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第六章 戴冠
第六節 truth
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雨が降っていた。
掘り返された土が濡れている。
その上に、赤い液体が小さな川を作っていた。
小さな丘の上に、石の社を背にし、一人の男が立っている。その男の足元、泥山の斜面に、一〇人近くの男が倒れているのであった。
何れも腕や脚を吹き飛ばされ、腹に風穴を開けられ、顔を潰されて、首を刎ねられていた。
泥山の上に立つ男を見上げているのは、涙を流す曇天の下でさえ、燃え盛る太陽の輝きを放つ真紅の鎧であった。
前方にぐっとせり出した兜、鳥のように巨大な胸板、張り出した肩に、太い腿、流麗な脛当て、足先には獣の爪のような突起が確認された。
ヒヒイロカネで造られた、“剥離の鎧”である。ディバーダ族の下級戦士、ハーラによって奪い取られたものだ。
しかし、“剥離の鎧”は剣も併せて“ゼノ・キッツァ”である。そしてハーラは、最後のピースとなる一対の剣を手に入れるべく、この社のある丘を襲撃したのである。
彼に立ち向かった戦士たちは、抵抗らしい抵抗を見せる事さえなく命を落とした。しかしこの時ハーラは、“剥離の鎧”を装着してはいなかった。ハーラは素手でヴァーマ・ドゥエルの戦士たちを殺害し、最後に残った男……ゼノキスァと対峙して初めて、奪取した“剥離の鎧”を身に纏ったのだ。
「剣は……渡さん!」
ゼノキスァはそう言うと、密かに持ち出した鎧櫃を地面に置いた。“剥離の鎧”の製造と同時に進められた、ヒヒイロカネを再現する為の研究に際して開発されたアポイタカラ……それによって造られたもう一つの鎧が、中には込められている。
ゼノキスァは櫃の中から鎧を取り出して身に纏った。ハーラが攻撃を加える隙はあったが、敢えてハーラはそうしなかった。ゼノキスァが素早く鎧を装着するのを待っていた。
アポイタカラは、冴え冴えとした月の、蒼白い輝きを放つ金属だ。そしてアポイタカラによって造られた鎧は、“剥離の鎧”と同じ形状をしていた。
異なっているのは、“剥離の鎧”にはある双剣が、蒼い鎧にはない事だ。故に“穿孔の盾と矛”とは、そのまま鎧の事を差す。
全てを貫く最強の矛、全てを防ぐ最強の盾、それらが手元にあったとして、わざわざぶつけ合わせる事には何の意味もない。そんな下らない事をやるくらいならば、どちらも手にして、鎧と成せば良い。
ヒヒイロカネには及ばないものの、奇跡的に誕生したアポイタカラも亦、装着者の意思の力に反応して運動能力を引き出す事が出来た。
“穿孔の盾と矛”を装着したゼノキスァは、泥山の頂上から高く跳躍し、地面に向けて蹴りを放った。
ゼノキスァの蹴りを躱したハーラだったが、“穿孔の盾と矛”はその名に違わぬ威力を見せ、地面に大きな陥没を引き起こした。
鎧を纏ったハーラは、ゼノキスァに殴り掛かってゆく。素手でさえ、何人もの命を奪い取った凶悪な拳だ。
ゼノキスァは同じく拳で対応した。ゼノキスァの左のパンチと、ハーラの右のパンチが正面からぶつかり合い、火花を散らした。いや、迸ったのは火花だけではない、金属同士がぶつかる激しい音が赤と蒼に色付いて、空中に波紋を起こした。
強大なエネルギー同士のぶつかり合いは、地面を抉り、泥山の表面をこそぎ取る。二人が繰り出す拳や蹴りのたびに、余剰なパワーが周囲に飛び散って、被害を及ぼした。
戦いは終始、ハーラに有利に進んだ。戦闘民族であるディバーダ族の最恐戦士ハーラと、鎧の製造者の血を引くとは言え和平の民であるゼノキスァでは、戦いの実力も経験値も差が開き過ぎていた。
ハーラの強力な一撃で、ゼノキスァは大きく弾き飛ばされて、丘に激突した。
丘の表面を塗り固めていた泥が一斉に弾け飛んで、社の下に隠されていた石の建造物が剥き出した。
“剥離の鎧”の最後のピース、双剣を封じたものだ。
ハーラは立ち上がろうとするゼノキスァに向けて、最後の拳を放った。赤い鎧に、ハーラの放つ赤黒い波動が収束する。拳を叩き付けられた“穿孔の盾と矛”は破裂するようにしてゼノキスァの身体から毟り取られ、ゼノキスァは自らの身体で封印場所を破壊する事となった。
この時、封印場所を隠していた丘が、泥となって崩れ落ちた。水を孕んだ茶色い津波が、轟々と音を立てて大地に被さってゆく。
「と……トゥケィ……マキア……」
ゼノキスァは最後に、子供たちの名を呼んだ。今日は、妻が子供たちを連れて、この場所へやって来る事になっていたのだ。ゼノキスァの血が持つ使命、自分たちが守るべきもの……それについて、自分が父親からされたように、彼らにも明かす心算であったのだ。
だが、父の願いは叶わず、子供たちを連れて来ていた母親は二人を守って死に、守られた幼いマキアも、両親の衝撃的な最期に眼を閉ざす事となった。
ゼノキスァを打ち倒したハーラは、しかし何故か、目的であった筈の“剥離の剣”を回収せず、そのままディバーダ族の砦に引き返し、そして当時のナーガ・ゾデを殺害して、姉のメルバと共に集落の長となったのであった。
俺は、激しい怒りに打ち震えた。
ハーラ・グル・アーヤバ……あの男が、俺の父親を殺した。母を殺した。妹から光を奪った。
そして一度はこの俺の命さえ、奪い掛けた。
だのに俺はそれを知らず、あの男と巡り合って置きながら、どうする事も出来なかった。
あの男に対する憎しみ、自分のどうしようもない無力さ、そしてこの女……メルバの砦に対する裏切り。
「“剥離の鎧”を手にした我々は、お前たちが気付かなかった事に気付いた。いや、お前たちは自ら、ヒヒイロカネを知る事を拒んだのだ。憶えていようワカフ、あの時、ヒヒイロカネを装着した戦士がどうなったかを」
「ああ。彼は“剥離の鎧”を身に着けた途端、全身を鎧と融合し、人ならざるものに変わってしまった。剣がなければ、危うかった。“剥離の剣”は文字通り、物体から物体を引き剝がす事が出来るでな。その事が原因の一つともなり、ヒヒイロカネを封印する事になったのじゃ。その代わりに、安全性の高いヒヒイロカネに近しきものとして、アポイタカラが造られた」
「だが我々は違う。ヒヒイロカネをより研究し、そして辿り着いた。ヒヒイロカネの更なる力にな」
「更なる力?」
「ヒヒイロカネは命を喰らう金属だという事が分かったのだ。ハーラは“剥離の鎧”に拘る事をしなかった。その為、ゾデ戦士たちは好き勝手に“剥離の鎧”を装着した。腕、脚、胸、それぞれの部分を身に着けて戦い、彼らは闘争本能のままにヒヒイロカネに身体を侵され、そうであっても戦い続けた」
それからどうなったかは聞くまでもない。タムザ・クファーンのようにヒヒイロカネと融合したのだ。
「この事により、ヒヒイロカネは融合した人間の身体を使って、増殖する事が分かった。人間の細胞と癒着したヒヒイロカネは細胞を同じ物質に変換する力があったのだ。例え腕部分だけであっても、使用者がヒヒイロカネに侵食されてしまった場合、その人間の体積分のヒヒイロカネが手に入る……」
「何だって……」
「ディバーダ族で食人習慣を始めさせたのもその為だ。命を多く喰らった人間の身体程、より多くのヒヒイロカネへと変質する。敵対する集落の人間を殺して喰い、より多く喰らった者はより多くのヒヒイロカネを生み、我らを更に強くする……」
始めさせた――メルバはそう言った。
つまりこの女は、ヒヒイロカネを増殖させる方法を知り、その為に、命を弄ぶような習慣をディバーダ族の中で生み出したという事か!?
成程、それによってヒヒイロカネが増やされたとすれば、彼らの装飾品や武器が、ヒヒイロカネとの合金であった事も頷ける。けれどもそれは、喰われる側だけではない、人を喰らうディバーダ族の人間の命さえも弄ぶ事だ。
「貴様ァッ……」
「これで話は終わりだ、少年。……ワカフよ」
メルバは憤る俺を無視して、ワカフ翁に声を掛けた。
「お前は何故、私がメルバだと分かったのだ。私の顔はあの時とは、随分と変わっている筈だがな……」
「そーいやそうだな」
ン・ダーモが間抜けな言い方をした。だが、ワカフ翁を年下扱いするメルバが、精々が俺の姉くらいの年齢に見えるという事はおかしな事だ。
「私も亦、ヒヒイロカネの恩恵を受け、この美しい姿を手に入れた。一〇年前の事だ……お陰で些か顔の造りも変わってしまったが、それで良く、ワカフよ、私をメルバだと分かったものだ」
「――」
ワカフ翁はどうした事か、押し黙ってしまった。何か、とんでもない失態を犯したかのような態度だった。
「見えていないのだな、お前には」
「見えて……」
「しかし同時に見えている。ワカフ、寄る年波には勝てぬという奴だな。お前は既に視力を失っている。だが同時に、別の部分で私を見ているな? そう、私の魂を見て、お前は私を判別しているのだ。この頭の中にヒヒイロカネの欠片を入れている私を、お前も同じくアポイタカラを脳に突き刺す事で感じているのだろう。違うかな、ワカフ坊や」
メルバは、自分の額を指し示しながら、そう言った。
掘り返された土が濡れている。
その上に、赤い液体が小さな川を作っていた。
小さな丘の上に、石の社を背にし、一人の男が立っている。その男の足元、泥山の斜面に、一〇人近くの男が倒れているのであった。
何れも腕や脚を吹き飛ばされ、腹に風穴を開けられ、顔を潰されて、首を刎ねられていた。
泥山の上に立つ男を見上げているのは、涙を流す曇天の下でさえ、燃え盛る太陽の輝きを放つ真紅の鎧であった。
前方にぐっとせり出した兜、鳥のように巨大な胸板、張り出した肩に、太い腿、流麗な脛当て、足先には獣の爪のような突起が確認された。
ヒヒイロカネで造られた、“剥離の鎧”である。ディバーダ族の下級戦士、ハーラによって奪い取られたものだ。
しかし、“剥離の鎧”は剣も併せて“ゼノ・キッツァ”である。そしてハーラは、最後のピースとなる一対の剣を手に入れるべく、この社のある丘を襲撃したのである。
彼に立ち向かった戦士たちは、抵抗らしい抵抗を見せる事さえなく命を落とした。しかしこの時ハーラは、“剥離の鎧”を装着してはいなかった。ハーラは素手でヴァーマ・ドゥエルの戦士たちを殺害し、最後に残った男……ゼノキスァと対峙して初めて、奪取した“剥離の鎧”を身に纏ったのだ。
「剣は……渡さん!」
ゼノキスァはそう言うと、密かに持ち出した鎧櫃を地面に置いた。“剥離の鎧”の製造と同時に進められた、ヒヒイロカネを再現する為の研究に際して開発されたアポイタカラ……それによって造られたもう一つの鎧が、中には込められている。
ゼノキスァは櫃の中から鎧を取り出して身に纏った。ハーラが攻撃を加える隙はあったが、敢えてハーラはそうしなかった。ゼノキスァが素早く鎧を装着するのを待っていた。
アポイタカラは、冴え冴えとした月の、蒼白い輝きを放つ金属だ。そしてアポイタカラによって造られた鎧は、“剥離の鎧”と同じ形状をしていた。
異なっているのは、“剥離の鎧”にはある双剣が、蒼い鎧にはない事だ。故に“穿孔の盾と矛”とは、そのまま鎧の事を差す。
全てを貫く最強の矛、全てを防ぐ最強の盾、それらが手元にあったとして、わざわざぶつけ合わせる事には何の意味もない。そんな下らない事をやるくらいならば、どちらも手にして、鎧と成せば良い。
ヒヒイロカネには及ばないものの、奇跡的に誕生したアポイタカラも亦、装着者の意思の力に反応して運動能力を引き出す事が出来た。
“穿孔の盾と矛”を装着したゼノキスァは、泥山の頂上から高く跳躍し、地面に向けて蹴りを放った。
ゼノキスァの蹴りを躱したハーラだったが、“穿孔の盾と矛”はその名に違わぬ威力を見せ、地面に大きな陥没を引き起こした。
鎧を纏ったハーラは、ゼノキスァに殴り掛かってゆく。素手でさえ、何人もの命を奪い取った凶悪な拳だ。
ゼノキスァは同じく拳で対応した。ゼノキスァの左のパンチと、ハーラの右のパンチが正面からぶつかり合い、火花を散らした。いや、迸ったのは火花だけではない、金属同士がぶつかる激しい音が赤と蒼に色付いて、空中に波紋を起こした。
強大なエネルギー同士のぶつかり合いは、地面を抉り、泥山の表面をこそぎ取る。二人が繰り出す拳や蹴りのたびに、余剰なパワーが周囲に飛び散って、被害を及ぼした。
戦いは終始、ハーラに有利に進んだ。戦闘民族であるディバーダ族の最恐戦士ハーラと、鎧の製造者の血を引くとは言え和平の民であるゼノキスァでは、戦いの実力も経験値も差が開き過ぎていた。
ハーラの強力な一撃で、ゼノキスァは大きく弾き飛ばされて、丘に激突した。
丘の表面を塗り固めていた泥が一斉に弾け飛んで、社の下に隠されていた石の建造物が剥き出した。
“剥離の鎧”の最後のピース、双剣を封じたものだ。
ハーラは立ち上がろうとするゼノキスァに向けて、最後の拳を放った。赤い鎧に、ハーラの放つ赤黒い波動が収束する。拳を叩き付けられた“穿孔の盾と矛”は破裂するようにしてゼノキスァの身体から毟り取られ、ゼノキスァは自らの身体で封印場所を破壊する事となった。
この時、封印場所を隠していた丘が、泥となって崩れ落ちた。水を孕んだ茶色い津波が、轟々と音を立てて大地に被さってゆく。
「と……トゥケィ……マキア……」
ゼノキスァは最後に、子供たちの名を呼んだ。今日は、妻が子供たちを連れて、この場所へやって来る事になっていたのだ。ゼノキスァの血が持つ使命、自分たちが守るべきもの……それについて、自分が父親からされたように、彼らにも明かす心算であったのだ。
だが、父の願いは叶わず、子供たちを連れて来ていた母親は二人を守って死に、守られた幼いマキアも、両親の衝撃的な最期に眼を閉ざす事となった。
ゼノキスァを打ち倒したハーラは、しかし何故か、目的であった筈の“剥離の剣”を回収せず、そのままディバーダ族の砦に引き返し、そして当時のナーガ・ゾデを殺害して、姉のメルバと共に集落の長となったのであった。
俺は、激しい怒りに打ち震えた。
ハーラ・グル・アーヤバ……あの男が、俺の父親を殺した。母を殺した。妹から光を奪った。
そして一度はこの俺の命さえ、奪い掛けた。
だのに俺はそれを知らず、あの男と巡り合って置きながら、どうする事も出来なかった。
あの男に対する憎しみ、自分のどうしようもない無力さ、そしてこの女……メルバの砦に対する裏切り。
「“剥離の鎧”を手にした我々は、お前たちが気付かなかった事に気付いた。いや、お前たちは自ら、ヒヒイロカネを知る事を拒んだのだ。憶えていようワカフ、あの時、ヒヒイロカネを装着した戦士がどうなったかを」
「ああ。彼は“剥離の鎧”を身に着けた途端、全身を鎧と融合し、人ならざるものに変わってしまった。剣がなければ、危うかった。“剥離の剣”は文字通り、物体から物体を引き剝がす事が出来るでな。その事が原因の一つともなり、ヒヒイロカネを封印する事になったのじゃ。その代わりに、安全性の高いヒヒイロカネに近しきものとして、アポイタカラが造られた」
「だが我々は違う。ヒヒイロカネをより研究し、そして辿り着いた。ヒヒイロカネの更なる力にな」
「更なる力?」
「ヒヒイロカネは命を喰らう金属だという事が分かったのだ。ハーラは“剥離の鎧”に拘る事をしなかった。その為、ゾデ戦士たちは好き勝手に“剥離の鎧”を装着した。腕、脚、胸、それぞれの部分を身に着けて戦い、彼らは闘争本能のままにヒヒイロカネに身体を侵され、そうであっても戦い続けた」
それからどうなったかは聞くまでもない。タムザ・クファーンのようにヒヒイロカネと融合したのだ。
「この事により、ヒヒイロカネは融合した人間の身体を使って、増殖する事が分かった。人間の細胞と癒着したヒヒイロカネは細胞を同じ物質に変換する力があったのだ。例え腕部分だけであっても、使用者がヒヒイロカネに侵食されてしまった場合、その人間の体積分のヒヒイロカネが手に入る……」
「何だって……」
「ディバーダ族で食人習慣を始めさせたのもその為だ。命を多く喰らった人間の身体程、より多くのヒヒイロカネへと変質する。敵対する集落の人間を殺して喰い、より多く喰らった者はより多くのヒヒイロカネを生み、我らを更に強くする……」
始めさせた――メルバはそう言った。
つまりこの女は、ヒヒイロカネを増殖させる方法を知り、その為に、命を弄ぶような習慣をディバーダ族の中で生み出したという事か!?
成程、それによってヒヒイロカネが増やされたとすれば、彼らの装飾品や武器が、ヒヒイロカネとの合金であった事も頷ける。けれどもそれは、喰われる側だけではない、人を喰らうディバーダ族の人間の命さえも弄ぶ事だ。
「貴様ァッ……」
「これで話は終わりだ、少年。……ワカフよ」
メルバは憤る俺を無視して、ワカフ翁に声を掛けた。
「お前は何故、私がメルバだと分かったのだ。私の顔はあの時とは、随分と変わっている筈だがな……」
「そーいやそうだな」
ン・ダーモが間抜けな言い方をした。だが、ワカフ翁を年下扱いするメルバが、精々が俺の姉くらいの年齢に見えるという事はおかしな事だ。
「私も亦、ヒヒイロカネの恩恵を受け、この美しい姿を手に入れた。一〇年前の事だ……お陰で些か顔の造りも変わってしまったが、それで良く、ワカフよ、私をメルバだと分かったものだ」
「――」
ワカフ翁はどうした事か、押し黙ってしまった。何か、とんでもない失態を犯したかのような態度だった。
「見えていないのだな、お前には」
「見えて……」
「しかし同時に見えている。ワカフ、寄る年波には勝てぬという奴だな。お前は既に視力を失っている。だが同時に、別の部分で私を見ているな? そう、私の魂を見て、お前は私を判別しているのだ。この頭の中にヒヒイロカネの欠片を入れている私を、お前も同じくアポイタカラを脳に突き刺す事で感じているのだろう。違うかな、ワカフ坊や」
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