世界は兄弟!皆死体!ネクロ大戦大日本

ボンジャー

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天然成分!ジッサイアンゼン!

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 生命とは、余すところなく使える資源だ。これほど便利で、骨の折れる仕事を容易にしてくれる物を、粗末に扱ってはならない。



 近ごろ、使い捨ての様に生命を乱費する輩が多いことは、吾輩たち古参の死霊術師にとっては、眉をしかめざるを得ない。



 諸君らも勘違いをしてはいけない。血も、肉も、骨も、適切な加工を以てすれば、長く有効に使えるのだ。愛を持って接するなら、生命は必ず答えてくれる。



 言うまでもないことであるが、特に魂は大事に扱う事だ。例え、薄汚れた凡夫の魂でさえ、諸君ら、駆け出しの死霊術師では想像も出来ない程の輝きを持っている。



 その輝きには、我らを石持て追う、ネズミの王侯さえ、逆らい得ない。



 何?ネズミに魂の価値が分かるのかだと?



 そこはそれ、卑賎な者共にも、分かる様にしてやるのだよ。簡単な話だ。彼らが追い求めて止まない物を、目の前にぶら下げてやれば、嫌でも理解できる。



 今日は、それを教えて進ぜよう。



 魔術書「異端講義録」より抜粋。



 

 



 さて、大日本帝国を率いる、、、、と言うより、引きずられているきらいのある、邪な死霊術師は、来る大フェスティバルを前に、帝国が袋叩きに会わないように、一つの策を打っている。



 史実の様にABCD包囲網等されれば(Cは既に脱落しているが)、準備が整うまで、改造中の帝国が干上がり兼ねないからだ。



 何はなくとも外貨。悲しいかな、ファンタジーで、この世を汚染しようとしている帝国にも、経済と言う者が存在する。永山も、真祖の吸血鬼となった達磨さんから、よーくそこの所を言い含められている。



 能天気に、「平押しすれば勝てるでしょ!中国でも勝てたしへーきへーき!」と言っていた永山であったが、軍民官の真祖達から、現代総力戦について、ミッチリ講義を受けさせられ、それなりに現代の戦争と言う物が分かってきている。



 「すんませんでした!舐めてました!許して!僕はまだ人間の方に席があるの!48時間連続講義は止めて!死霊術師が死ぬのは洒落にならない!」と悲鳴を上げながら覚えた甲斐があったと言う物だ。



 お陰でノモンハン事件を契機とした一連の紛争でも、始終、帝国はソ連を圧倒できたが、そこには不死者の活躍の他、定命の人間のサポートも大いに関係している。

 

 航空隊は制空権維持に奔走し、砲兵は死者の津波に気を取られる敵砲兵を相手に鉄火を持って、骨の進撃を援護している。ここで問題となるのが、これら定命の将兵が使用する兵器についてだ。



 暗黒の帝国と言えど、全ての兵器が骨と腐肉で出来ている訳ではない。刀やら弓やらであれば、死者にを復活させた時に、オマケとしてついてくる朽ちた物でも、十分だ。なんだったら素手でも良い。



 しかし、現代兵器を相手に、対砲兵戦をするのに、蘇った明軍が装備していたような、ボロボロの仏朗機砲では物の役には立たない。



 四足歩行型戦艦の投入は、何も海軍のガス抜きだけが理由ではない。現代兵器を死霊術で再現できないかの実験でもあったのだ。



 結果は上々。引き上げられた戦艦たちは、腐敗の魔術の元、地獄の火炎を吐き散らし、髑髏の砲弾を持って敵陣を蹂躙した。



 喜んだ海軍は、既存の艦船の改造を提案。これを見た陸軍も、死霊術と現代兵器の融合兵器量産を言い出した。



 だが、永山の返事は思わしくない。正確には世知辛い物だった。



 「出来ない事はないですよ?でも資源はどうするんです?骨と腐肉とエクトプラズムだけでは、戦車も戦艦も作れませんよ?」



 そうなのだ。死霊術は、あくまでも、死体や朽ちた兵器を再利用するSDGSに叶ったエコ外法なのである。であるから元になる兵器がないと何もできない。



 幸い、部品の大部分は骨で代替できるが、せめて器となるドンガラが無いことには、死霊は憑りついてくれない。



 ここで、永山が世界に打った策のお話となる。



 永山は「永山君!列島改造には金が掛かるんだよ!外貨!外貨を、お得意の魔法で稼いで来てくれ!今のままでは、破産する!」と夜の貴族とは思えないとても思えない達磨さんに迫られ。



 「新兵器開発には、予算が足りない!確かに死体の利用で人件費も圧縮できたが、術師養成にも金がいる!不死者ばかりではなく、生きている人間の事も考えてくれ!」と陸軍に泣きつかれ。



 「海軍工廠を内陸に移すなんて大工事、用地買収だけでも幾ら掛かると思うんだ!船は陸を歩けても、工場はそうはいかない!お金稼いできて!」と傍から聞いたら、気が違っているとしか思えない事を言われている。



  その全てを解決し、さらに帝国を目の敵にする列強諸国を黙らせる策を永山は打ったのである。



 1939年、風雲急を告げる国際情勢であるが、ファンタジーに汚染される帝国を一目見ようと、大日本幻想帝国を訪れる物好きは多い。



 理由は様々。



 「フェアリーが見たい」

 

 「ドラゴンが歩いているってホント?見せて!」

 

 「魔法使いに会いたい」

 

 「死んだ家族に会う方法もあるかもしれない」



 など、物見遊山が殆どだがこれを帝国は歓迎した。海外新聞も、生命への冒涜だなんだと書き立てるが、大部分は面白可笑しく、珍世界を紹介する。



 その様な人々の中の、切羽詰まった、若しくは欲の皮の突っ張った人間に、甘い甘い毒を持って永山は接触した。そしてこの世界の高貴な人々にもだ。



 大日本帝国は、文明世界的には、ど田舎と言えど、社交界も上流階級もちゃーんと存在する。その様なエスタブリッシュメントな人々を介し、海外の上流階級に接触した。

 

 老い、病を得、生にしがみ付く業突く張りどもを特に選んで。



 「生命の秘薬」



 ゲーム中では高品質回復アイテムでしかないが、そのフレーバーテキストにはこうある。



 「苦痛に藻掻く魂より絞り出した、生命の本質。これを一口飲めば、あらゆる病を遠ざけ、傷をいやし、若をも取り戻すだろう。

 死霊術師は言う。「君たちが主と仰ぐ者たちの内、幾人の人間が、これを飲むために私に、どれだけ被検体を提供してくれたか、しっているかね?」」



 これを、帝国に誘いこまれた人々に試供品として提供したのだ。勿論、その中でも有用な愚か者には、仮初の永遠と、隷属の口づけを与えてもいる。



 飛びつかない奴はいない。上流の人々は独自の情報網も当然持っている。口から口に奇跡は噂を呼び、東洋の神秘の噂は世界を回る。



 目の前に永遠の若さがあるのだ。幾ら出しても買う奴は買う。これで国庫が潤わないなら嘘だろう。



 金持ちはそんなにいない?限界がある?



 それはそう。だから極限まで希釈した物を、医療品として輸出もしている。売れたぞこれは、忽ち軍用品として各国が、先を争って買い付けにきている。モルヒネなんてポイだ!ポイ!



 合衆国大統領が、日本を、どう扱っていいのか分からない理由が分かっただろう?彼が車椅子から解放された理由もだ。



 どれ位対日感情が和らいだか分かるだろうか?



 F2A バッファローがノモンハン事件で投入され、D1号輸送機開発の前に、DC-3を輸出してくれた程だ。



 必要な物は魂と水だけ!なんて簡単!なんて安全!理想の薬!ジッサイアンゼン!お薬なら大日本帝国をヨロシク!アメリカサン!



 大盤振る舞いすぎる?これから敵になる奴らを強化してどうする?



 



 まあ、ちょっとした前渡しだ。どうせ、後で回収する、、、、、、魂もろともに。
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