の領土だった中国東北部を事実上占領下に置き、さらに朝鮮半島、日本海に勢力を伸ばそうとしていました。
日本はこれに対抗し開戦に至ったのです。
ほぼ同時に、日本連合艦隊はロシア軍の拠点港である旅順に向かい、ロシア軍の旅順艦隊の殲滅を目指すことになりました。
ロシア軍はヨーロッパに配備していたバルチック艦隊を日本に派遣するべく準備を開始したのです。
深い入り江に守られた旅順沿岸に設置された強力な砲台のため日本の連合艦隊は、陸軍に陸上からの旅順艦隊攻撃を要請したのでした。
この物語の始まりです。
『神知りて 人の幸せ 祈るのみ
神の伝えし 愛善の道』
この短歌は私が今年元旦に詠んだ歌である。
作家 蔵屋日唱
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる